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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
サドの禁断の世界観に迷い込んでいくかのようです。社会的には抑圧されながらも、本能的には男たちを支配する女性の貪欲さに圧倒されました。
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マルキ・ド・サドの長編は、現代の感覚から言うときちんとした小説じゃないよな、とか思ってしまうのですが、短編作品はすごく好きです。「恋の罪」所収の「エミリー・ド・トゥールヴィル あるいは兄の残酷」は中でも一番で、エロスと残酷さがあいまってたまらない。
恋人との逢瀬を重ねていた令嬢エミリーは、さる男にはめられてあわや貞操の危機に。そこを救い出したのは彼女の二人の兄なのだけれど、兄たちは彼女を古城に閉じこめて殺そうとする……という話で、最後はハッピーエンドですが、この兄たちが鬼畜でいいんだな。
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予め断ると、変態描写はありません。愛と情欲の書ではありますが。
中世フランスの貴族のやりとりが多いせいか、歯の浮くセリフと浮世離れした表現てんこ盛りで苦笑いしながら読み進めました。
前半は野心、猜疑心、強欲が招く悲劇を、後半は駆け引きや嫉妬心などを時にコミカルに描きます。
全般的にさして心に残る内容ではなかったのですが、最後の短編「末期の対話」を読んで売るのを留めました。
臨終間近の男と司祭が欲を切り口に神の存在について対話する、という内容で興味深く読めました。
この処女作で表された無神論哲学が故の、愛と情欲への偏向なのですね。
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[ 内容 ]
50篇にのぼるサドの中・短篇の中から選び抜かれた12篇―短篇作家としてのサドの魅力をあますところなく伝える『恋の罪』から3篇、そしてフランス風コントの中にもサドならではの道徳観・恋愛観を窺わせる『小咄、昔噺、おどけ話』から9篇を収録。
また最後に収録された「末期の対話」はヴァンセンヌ獄中で書かれた記念すべき処女作であり、「最初の無神論宣言」である。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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ファンタジィにも程がある。
でも面白かったです。
「オペラ座の怪人」の「イル・ムート」みたいであり、しかし最後に信じるものは救われず、悪徳は栄えるっつー感じが短編でも長編でも変わらないのね。
恋の罪、で検索かけたら半分以上べーこんれたすな本がヒットていうのもある種ファンタジィに拍車をかけるね…
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初サド。
あんまり興味がないからよく分からないけど、こういうのを『幻想的』というのかな?
二人の女性を品定めしてるかと思いきや、途中から巨人と戦ったり、妖精や仙女が出てきたり…
でもなんて言うか凄く面白かった『二つの試練』。
どの話もオチがピシッと、あるいはピリッと決まってるのが魅力的。
(あるいは、って言いたい笑)
若干説教くさいトコもあるけど。
これが18~9世紀の作品ってのがまあ驚き。
個人的には『哲学者の先生』とか面白かったなぁ。
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残虐性を文学にまで押し上げたマルキド・サドの短編集。
最初の物語は、人の残虐性が選ばれた者のものではなくて、環境によって容易に形成されることをまざまざと見せつけられる。
そして、最後の物語である末期の対話はサドの理性主義、無神論主義を冷静に見つめることができ、興味深い。
澁澤さんの訳も手伝って、非常に読みやすく先が気になる展開はサドの力を感じさせる。
ただ、話によっては面白みにかける作品もあり、読む場合は興味のあるものだけを読んでも良いかもしれない。