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2008/9
民藝運動の中心である著者が、全国各地に残った、まさに民藝といえるものを紹介している一冊。戦前にかかれたものながら、今でもまだ伝統工芸といきづいているものもあり、これからも残していきたいものも多数紹介されている。デザインなどを志している人には一度読んでおくことを強くおすすめする。
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地方の伝統工芸を覚えることとか、そんなに興味ないし、
図版も、写真ではないので、明確なイメージもしにくい。
けど。。
この文章の中に身を浸らせると、「地方の工芸の正直な美」に包まれているような、
「ほんとうのほんとうに美しいものが好き」という熱くも柔らかな男気のようなものに包まれているような、
そんな感じがして、とっても気持ちがよく、
私にとっては一種のヒーリングです。
読んでいるうちに、自分の五感が豊かに研ぎ澄まされていく感じがします。
そして、「ほんとうに美しいもの」に、見たり触ったりしたいな、って思います。自分の五感が「ほんとうに」満足するように、誠実に丁寧に、工芸や身の回りのものを選んで、贅沢ではない豊かな、美意識を持って、生活を楽しみたいと思ったりします。
ほんとうに良い身の回りのものを選ぶことが、自分を大切にするってことに繋がるような気がする。
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通して読むのもいいのだけど、なんとなく適当にパラパラめくって気になった章を気になったとき読むのも楽しい。
絵を見ているだけでもいいですね。
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解説の言葉に、心が痛みます。
「『手仕事の日本』はまだ手仕事が各地方の生活の中でいきいきと働いていた昭和十年代の姿を、これからの日本を背負って立つ若者たちのために書き残す仕事であった。結果としては、滅びていった手仕事の遺書となってしまった。」
今では見る事が出来ない、すばらしい日本の姿があります。
「良い仕事をする」ではなく「悪い仕事を知らない」と表現する、
この本の日本語も、美しいです。
美しい世界を堪能できるすばらしい本です♪
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柳宗悦による民藝案内書。
手仕事で作られたものは、それが手仕事であるがゆえに美しい。実用のために作られたからこそ、そして使い込まれたからこその美しさは、まさに柳の言う「健康な美しさ」なのだろう。
「品物の良し悪しを定める標準は、それがどれだけ健やかな心と体との持主であるかを見ればよいわけであります。」(pp.263,ll.2-3)
そのような点で、品物も人間も同様だとの観点は、するりと自分の中に入って行った。審美眼なるものを持たない自分にもわかりやすく、まさに案内書。
芹沢銈介の小間絵も楽しい。惜しむらくは、本文に該当するところに絵が入っていないことか。敢えてなのだろうが、読者の視点も忘れない構成にしてほしかった。
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民芸運動の創始者として知られる柳宗悦が、日本全国を歩いて見いだした民芸品を紹介している。
柳の民芸論は、彼の民芸運動と一体のものだった。本書の「解説」でも触れられているが、1940年におこなわれた柳田国男との対談の中で、事実を正確に報告することが民俗学の責務だという柳田の主張に対して、あるべき民芸の姿を積極的に提示し、それを推し進めてゆかなければならないと柳は主張した。こうした彼の姿勢は本書の中でもはっきりと示されている。彼は各地の民芸品が俗に流れてしまったことを嘆くとともに、確かな手仕事だけに現われる「健康の美」を取り戻すべきだという主張をくり返している。
本書の中心は各地の民芸品を紹介した第2章だが、第3章には柳の思想がコンパクトにまとめられており、柳の民芸論へのかっこうの手引きとなっている。職人たちが作った民芸品は、いわゆる「美術作品」とは違い、作者個人の名が記されていない。それらの品物は、作者の名を知らしめるために作られたのではなく、実用を旨として作られたのである。柳の功績は、こうした民芸品がもつ「美」を見いだしたことだと言ってよいだろう。
実用品は美術作品と比べて価値の低いものとみなされがちだ。ところが、それらの品物がもつ健康美が私たちの生活の中から失われてゆくにつれて、私たちの心はしだいにすさみ、日々の生活は潤いのないものに陥ってしまう。柳は、美術作品にそなわっているような「鑑賞」される「美」とは異なる、私たちの日々の暮らしを深いものにする「美」を見いだし、その価値を称揚したのである。
芹沢銈介の手になる挿絵も味わい深い。
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60年も前に書かれた本著は、民芸品・工芸品の挿絵を添えながら、職人さんの功績、実用美、健康美など、日本のモノづくりの良さを現代に伝えてくれます。
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1946年(昭和21年)?
民芸運動の提唱者・柳宗悦による、若年者のための民芸解説書。日本各地の手仕事(染物、陶器、文具、家具、衣服、郷土玩具など民衆の生活に密着したもの)が紹介されている。写真が添えられていないため文章から実物を思い描くのが難しいのが難点だが、芹沢銈介による小間絵がその欠点を補っている。また、柳の持論である「職人の功績」「用の美」「健康の美」等の概念も簡潔に説明されていて興味深い。「モノづくりの国・日本」の原点に回帰させてくれるような書物である。若年者向けということで極めて平易な文章で書かれているので、民芸入門として適していると思われる。
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昭和17年12月~18年1月に書かれた。
柳は手仕事の現状を示し、将来に向かっていかに発展させるか、という課題をもって書いた書物であるにもかかわらず、戦争、戦後の混乱、さらに近年の高度成長に伴う社会の変貌はまた別の意義をこの書物に荷わせた(解説より)。
各県の手仕事が示される。
真っ先に三重県をチェックして、お、四日市!と見てみたら、
「四日市は有名な『万古焼』の土地ですが、この焼物には不幸にも見るべき品がほとんどなくなってしまいましたから、通り過ぎることと致しましょう。今も沢山作りはしますが、いやらしいものが余りにも多いのであります。」
ですと。
いきなりのけぞってしまった。
素晴らしいものは心から賞賛し、良くないものには手厳しい。
それは確かな審美眼ゆえ。
伝統に培われた美しい手仕事が人間にとってどれだけ大事なものであるかを伝える。
「機械は世界のものを共通にしてしまう傾きがあります。それに残念なことに、機械はとかく利得のために用いられるので、出来る品物が粗末になりがちであります。それに人間が機械に使われてしまうためか、働く人からとかく悦びを奪ってしまいます。こういうことが禍いして、機械製品には良いものが少なくなってきました。」
柳さんがiPhoneを見たら何て言うかな。使ってたかな。
まぁiPhoneはモノを生み出す機械ではないからちょっと違うか。
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民藝が失われることはそれを使っていた生活(伝統)と、社会関係、それを生み出し使ってきた美意識、そして風土への感性を失うことだ。僕たちの課題は、民藝を芸術として鑑賞するのではなく、民藝を生み出した生活を学ぶことだ。そして新たな民藝を創り出すことであり、今ある民藝を支えることである。
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民芸運動を提唱した柳宗悦による戦前の日本各地で作られていた工芸や道具などを紹介した文集。民芸運動は日常的な暮らしの中で使われてきた無名の工人による民衆的工芸品の中に,真の美を見出し広く紹介した活動である。皆さんの出身地にはどんな手仕事があるのか,またここ栃木県は民芸運動と深い関わりをもつ益子焼があり,身の回りの手仕事に関心をもつ機会になればと思う。
*推薦者(教教)S.M.
*所蔵情報
http://opac.lib.utsunomiya-u.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB00095350&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB
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今、行きたい場所のベスト3に入っているのが駒場にある日本民藝館。
その初代館長であった柳宗悦さんは、民藝運動の父として知られる方ですが、その柳さんがどんな活動をされていたのか、「民藝」とは何なのかを知りたいと思い、手にしたのがこの本、「手仕事の日本」です。
続きはこちら⇒http://wanowa.jugem.jp/?eid=116#sequel
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芹沢銈介が手がけた小さな絵が魅力的。
→https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12151877178.html
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実用的なものは、なぜ美しいのか。それは、実用的なものは健康的であり、健康的であるということは一番自然で、素直で、正常な状態であり、そのようなものに人は美しさを感じるからである。
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日本の手仕事、民芸の日用品の持つ美を紹介した本。日本中(北海道を除く)の手仕事を20年もかけて実際に観て回り、紹介している。ちょうど「日本民藝館創設80周年記念 民藝の日本 ~柳宗悦と『手仕事の日本」を旅する~」が開催されていたため、本書で紹介されているモノをたくさん実際に見ることが出来た。
挿絵も素晴らしいのだが、それでも紹介されているモノらが多く馴染もないことから、イメージが文章からだけでは理解しにくい点は残念。今回は展示会を観に行けたため実物を見て初めて理解したりもした。逆に元々知っていたものは、とても共感して読めた。自分の想像力不足によるものだが、やはり実際に観られるかどうかの影響は大きいと思う。特に、ダメなもの、ダメになったものが多く挙げられているが、その点が文章からは理解できない。
しかし記録・紹介しておかなければ失われてしまい、伝えることのできなくなるものを記録して残そうとしている点は非常に評価できる。また芸術的でない実用品の美、用の美に気づき紹介している点も素晴らしいと思う。