アンドロイドは電気羊の夢を見るか? みんなのレビュー
- フィリップ・K・ディック (著), 浅倉久志 (訳)
- 税込価格:990円(9pt)
- 出版社:早川書房
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紙の本
現代の抱える病への先見性が光る
2023/10/11 11:01
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投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
不朽の名作に名を連ねる一冊は読まねばと思い、思い出したら手に取るようにしている。
正直、終始のシーンがどう繋がっているのかわっかんねえなあ、と思いながら読み終えたが、作中に散りばめられた要素は光るものを感じた。心理状態を調節するマシン、他者との共感性に浸れるマシン、荒廃した地上では動物が激減していて人間性を維持するために動物を飼うのがステータスになっている社会。放射能汚染による後天的な障碍者たち。パッと思いつくだけで、現代の病巣が満載だ。
火星から脱走したアンドロイドたちは、共感性に乏しいとされる。身体構造的にも明確な違いがあるとされるが、それもいずれ克服されると作中で示唆された。そのとき、生命と機械の境界は一体どうなるのだろう。両者の見分けがつかなくなったとき、人は安らげる時代に至れるのだろうか。
紙の本
映画とはかなり異なる
2020/06/20 23:11
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投稿者:のび太君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画とはかなり異なる。私は映画版の方が好きだった。技術がどうなっているかと言うことよりも精神的な方をかなり重要視していると思った。
紙の本
生命は尊い
2013/08/16 23:20
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投稿者:まゆげ - この投稿者のレビュー一覧を見る
言わずと知れた1982年のSF映画「ブレードランナー」の原作。
太陽系からはるかに離れた異星系空間で過酷な労働に従事していたレプリカント(人間より優れた肉体を持つアンドロイド)は、その限られた寿命(4年?)を延ばしたく彼らを製造した地球にやってくる。
違法に地球に戻ったレプリカント達は、人間と全く見分けのつかない姿をしているため地球に来た目的を果たすために社会に潜り込む。
彼らを捕獲又は抹殺するために警察機構が雇ったハンター(賞金稼ぎ デッカードら)は、人間とレプリカントを区別するテスト(フォークト・ガンプフ法)を怪しい人物に行い、レプリカントを探し出し、追い詰めていく。
侵入レプリカントの首領は、厳しいセキュリティを乗り越えて、彼らの創造主(タイレル社の社長)に寿命の延長を依頼するが、遺伝子工学上の問題で願いが叶わないことを知る。
生き延びようとするレプリカントとその抹殺を使命とする闘いは熾烈だがその闘いの姿を見ていると、レプリカントの方が、より人間らしい生きざま・感情(生への欲求、同胞愛、死の苦しみ)を見せる。
人間もレプリカントも同じ生命を与えられた存在であり、生きることは何か・生命とは何かを考えてしまう。
紙の本
何よりタイトルが傑作
2003/10/27 19:03
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投稿者:紅豆 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とっても「映画的」な作品です(それもアメリカ映画ね)。
ぱきっとした起承転結とか確立された世界観が、映像化されたら映えるんだろうなあ・と思ってたら既に映画化されていたのね。失礼しました。
機械の心とか命とか、今では映画でも小説や漫画でも珍しくもなんともないテーマですが、この作品はとにかく世界観が秀逸なのです。
冒頭に登場する「感情をコントロールする機械」など、生々しい設定が素敵。
私の頭の中では、竹宮恵子の「地球(テラ)へ」とリンクしました(笑)
紙の本
SFの代名詞
2003/07/29 12:28
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投稿者:すの - この投稿者のレビュー一覧を見る
「○○は××の夢を見るか?」なんて、いろいろな場所でパロディにされている名作といえる。
外国語で書かれた作品は苦手だ。言葉も文化も違うのに、日本語で表現するからどうしても不自然なのである。そういう意味で、日本の作家さんの方が読んでいて楽しいのだが、これはやはり名作。
ストーリーは有名だと思うのでここでは特に紹介しないで、最近この作品で思い出したことを書かせていただこうかと思う。
現在の科学&医学は鬱だとか引きこもるとか性格の延長線を、脳の情報伝達物質が足りないとか多いとかで一生懸命説明するわけで、抗鬱剤なんて薬もある。遺伝子的に、なんて話になったら鬱を治すウィルスなんてのも出てくるかもしれない。
そしてこの小説の最初では、感情をコントロールする情調オルガンという機械がでてくる。そして、主人公の妻は、自ら自虐的抑鬱をセットする。絶望しないことが不自然だからといって彼女はわざわざそのチャンネルを探し当てたのだ。
なんだか、近いうちに似たようなことをしそうだと不安になることがある。
個性と病気の境界線、生命と非生命の境界線、有りとあらゆる境界がどんどん曖昧になって、人は不安になるのかもしれない
そういった要素をすべて含んだ作品である。