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最初は何となくぼんやりした自分の回顧録から始まって、中盤以降で一番気になっていた授業内容、そして後半はその授業の本当の意味と著者の思いが綴られているのだが、Lady Samuraiの講義内容がどうだという以前に、著者の好奇心の強さと、何事にも臆せずに挑戦する姿勢に圧倒される。
日本史の専門家でもない中で、ハーバード大学で日本史を教えることになったのだが、1年目の最初からそのマインドセットは既にハーバード大学の先生という自分の立場を臆せずに受け入れ、如何にして教えるかという本来目的に純粋に向かっていくその姿勢はすごい。
決して上から目線でもなく、純粋に物事の本質を突き詰められる「求道者」という表現がマッチするように思う。
さらに素晴らしいのは、海外の学生にとって日本史をただ学んで覚えておくことが本来目的ではないと厳しく定義づけした上で、日本史を通じて他の学生との競争意識やグループでのチームプレー、そして歴史を原体験するためのアクティブラーニングを通じて自分のこととして歴史を感じ、自分自身で表現をしていくこと価値があるとし、それを精一杯、普通の人なら思いもつかない方法で進めていくエネルギー。
最後に後半まで読み進んでハッとさせられたのは、そんなアメリカで生活してアメリカで日本史を教える著者が、良い意味での愛国者であると気づいた時。
日本が好きだからこそ、今の内にこもった日本の中で閉鎖的な議論をするのではなく、世界に出て日本史をこれまで誰も経験したことのないインパクトで抗議し続けることで、「日本とは何かという質問に対してしっかりした答えを構築すること」を伝え、自身も追い求め続けていると言うこと。
こんな著者が自分よりも年下の女性だと知って少なからず衝撃を受けました。いや、是非一度お目にかかって話を聞いてみたい。
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著者が人間として素敵な魅力と研究者・教員として素晴らしい
能力を兼ね備えた素晴らしい人物であることが想像できる内容であった。
私の一つ年上にも関わらず、世界最高峰のハーバードで
教鞭をとり尚且つ大人気の講師である著者に深い尊敬を
抱くとともに自分自身にも勇気をもらえたと感じている。
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著者は2009年よりハーバード大学で教鞭をとる福岡出身の女性学者。
ハーバード大学の先生になるまでのプロセスと授業の内容、
またハーバードでの生活が書かれている。
著者の北川さんは1980年福岡県生まれ。
カナダのブリティッシュ・コロンビア大学で数学と生命科学を専攻。
同大学院でアジア研究の修士課程を修了。
プリンストン大学で博士号を取得。
その後ハーバード大学で日本史と数学史を教えている。
彼女が来るまでは、ハーバード大学で日本史を受講する生徒は5,6人が普通だった。
しかし、彼女のクラスは最初16人だった履修者数が、2年目には100人超え、3年目には何と251人に増えたそうだ。
更に大学から「ティーチング・アワード」を受賞、
学生から「思い出に残る教授賞」、「ベスト・ドレッサー賞」を受賞。
2000人以上もいる大学教員の中で、彼女は大変な人気者なのである。
北川さんが、素晴らしく頭が良くて行動力があって努力家で天才であることはもちろんのことだが、
その人柄の良さも人気の秘密なんだということが本から伝わってきた。
本の中でも、普通なら自慢話として伝わってしまうような内容も、嫌味なくさらっと書かれてて、かえって気持ちが良かった。
授業の内容はと言うと、歴史の中の女性に焦点を当てた「Lady Samurai」をテーマにしているという。
講義内容も、ただ話すだけではなくディスカッションや映画製作、グループプレゼンテーションなど、新しい形の授業をしているのが分る。
この本を読んだ人は誰もが北川さんの授業を受けてみたいと思ったに違いない。
この本を読んで何かを考えさせられたというよりは、
年の近い彼女にやる気をもらった気がする。
そんな一冊だった。
教える仕事をしている人には是非読んで欲しい。
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確かに、学ぶことの面白さを刺激してくれそうな授業。
知識を得ることは学ぶことの一部でしかないこと、歴史を学ぶと同時に歴史を通して学ぶことの面白さを学ぶ。Sounds exciting!
大学受験のためにひたすら暗記だけして、受験が終わったらすっかり忘れてしまった高校の歴史をもったいなかったと思う。
本書が描いた世界は面白そうだけど、本書自体はあまり面白くなかったので星三つ。著者には失礼だけど、福岡伸一さんの文章に脳内翻訳してから読んだ。
それにしても、こういうバケモノみたいに優等生な人っているんだなぁ。教育者として、研究者としてだけではなく、毎日ピアノを二時間とか、スケッチブックに素描とか、学生のイベントに引っ張りだことか、「あんたは充実しとるかもしらんが母ちゃんは心配だよ」と思ってしまう。
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元気が出て、また学生になりたくなる本。
エッセイのパートでは、著者のバイタリティーやアイデア、行動力に感動しました
授業の内容も面白そう♪ハーバードというわけにはいきませんが、また学校に行きたくなります
戻りたいのではなく、今の自分で今の時代で。
&
アプローチや手法で学生たちのモチベーションをアップさせているところも参考になりました(^_^)
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ハーバードで日本史を教える著者の振り返りと講義の概論という構成になってる本。
ハーバードで日本史を教える日本人がいるとは思わなかったです。さらにその講義が大人気ということにも驚きでした。そして、著者の行動力と準備力が何よりためになりました。
今後も著者は何かに挑戦していきそうな本の終わりなので、何かのメディアでまたお見かけするかもしれないなあと思いました。
(以上、ブログ全文)
ブログ
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4241106.html
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著者がハーバードの先生になるまでのエピソードもおもしろい。
ただ暗記するだけでない授業内容もすばらしい。
受けて見たい!
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歴史が楽しく、わかりやすく書かれた本かと思ったが違った。どちらかと言うと教育学の本といった感じ。それでも、読みやすく本物のエリートの生活を垣間見たようで面白かった。
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迫力に圧倒されて、一気読みしました。
私とさほど年齢の変わらない女性が、アメリカでこんなにもアクティブに活躍されてるなんて。。。
そして発想がとても斬新で面白い!
日本史、苦手だと思って避けてたけど、今一度、勉強してみたくなりました。
あと、ハーバード大学に淡い憧れを抱きました。
自分、まだまだやなぁ…
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筆者の素晴らしい行動力には脱帽である。見知らぬ土地で逞しく生きている。しかも女性である。
ハーバードの授業自体は少しヤリスギではという面と、恵まれた教育環境に羨ましいなという面がある。
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レビューはブログにて
http://ameblo.jp/w92-3/entry-11303912708.html
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LadySumuraiって概念がよく分からなかったが、違う視点を持って歴史を再構築していく面白さは伝わった
著者の書いた歴史の本を読んでみたい
ただ本が一冊書けるようなテーマをいつくも詰め込んでるので、ひとつひとつのエピソードは読んでいて物足りなかった
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本屋で平積みになっていた話題の本。ハーバードで教鞭を執る北川さんの、そこに至るまでの軌跡が綴られる。
北川さんは「Lady Samurai」という概念で日本の歴史に登場する女性像を塗り替える、ということに挑戦しているらしい。学術的な知見がないので、その内容がそれほど斬新なものなのかがよくわからなかった。全くそこに対する研究がないことはないんでは?(あくまで個人的ないいかげんな感想)とは思ったのだが。
それもこれも北川さんの文章が「どや」感満載なのである。これは推測だけれど、普段から英語で考えていらっしゃるのではないだろうかと思った。だから曖昧な表現がなく、全体がプレゼンみたいになっているのかも、と思った。
学術的な興味というよりは、終始教育とは何だ、という観点で読んだ。内容の是非は判断できなくとも、アメリカの学生に全然日本の歴史に関する知見がない状態を教化する、ということでは、目覚ましい実績を残しておられる、と思った。とにかくパワフルでまぶしい。
北川さんの教え方のところで、特に私の興味を引いたのは、歴史を体感させるというやり方。学生に京都の地図を書かせたりするこの方法はなかなか面白いと思った。最近、内田樹先生の本を読んだときにも思ったが、身体的な実感を伴わない知識、というのはたいしたものではないと思う。
北川さんのチャレンジはまだまだ序章にすぎないのだろう。今後どういうことにあたっていかれるのだろうか。
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ハーバード大学サマースクールでの日本史クラス「ザ・サムライ」受講後に思った素朴な疑問、「なぜ女の人がでてこないのか?」から著者の行動が始まる。
カナダの大学で数学と生命科学(ライフサイエンス)を専攻した著者が、その後ある日本史を専門とする教授のアシスタントをしたことから日本史史料に興味を持ち、大学院で勉強することとなる。
著者は「Lady Samurai」というクラス名でハーバード大学で「カレッジ・フェロー」として教員となる。受講生16人でスタートしたクラスは、2年目、驚異的に100人を超える学生が登録。
著者の語る日本史がひとを強くする理由は力強い。ひとつは、時に隠された意味を見つけること。どんな事でも過去は現在と直接関係をもつようになる。大事なのは時の秘密を探ること。それは人生で役立つスキルになる。もうひとつは、時の重力を感じること。時は1秒1秒同じ重力がかかっている。昨日が今日より駄目な理由はどこにもない。つらい気持ちの日も、幸せいっぱいの日も、将来にとっては同じ重力がある。
本書では戦国時代の女性を取り上げた「Lady Samurai」の講義を聴くことができる。著者のクラスではグループワークが課される。自分だけでなく他人の意見を聞いて力を合わせて考えてみる。それこそが社会では役に立つと。クラスのモットーは個性、感性、オリジナルなアイデア。課題にはクリエイティビティもポイントに。
面白かったのは著者のもうひとつのクラス「KYOTO」。その内容は体験型教授法(アクティブラーニング)を導入したユニークなもの。1700年代の日本全図のレプリカと京都の巨大な(1辺1メートル以上)「洛中洛外図」を見て、さらに現代の京都地図を見ながら、同サイズ大の紙に現代版の「洛中洛外図」を創り出すことが課題。クラスメートと話ながらオリジナルな地図を創り上げていく。またプレゼンではメンバー4人が役割分担をして自由に行う。ドラマ、クイズ番組、パロディー形式を使った実に多彩で面白い発表がなされているらしい。
学生に様々な体験を通して考えさせ、彼らの個性を活かしながら進める日本史へのアプローチには驚かされる。しかも学生のほとんどは日本語を母国語としない者ばかりである。母国である日本での日本史の教え方にも大いに参考になるではと思う。著者による日本での日本史講義が見てみたい。
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■歴史
1.日本史とは、すでに教科書に書かれただけのものを読んで終わりではありません。つくるものです。生き物です。今そこにある、既成の日本史を積極的に考え直す姿勢を持ってみて欲しいのです。
2.研究分野によらず、研究者は「鳥」と「カエル」の2つのタイプにわかれるといわれます。つまり、同じ分野の専門家の中には、鳥のように高い視点から物事を書き出すタイプと、1つの話題を深く掘り下げて新しい発見に辿り着くカエルのタイプがいるのです。
3.アイデンティティーをつくるために、歴史を知ることが重要なのです。
4.コミュニケーション手段の変化に、歴史学もついていけるように進化をとげ、歴史の授業も変わっていかなくてはなりません。