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文庫落ちしていたので図書館で借りて再読。電車内の暇つぶしには絶好。著者が攻撃する通説って、何十年前の通説よ⁉という突っ込みはさておき、独断と偏見に満ちた方が本としては面白いですよね。
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第1章 徳川幕閣の展開と改革1
第2章 徳川幕閣の展開と改革2
第3章 徳川幕閣の展開と改革3
第4章 徳川幕閣の展開と改革4
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八代将軍吉宗の政策と実情を解説。ジリ貧になること間違いない徳川幕府の方針とその原因をリアルに説明。吉宗がドラマや小説で扱われるような名君ではないことを検証している。
単なる暗記科目でしか捉えない日本史が面白いものであることを証明する評論。
みなもと太郎の漫画「風雲児たち」とセットで日本の学生に読ませたい必読書ですね。
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吉宗vs尾張宗春、田沼意次vs松平定信あたりのお話。しかし、宗春や意次の再評価はまあ聞いた事ある話だが、一橋治済の野望と光格天皇の功績は知らなかった。そして、一橋慶喜って、水戸家からの養子だったのか!(無知)ようやく慶喜が朝廷(官軍)に弓を引けなかったのが理解できた(今更
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教科書では名君、名相扱いされている徳川吉宗や松平定信が、幕府側からはそう見えるけれど、庶民からすればその評価が正反対になっていたのを知る。表面的に評価されている人々は儒教、それも朱子学を学んだ人ばかりだった。そういった人々は貴穀賤金という経済思想に取りつかれており、お金よりも米穀重視の政策を取る。
いや、むしろお金をケガレだとして、商業を見下していた。そのために経済政策が下手で、幕府の経済だけを良くしようと農民から米を搾れるだけ搾り取った。
それが正しい政策だと狂信的に信じていた松平定信たちは、重商主義を掲げた田沼意次が出現した時に、その息子田沼意知を暗殺してでも止めにかかった。田沼意次が不運だったのは、彼が政務を取り仕切っている時に飢饉が起きてしまったこと。それさえなければ、彼への評価もあるいは変わっていたかもしれない。
ただ、教科書にもある通り、賄賂はやはり沢山受け取っていたよう。中でも京人形一体という大きな箱に、本物の舞妓さんを入れて送った人がいるというエピソードに驚き。
吉宗は目安箱を設置して庶民の意見を聞いたり、町火消しの制度を設けたり、小石川養生所を整備したりといいこともしている。
松平定信も、人足寄場という無宿者や軽犯罪者に職業訓練を施す施設を設置している。でも、経済が上手く回っていれば、農村から都市に出て無宿者になることもないのを考えれば、マッチポンプという気もする。
二人に共通するのはやはり経済音痴だったということ。
また、平安中期から光格天皇が登場するまで、「天皇」という称号が使われていなかったという。冷泉院など「院」と呼ばれていても、天皇という称号は使用停止になっていたそう。日本最高の権威であるのに、事実上は武家政権が続いたためかとの仮説。それを復活させた光格天皇の時代からにわかに朝廷の権威が高まり始める。
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6代家宣、8代吉宗、吉宗と尾張宗春、田沼意次と松平定信。
平成の経済知識からみるそれぞれの将軍と側用人の施策のうまさとまずさが、とてもわかりやすく書かれている。
古きを敬うという儒教がいかに何度も何度も革新的経済政策を元に戻したか。
江戸時代の儒教呪縛のように、今の世の資本主義にもきっと呪縛があるのだろう。
未来からみたら笑ってしまうような、でもさなかにいると気づきにくい呪縛が…。
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この巻では、新井白石の正徳の治から、吉宗の享保の改革、田沼意次時代を経て、松平定信の寛政の改革までがあつかわれています。
田沼意次にかんしては、大石慎三郎が名誉回復を図ったことが知られていますが、著者もその立場を引き継いでいるようです。とくに辻善之助の『田沼時代』(岩波文庫)については、田沼の業績を正当に評価していないとして、厳しく批判されています。そのうえで、儒教思想の商業蔑視の考えが江戸時代の経済政策を大きくゆがめていたとして、吉宗や松平定信に対しては辛い評価をくだしています。
江戸幕府の経済政策の問題点を指摘する著者の議論は、おもしろく読みました。その一方で、国際的な環境の変動も視野に入れた、経済史的な観点に立った議論が欠けており、もっぱら貨幣政策によって日本の経済のありようが決定づけられていたかのような印象をあたえる記述になっている点が、多少引っかかるような気分にさせられます。
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教科書では良いとされてきた改革の全てを逆説的に解説。悪人とされてきた人も実は経済的感覚を持った人ということで逆説的に解説。
やはりこの時代はなかなか難しくて何度も寝てしまいました。
タイトルの通りの内容だったと思います。