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紙の本
虚無から立ち上がって
2006/03/27 19:40
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は誰しも心が荒れてしまうときがあると思う。筆者の場合は敗戦と病気。それが心までむしばんでしまった。一時は自殺まで考える。しかし、やはり筆者に魅力があったのだろうか、結局は優しい人に救われて、どうにか生き続けるのである。
「真剣に生きようとしない人を見るのは寂しいのです」そういって懸命に筆者を生への道に引き戻そうとする幼なじみを、筆者はいつしか深く愛するようになる。
筆者は人間には二通りあるという。なぜ生きるのかを考えることなく生きていける人間と、生きる意味が得られないと生きられない人間と。もしあなたが多少なりとも後者なら、読む価値のある本だと思う。
誰かが、若い頃に「これは私のために書かれた」と思うような一冊に出会わなかった人間は不幸だ、と言っていたが、私にとってはそのような一冊だった。
紙の本
平凡な毎日に感謝したくなる本
2015/12/29 08:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Nao - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は男性ですが、三浦綾子さんの人間としての素直な心に非常に共感を覚えました。
人間の弱さ、心細さ、強がり、良き人でありたいという願い、すべて本音で語っていらっしゃる。
とても長い間病床に臥していた彼女に不思議なほど多くの男性が魅力を感じるのはそんな素直な生き方になのでしょうか?
そして、そんな彼女を愛する男性たちの心の何と清らかなことか。
不幸にしてこの世では結ばれることのなかった、前川正さんが三浦さんに対して与え続けたその思いを思い浮かべるだけで涙がにじんで来ます。
キリスト教の信者の方々の話がたくさん出てきますが、私のような無宗教のものが読んでも、素直に内容に感動できます。
豊かにはなったものの、何か大事なものが失われている気がする今の日本が置き忘れてきた心を取り戻すことのできる本です。
ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。
紙の本
虚無から立ち上がって
2001/02/01 10:35
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は誰しも心が荒れてしまうときがあると思う。筆者の場合は敗戦と病気。それが心までむしばんでしまった。一時は自殺まで考える。しかし、やはり筆者に魅力があったのだろうか、結局は優しい人に救われて、どうにか生き続けるのである。
「真剣に生きようとしない人を見るのは寂しいのです」そういって懸命に筆者を生への道に引き戻そうとする幼なじみを、筆者はいつしか深く愛するようになる。
筆者は人間には二通りあるという。なぜ生きるのかを考えることなく生きていける人間と、生きる意味が得られないと生きられない人間と。もしあなたが多少なりとも後者なら、読む価値のある本だと思う。
誰かが、若い頃に「これは私のために書かれた」と思うような一冊に出会わなかった人間は不幸だ、と言っていたが、私にとってはそのような一冊だった。
紙の本
三浦綾子さんと高野悦子さん
2012/02/03 17:24
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:レムナント - この投稿者のレビュー一覧を見る
はじめて読んだ時には著者三浦綾子さんのあまりに正直であけすけな告白に不愉快な感じがした。「秘密を持つことを不道徳なこととし、なんでもかんでも包み隠さず話さなきゃならないなんて手術台の上にいるみたいで気味が悪い」、と評論家の草柳大蔵氏がご自身の女性論のなかで書いておられたが然り。三浦綾子さんの自伝小説やエッセイにはその「気味の悪さ」がときどきつきまとっていて辟易させられる。それはまさしく、20歳の若さで鉄道自殺した高野悦子さんの日記を読んだときに覚えるあの感じに似ているのだ。
そういえば彼女の「二十歳の原点」のなかで、失恋の孤独のなか自暴自棄になって書きなぐった文章と、三浦綾子さんがこの作品のなかで、彼女にむかって信仰を説く前川正さんへ最初に書き送る手紙の激しさとは実によく似ている。
しかし片や自身も愛読していた太宰治のように破滅へと突き進み、片やイエスキリストを受け入れ、精神的にも肉体的にも立ち直ってゆくのだ。もし2冊を同時並行に読み進めたら、もっと興味深い対比が見つかるかもしれない。
紙の本
愛と生と死
2015/06/07 08:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MR北海道 - この投稿者のレビュー一覧を見る
愛と生と死。
誰もが1度はなぜ生きるのかを考えるだろう。
そんな時に読みたい1冊。
「青春編」。これが示すのは苦悩の日々を青春に例えているのだと僕は思う。
すべての人に読んで、考えて欲しい。
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