紙の本
だから平蔵は火盗改方をやめられない
2005/04/16 14:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
『鬼平』第6巻に収録されている話はどれも、これまでとやや趣を異にして、やや内輪話めいたものばかりであった。それは冒頭の「礼金二百両」にも表れている。話の始め辺りで平蔵が自らの仕事について、過去の仕事と比べて話をするところがある。そこで平蔵は言う。
「それにくらべると、いまおれがしていることは、日に日に新しい。いろいろな人間たちの、いろいろな心とふれあい、憎みながらあわれみ、あわれみつつ闘わねばならぬ。四十をこえて長谷川平蔵、人の世がまことにおもしろくなってきて、な・・・・・・」
好きとか嫌いとかでなく、火付盗賊改方という仕事にどっぷりとはまりこんでしまった、しかしなお人の世がおもしろくなってきた、ということを妻に吐露しているのだ。『鬼平』のおもしろさは、いくつも数えあがることができるのだろうけれども、何よりも鬼平がこのように感じながら活躍しているところが、一番趣きつけられるところなのではないだろうか。
先にも述べたように、この第6巻は内輪話というか、馴染みの登場人物たちの隠れた話が多く出てくる1冊である。その中でもとりわけ、「狐火」は読み応えある話であった。
実は、どれも捨てがたい話ばかりなのだけれども。
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「狐火」と「礼金ニ百両」とかが好き。たまに「費用が足らなくて困る」とこぼしたり、今の会社員にもつながる処がある。
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初見:中学2年生
きっかけはテレビで中村吉衛門バージョンの鬼平をみてから。
律儀に1巻から読んだが、友達には1を読んだらすぐ6を読むように薦めている。
何故って?それは読んだら解ると思う。
ちなみにテレビ版のエンディングの曲「インスピレイション」は、とても芋洗坂係長の歌う「ボラレ」と同じグループが作ったとは思えないくらい秀逸な曲。泣きそうになる。
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鬼平犯科帳も6冊目。鬼平ワールド全快。
所々に解説が入りながら話が進んでいくけれども、やはり1巻から順番に読んだ方が面白いだろうと改めて思う。
でも他の人のレビューで「いきなり1から6巻を勧める」とあった。
そんなこと考えても見なかった。大丈夫なんだねきっと。
ドラマと展開が少し違う「大川の隠居」や「盗賊人相書」。おまさの恋愛「狐火」伊三次「猫じゃらしの女」など。
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言わずと知れた池波正太郎の代表作のひとつである。
今回6巻を取り上げているのは、表紙が気に入っているから。
内容については全体で。
さて、私には目標がある。
ひとつはフィリップ・マーロウのようになること。
もうひとつは長谷川平蔵のような上司になること。
厳しく暖かい理想の上司像であり、男として憧れのハードボイルドでタフな上司。
そう、鬼平犯科帳は日本のハードボイルドの真骨頂といえるだろう。
余談ではあるが、出てくる食べ物が文字だけですべておいしそうに感じるのはなぜだろう。
茨城にあるという「五鉄」に行きたいのは私だけではあるまい。
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礼金二百両
猫じゃらしの女
剣客
狐火
大川の隠居 ★
盗賊人相書
のっそり医者
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この巻は本当に充実の一冊。様々な魅力の話が詰まっている。地味なのも派手なのもどれも良い。
鬼平はいつも通り格好良い。おまさメインの《狐火》が緊張感あって切なくて好き。
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火盗改メの組織としての核が平蔵と部下たちの全幅の信頼関係にあり、平蔵は「いろいろな人間たちの、いろいろな心にふれあい、憎みながらあわれみ、あわれみながら闘わなければならない」この仕事がやめられないと言っている。
そんな新年の私邸で、久栄に語りかける平蔵の姿が描かれている「礼金二百両」が最も印象深い。
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スガイへボウリング大会に出かけたときに,フロアの本棚に鬼平犯科帳のマンガが何冊か並べられていた。いったい誰がよむのだろうか。それと,札幌に行ったときに,池波正太郎風にそば屋でそばとお酒をいっしょにいただいた。粋な文士になった気がした。
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鬼平も人の子なんだなぁーって思える「大川の隠居」はつい、くすっと笑っちゃうそんなお話で好きだ。
登録してないけど、1巻以降順番に消化中。一応都内在住のため江戸の地理(ってほど立派じゃないけど)が頭にあるからそこも楽しめる。
そして無駄に「天下繚乱」のルルブが欲しくなる罠。
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今回収録されている話は、
「礼金二百両」、「猫じゃらしの女」、「剣客」、「狐火」、
「大川の隠居」、「盗賊人相書」、「のっそり医者」の七篇。
「礼金二百両」は、話の冒頭で火盗改メの運営資金捻出について触れられている。仕事内容に反比例するような予算額のため、長官に就任した者の私財を売らないと十全な捜査ができないというのは、誠に大変な話。「寛政の改革」の時期にあたり、倹約が尊ばれたのだから、さらに困難といえる。
「剣客」は同心沢田の剣の強さを実感できる話。お気に入りのキャラになった。酒井祐助もいいけど、沢田小平次の出番もこれからさらに増えるといいなぁ。
「のっそり医者」は敵討ちに関係する話だが、1巻の「暗剣白梅香」と同様、仇を探す方が徐々に暗黒面に落ちていく。一人で仇を探すのって、この時代では絶望的ともいえよう。
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この巻も良かったです。どの話も平蔵らしいおさめ方で、安心して読めました。特に『大川の隠居』等で、平蔵のお茶目な面も見られて楽しかったです。
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今回も面白くスイスイ読めましたぁー。
最初の章『礼金二百両』って章から、もう平蔵様にメロメロです。
礼金を子分たちのために全部差し出すなんて、私にはできない。しかも、平蔵さまの言った言葉が
「おぬしが、おれの苦労を察してくれれば、それでいいということさ。だれにも、言うなよ」
ひゃーーー! もう、鼻血出しそうになったぁ。
さすが、平蔵様だなー。
そして、もう一つ好きな章は『大川の隠居』
これは、ちょっとした心理ゲームのような駆け引き合戦で面白かった。
さすが、平蔵様は頭もよく上手なのだなー。と感心してしまった。最後のシーンは、思わず吹き出して読んでしまった。
やたらと成敗するのではなく、ちょっとした遊び心で相手を負かす。なんて粋なんだろうか。
今回は大掛かりな事件はなかったけど、それでも面白かったです。
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若い血気にまかせて人を殺めた男はそのただ一度の過ちを悔いて後、医術をもって人々を助ける仁の人となり、父親を殺された若者は仇討の旅に出て数え切れぬ殺人を犯す悪党となった――。絡み合い、表裏を成すふたりの男の30年の因果応報を描く『のっそり医者』
年老い、足を洗った盗人が腕だめしに平蔵の役宅へと忍び込み、亡父の煙管を盗んでいく。煙管を取り戻すために一芝居打つ平蔵の密偵・小房の粂八。はたして首尾は……。終幕の平蔵と老人のやり取りに哀愁を感じる『大川の隠居』など、7篇を収録。
6巻はとくにおまさやおよしなど、女性陣のいじらしさが随所に描かれていた。彼女たちの、再登場しての活躍を期待したくなる。
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やっぱり安定の鬼平。面白い。
今回も色々な話を通して、人情に触れる話がたくさん。剣客と大川の隠居が個人的に好き。