紙の本
伸仁の成長がなんとも眩しい
2002/04/27 13:48
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投稿者:挫折ハードロッカー - この投稿者のレビュー一覧を見る
「流転の海」第三部。宮本輝の筆は相変わらず、冴えている。物語りがどこまで広がっても、それぞれの登場人物の言葉、表情、動きが鮮やかに行間から立ち上ってくるのだ。とくに素晴らしいのが、松坂熊吾が五十にして初めて得た息子、伸仁の成長を描写する筆者の躍動感あふれる文章。繊細でいて逞しい伸仁は、今後の物語りのひとつの核となっていくことを予感させる。
ああ、はやく続きが読みたい!
紙の本
人の光と闇
2021/05/05 13:52
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
流転の海が書かれてから14年、物語は終戦から昭和30年と10年間が描かれている。
3巻はなんと言っても息子の伸仁が成長し、大阪の市井の人達と過ごしている姿が楽しい。
この物語を読んでいると、昔の貧しかった時代の生活や人々の暮らしを思い出す。
昔はこんなだったよなあと、懐かしさとちょっと辛いことや悲しいことも思い出させられる。でも、ちっとも嫌な気持ちにはならず、温かな気持ちに包まれる。
熊吾は伸仁が二十歳になるまで生きなければならないと、自分の生きる意味を考えるが、糖尿病を患ってしまう。
商売も以前のようには上手くいかない。
プロパンガスの代理店を始め、同時に雀荘と中華料理店、きんつば屋も営む。
はたしてこんな小商でじっとしていられるのだろうか。
熊吾もそんな自分に気づきいろいろ考えるが、息子を心配し、自分を頼って暮らしている人達の事もあり、思いきった行動に出られない。
しかし、熊吾に接した人達がこれからどの様に関わってくるのか、何をしでかすのか、次を読むのが楽しみだ。
紙の本
破天荒なのに…
2017/05/31 11:18
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投稿者:笑う門ふう - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんでだろう?破天荒でハラハラもするのに何故か惹きつけられます。
登場人物の個性なのか。
とにかく「あ~小説読んでる!」と実感できる久々の作品なような気がして
楽しく読み進めています。
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流転の海の第3部。順風満帆に見える家族に、少しずつ影が差し始める作品。益々、続きが気になってしまう。
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流転の海の第3部を読み終わりました。第2部では自分の田舎である南宇和に戻った熊吾一家でしたが、第3部でまた大阪に戻ってきました。息子伸仁が面白い子に育っていて、これからも益々楽しみに。熊吾の健康がちょっと心配かな。続きはいつ出るのでしょうか。
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流転の海 第三部
一作目を書き始めてから数えること14年で、第三部を書き終えたとのこと。
こういった作品に出会えたことがうれしい。
宮本輝さんの本を読み出したのは、大学に入った頃なので、17年近くになる。
これからも楽しみ。
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流転の海第3部。昭和二十年代後半、大阪に戻ってきた熊吾たち。小学生になった息子と熊吾との関係が面白い。
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昭和20年代後半になり、一家はまた大阪に戻っての生活が始まる。
相変わらずの経営力で中華料理店や麻雀店、プロパンガス会社とあれこれ手腕を発揮する様は読んでいてもビックリです(笑)
でもそれ以上になかなか面白い子供に?育った伸仁が可愛い(笑)
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6月2日~8日
昭和27年、大阪へ戻った松坂熊吾一家は、雀荘や中華料理店を始めとして、次々と事業を興していく。しかし義母の失踪に妻房江の心労はつのり、洞爺丸台風の一撃で大損害を被った熊吾も糖尿病の宣告を受ける。そしてたくましく育つ無邪気な小学生伸仁にも、時代の荒波は襲いかかるのだった…。復興期の世情に翻弄される人々の涙と歓びがほとばしる、壮大な人間ドラマ第三部。
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読まないまま社会人になってしまった、宮本輝。面白い。熊吾の人間味溢れる魅力にはぐいぐい引き込まれた。書き方が上手いので、買い置きした3部まであっという間に読んでしまった。
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熊吾一家が大阪に戻り、熊吾の事業と小学生になった伸仁が描かれる。
時代も昭和30年代になった。
相変わらず熊吾は豪放磊落。
伸仁も何か将来の大物の片鱗を見せる。
昭和の時代の大阪に住む市井の人々。
今ではみられない船で生活する人々。
そのような人々も丁寧に描く。
今後の飛躍の前のタメのような巻。
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勢いづいて第3作目に突入。
やはり、田舎でくすぶっているわけにはいかなかったみたい。
まぁ、これほど勢いのある人ならムズムズしちゃうだろうね。
大阪でいろいろな事業に身を乗り出すが、そこそこうまくやってしまうのだよ。凄い。目の付けどころがいいのか、商才があるのか?
伸仁も少しは元気になったようで、ご近所での独特の存在感が父親譲りなのか不思議な魅力をもつ子供に成長している。
怖いもの知らずなのかね?
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連作第三巻目。大阪に戻った主人公のドタバタ生活。いろんな事件があるからどんどん読めてしまう。主人公の病気も発覚し、おとなしくしてて欲しいとドキドキしながら読んでます。続きも楽しみ!
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人間の心の機微をここまで表現できる作家さんて他にいないのではないでしょうか。男として、父として、息子として、夫として、そして人として、あらゆる立場のあらゆる視線や心情をこれほど濃やかに描いた作品を読んだのは多分初めてです。
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流転の海第三部。松坂親子の物語の折り返し地点にあたる本作では、両親の愛情を一身に受けながら健やかに成長し、自由闊達で多彩な側面を見せ始めている息子・伸仁の姿が印象的です。豪胆で情に厚い父親のもとで心の贅沢を思う存分味わってきた作者ならではの豊かな感性が第三部の壮大な人間ドラマの中にも息づいています。