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伊坂幸太郎氏の上下巻に渡る長編で読みごたえはあった。
ただ、作品のマンネリ化を防ぐためか、「井坂好太郎」が作中に
登場したり、気分が悪くなるような拷問シーンが出てきたり
細部に若干不満が残る。
作者のあとがきにもあるように「井坂好太郎」という名前は、
作家の名前を考えるのが億劫だったとのことである。
手を抜いたことは、作品にも響いており、遠慮なく「嫌なヤツ」に描写されている。
また、その名前から物語に必要以上の伏線を期待してしまった。
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伊坂幸太郎作品の中では社会性の強い作品で、『ゴールデンスランバー』や『魔王』と共通する部分が多い。『魔王』の50年後の世界として描かれ、その続編とも呼べるだろう。
「世界はそういうことになっている」と言った描写が何度か出てくる。
世界は設計者・管理者のいないシステムで動いており、一般市民はそれを受けいるしかない。あるいはそのことにすら気づいていない。主人公たちはその「システム」に対して対抗しようと立ち上がる。
言いようのないもどかしさも時には感じながら、ある意味では仕方のないことなのかなとも思う。それでもそれに立ち向かい続けることが出来たとき、その時世界は変わるだろうか。
世界がシステムでひとくくりにされるのは気に入らない。でも、それでも「世界はそういうことになっている」のだ。
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「ゴールデンスランバー」のように、巨大な陰謀の中で展開していくこの小説。
「魔王」の続編ということになっているけれど、登場人物や設定に関連があるくらいでシリーズ物って感じでもなかった。
個人的には期待通りの小説で面白かったし満足してる。
結末については、自分はハッピーエンド好きだけれどこういう終り方もいいと思う。
ただ読み終わったときの爽快感はそう得られるものではないけれど。
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下巻は若干説明的。
ただ、やっぱり、テーマが伊坂幸太郎らしい。と、感じる下巻。
やっぱりこの考え方!うちの高校らしい!(伊坂幸太郎と同じ高校出身)とか勝手に思う。
あとがきで、この作品がゴールデンスランバーと同時期だとしる。
それを聞く前から、何となく同じ匂いを感じていた。
そして、堺雅人、主人公で行ける、とか思ってた。
伊坂幸太郎の小説の登場人物は、皆割と達観している。どこかで。だから、カッコいい。
あー怖かった。
この小説の中では、井坂好太郎が一番好き。
バカそうで、自分が人生の主人公で、軽薄そうで、深遠そうで。
あぁ、そして、なによりやっぱり、主人公29歳て。。。
んー。。。
年上な気がするのに、設定29歳かー。
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佳代子さんの頼りがいの大きさよな。
単行本と比べて、真相がガラリと変わっています。播磨崎で何があったかを詳しく知りたければ単行本のほうを。
個人的な問題だが、伊坂幸太郎氏を『一番好きな作家』として挙げるのはなんとなーく抵抗がある。だが、作品を読めばその面白さに引き込まれ、あっという間に読み終わってしまう。退屈にならない。
単行本読んでいるのにやはり面白い。
彼の作品が読める幸福を改めて思う。
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正体のわからない相手に追い詰められていく恐怖。
その中でも、会話に軽妙さが溢れていて面白い。
主人公たちが恐怖を感じながらも立ち向かっていくのは良いね。
なぜか、主人公を堺雅人が演じているイメージが終始抜けなかった。
伊坂作品と合っているのかも。
これ読む前に、『魔王』は読んでおいたほうが良いかな。
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終盤、佳代子が肩に手を置くことで「あたたかさ」を感じた主人公の心境は「奇妙なことに」。その後ゴッシュから逃げる際手を握られ同じように「あたたかさ」を感じた時は「不思議なことに」。そしてその手を握り返した後の「愛してる」。
社会・政治・隠蔽・拷問・不倫などお堅い言葉で作りあげられた重く冷たいストーリーの中での「あたたかさ」。敢えてのひらがな表記により一層暖かみが感じられ、これまでの現実と非現実・真実と虚偽・有形と無形のなかで混乱する主人公と読者に愛を”揺るぎない事実”として確信させる完璧な流れで鳥肌が立った。
ゴールデンスランバーの『逃避』とモダンタイムスの『対決』。真逆の行動にもかかわらず結果が似ているだけに、結果に辿りつくまでの考えや行動、そして責任が大切なのではと思った。
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2011.10.17読了。
今回のも手が混んでたなー。
そして先が気になり一気に読み切れた。
一番心に響いたのは、探検家シャクルトンの「楽観とは、真の精神的勇気だ」という言葉。
今の私に一番必要な言葉すぎてビックリ!
そして私は佳代子がすっごいお気に入り(笑)彼女は何者なんだろう。
可愛いのに、やたら強くて、
怪しいつながりも持ってて、やたら嫉妬深い。不思議な人(笑)
伊坂好太郎も好きー。
あの胡散臭さ(笑)
怖いお兄さんも好きー。
なぜか渡辺と仲良しになってるし(笑)
絶妙な笑いを盛り込んでくるあたりがやっぱり好き。
だって恐ろしい場面なのに軽く読めちゃうし。
今回の話は目に見えない、誰が悪者とも言えない大きな力についてのお話。
難しかったから人には説明できないけど理解はした。
なので感想をうまく書けないんだけど、とりあえず、
「そういうことになっている」
って言葉って怖いなーと。
すっきり!って終わり方じゃなかったし、謎も残るけど、面白かったー♡
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なんやかんやで、最後は自分個人の幸せを選ぶ。こうゆう終わり方の物語があってもいいんじゃないかな。というか誰しも我が身に降りかかったらこうなるだろうな。ストーリーは転がって転がってよくわからない。ゴールデンスランバーと並行して書いたそうだからだからかなーとも思える。
佳代子さんが凄いよね。
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良く考えさせられる一冊でした。
監視されている、というのは確かに可能な世界で、大なり小なり今日の続きにある事だと思うと、恐ろしい。私は、自分のできる範囲で、身近なところだけでも草をむしっていこうと思いました。
人は真相を知りたいのではなく満足を得たいとは、まさにその通りだなぁ。何が真実か、っていうのも、思い込みに依存するよな。
伊坂氏の小説は、謎を謎なまま残す場合が多いが、今回はむしろ頑張って謎ときがされていた方だろう。「魔王」そして「上巻」とで巻き散らかした伏線を回収しつつ、謎を解いていく過程は気持ちが良かった。
拷問のシーンだけはちょっと勘弁して欲しかったけど。
佳代子さんはかなり好きになったし、岡本が生きていてよかった。
ただ、システムとしての国家が相手の話であり、相当非道な事が行われてきたにもかかわらず、結末はあっさりとしていて、ちょっと肩すかしだった。
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「魔王」の続編にあたる、国家的なシステムに翻弄される人々を描いた作品。
エンターテイメントとしては相変わらず良くできていると思うけれど、結末については不満が残る。「魔王」の方がよっぽどかっこよかった。
不条理とシステムを描くことに関しては、カフカや村上春樹の方がよっぽど誠実であると感じる。少なくとも希望を与えるかとは無い。ついでに云うと勇気も与えられない。
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魔王の続編。好きだわ。二回も読んだ。
相変わらず登場人物が個性的で魅かれる。胡散臭い作家の井坂好太郎にしても暴力的で嫉妬深くて、けどどこか飄々としている佳代子にしても。猛々しいけど、機械的にも感じる岡本猛も。
そういうことになっている。
ゴールデンスランバーもそうだけど、社会の仕組みというか納得できないけど、その大きな力について伊坂幸太郎なりに彼のユーモアを交えながら描いた作品。論説とかならともかく小説でこういうテーマで書いた作品でないんじゃないかな。普通の話としても面白いし、しかしそこに込められたテーマって重い。
見て見ぬふりも勇気だ。全部は変えられないってわかっていても小さな抵抗するのもまた勇気。どっちが正しいとかじゃないんだよね。
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人はわからないものに出会ったとき検索するんだ。
この言葉にはハッとした。
たぶん今検索しない日は無い。
単行本を以前読んでいたが細部は記憶があやふや。
改訂部はこんなんやったかな?と思う程度で違和感はない。
伊坂さん本人も言うように、それによって結末が変わるわけではない。
作中に何気なく使われている台詞を大事かところで再度持ってくるセンスには毎度にやけてしまう。
国家自体の目的、アリのコロニーとの違い、そういうことになっている。考えさせられるところも多い。
ここ数年の作品は評価がわかれているが、根底にあるものは変わらないように思う。
桜井ゆかりだけが気になる!
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真相なんて分からないですね…と思うオチ。
しかし改めて読むやっぱこの話は面白いなぁ。奥さん強すぎ。
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「ゴールデンスランバー」「魔王」と関わる作品と聞いて、読まないわけにはいかないと思っていた一方、重たい単行本だとどうも気後れしていて、ようやく発売された文庫版には無条件にとびついた。もちろん、両作品を知らないと理解できない、というものでもなく、単体でも充分読み込めた。
拷問で描かれる"痛み"が伝わってきつい。万が一実体験しているからといって、ここまで痛々しくは表現できないよなと思う。言葉だけだからこそ、想像をかきたてるのかもしれない。あとは、一番身近にいるはずの奥さんが信用できない、という不安も、緊張感を与えてくれる。
下巻のページ数が多いけれど、間違いなくそれだけではない大作で、娯楽作品を通しながら、この人が世に問いたい(とおそらく思っているだろう)ことがほとんどすべてちりばめられている(ように思えるくらいだった。)互いに関係のない3本の映画のタイトルが出てきて、それぞれの細かい内容描写が始まると「さあどうやって結びつけてくれるんだろう」と先へ先へと読み進めてしまう。いろんな伏線を過不足なくまとめてくれるランディングの仕方は、この人ならでは。
あらゆるWeb検索が監視されていて、特定のキーワードの"組み合わせ"で危機が訪れる、という仕組みはおもしろかった。たとえば「図書館」で検索する人は相当多いが、「図書館 バラ」はそれより少なく、「図書館 バラ 村山」で検索する人はもっと少ない。‥というフィルタリングの結果、アクセス履歴から事件の真相を知る者が特定される、というプロットだ。しかしこれは、日常でも検索を活用している身からすると、ひやっとするところもあった。ちょっともう気をつけようがないほど使ってしまっているけれど。