紙の本
テーマは非常に興味深いんだけどねえ…
2004/06/08 03:12
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルテミス - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品のテーマはタイトルそのもの、「プライド」である。
プライドが高くて不器用にしか生きられない史緒と、プライドを「そんな役に立たないもの捨てました」と言い切り、人を平然と陥れる萌。
私の性格はどちらかと言えば史緒に近く(と言ってもお嬢様育ちではまるでナイ)萌の性格にはおぞましささえ感じる。
しかし、おぞましく思う一方で、あのたくましさに羨望をも禁じえない。
史緒が、単なる気位の高いお嬢様から脱皮して真正のプライドを構築しうるのか、それとも萌の図太さの前に敗れ去るのか、先が非常に興味深い。
ただし。
読み続けるに当たって、その興味を殺いでしまうことがある。
執筆を開始するに当たって、著者はオペラについて勉強したのだろうか、と疑わざるを得ない所が頻繁に出てくるのだ。
アリアの名前を間違えているぐらいなら、まあいいかと許せないでもなかった。
が、メゾソプラノの史緒に『ノルマ』の「カスタ・ディーバ」(作中では間違えて「コスタ・ディーバ」になっている)は無理である。一流のソプラノ歌手でさえキーを下げて歌う例が珍しくないという、非常な高音を要する曲なのだ。
『トラヴィアータ』のヴィオレッタもまたしかり。オペラを多少なりと聞いている人なら、メゾのヴィオレッタなどごめんこうむるだろう。
仮に、今後のストーリーで史緒がソプラノに転向する、という展開を予定しての伏線であったとしても、だ。
プラシド・ドミンゴ(3大テノールの一人。若い頃に、バリトンからテノールへ転向した)の歌う『連隊の娘』や『清教徒』なんて、聞きたくないからねえ。
私はオペラが好きだが、きわめてミーハーに聴いているだけで、専門知識などまるでない。
しかし、その私にして「おいおい、そりゃないだろう」と言いたくなる箇所が多すぎる。
いかに主題が「プライド」であって「主人公達のオペラ修行」ではないといっても、もう少し何とかして欲しいものだ。
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資産も才能も美貌も兼ね備えたいわゆる“お嬢様”が
父親の会社倒産によりそれまで当たり前だった生活が一変する。
残ったのは令嬢としてのプライド。その彼女が今後どう成長するのか、が楽しみな作品。
「プライド、そんな役に立たないもの、捨てた」という対照的なキャラ「萌」。
夢のためなら何でもする彼女とのバトルも見もの。 こういう愛憎劇かなり好き(笑)
さすが一条マンガ、1巻から引き込ませてくれます。
この人の作品はなんでこんなにも人を惹きつけるんだろう。今後の展開に期待。
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志緒をついつい応援したくなりますね。萌のほうもかわいそうだと思うんだけれども、ああいう子はあんまり好きではないな。
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志緒が銀座の店で歌うことになった。
そして萌も同じ店に…
志緒は蘭丸を…萌は神野を意識始める。
そんな中、蘭丸の追い求めていた歌姫が…。
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資産も才能も美貌も兼ね備えたいわゆる“お嬢様”が 父親の会社倒産によりそれまで当たり前だった生活が一変する。 残ったのは令嬢としてのプライド。その彼女が今後どう成長するのか、が楽しみな作品。 「プライド、そんな役に立たないもの、捨てた」という対照的なキャラ「萌」。 夢のためなら何でもする彼女とのバトルも見もの。 こういう愛憎劇かなり好き(笑) さすが一条マンガ、1巻から引き込ませてくれます。 この人の作品はなんでこんなにも人を惹きつけるんだろう。今後の展開に期待。
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続いて2巻目。
このまま銀座のクラブが舞台になっていく話なのかと思うほど銀座がリアル・・・。スタート地点から史緒も萌も1歩踏み出したってことろでしょうか。元々いた環境と違うところに身を置いて、己を知ってもがき始めている過程が描かれてるカンジ。
個人的には史緒のほうを応援してしまいます。やっぱり人を蹴落とす人は嫌なのです。
この巻で一番好きなのはプリマドンナで萌の歌を聴いた史緒が泣きながら「私”プリマドンナ”の歌手です」というところ。
まさに「プライド」。ダメなときでもイチバン大事なところをとらえて、仕事をやりきるのがステキでした。私もこうありたい。
それにしても浮き沈みの激しい巻です・・・ちっとも落ち着かずドロドロしていく!楽しみ!
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今まで苦労ばかりしてきた女と今まで愛情たっぷりと大切に育てられた女。二人が同じ土俵に上がるその時の嫉妬。対象的だけど、どちらにも共感できる。
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史緒が蘭丸を好きになるのと、3人でSRSを組むまで。アシ絵の出番が増えた・・・このアシスタントの絵、くどすぎて胸焼けしそうになるんだけど。一条ゆかりも、目が大きくて睫毛バサバサでちょっとバランス悪いと思う。有閑倶楽部最盛期は特に気にならなかったけど、大ゴマが多いせいか気になる。
オペラから始まって、銀座→芸能界とどんどん一条ゆかりに甘い環境設定になるのが気になる。自分の一番得意なものからしか描かなかったらそのうちネタが尽きるのでは。
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蘭ちゃんのピアノに神野さんからの花束と拍手・・
いつもそうだ。あの女が私をみじめにさせる。
私が欲しくてたまらないものを、あの女は易々と手に入れるのよ!(p.34)
聞く人の胸にまで届かない。一番大切な感動が無いんです。(p.120)