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吾輩は猫である みんなのレビュー

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みんなのレビュー79件

みんなの評価3.9

評価内訳

75 件中 1 件~ 15 件を表示

我輩は漱石である。

2002/08/25 12:32

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『我輩は猫である』(以下、『猫』と略す)を読めば、作中人物の苦沙弥先生や独仙は、漱石自身がモデルになっているということにすぐに気が付くだろう。彼らは人間社会を風刺する知識人ではあるが、彼らもまた人間社会のしがらみの中で生きざるをえない者たちである。それを猫は風刺する。漱石は名も無い猫の目を通して、自分自身を含む人間たちを笑いものにしているのである。
 だが、それでは猫は完璧な存在かというと、そんなことはない。猫は餅と格闘して「踊りを踊っている」と人間たちに笑われたりもする。猫もまた笑われる存在なのだ。そして猫もまた漱石なのである。
 冒頭の「我輩は猫である」という一文で読者は否応無く猫と同レベルになり、作品内へ引きずり込まれることとなるが、漱石も全く独立した立場で『猫』を書いているわけではない。『猫』の猫の視点は漱石の視点なのである。それは苦沙弥先生や独仙とは違った意味で漱石が作品内へ取り込まれていることを意味する。
 漱石は苦沙弥先生や独仙といった形の自分を笑いものにし、猫の形の自分をも笑いものにしているのだ。あたかも漱石が現実世界の自分を笑いものにしているようで、そこには漱石の屈折した心情も窺われる。『猫』自体、イギリス留学で神経衰弱にかかった漱石の気分転換になるようにと、高浜虚子が執筆を勧めたものだという。
『猫』の中で『猫』を書いているのは苦沙弥先生である。現実世界で『猫』を書いているのは漱石だが、漱石は『猫』における猫である。そこにはさながらループのような関係が生じている。『猫』という作品は作品として独立したものではなく、漱石という作者を抜きにしては考えられない。『猫』の中に漱石があるのではなく、『猫』は漱石の鏡なのである。
 漱石は当初、タイトルを『猫伝』にしようかとも思っていたそうだが、虚子と話し合って『吾輩は猫である』の方を取ったという。タイトルが『猫伝』となってしまえば、作品世界は作品として独立してしまったことだろう。
 猫に名前が無い結果生じた効果も、タイトルの場合と似たように考えることが出来る。猫にたとえば「タマ」という名前がついてしまえば、猫はあくまでもタマとなり、人間の所有物となってしまう。また逆に、漱石から離れてあまりにも独立した存在となりすぎる。
 作品の最後、猫(漱石)は「人間の運命は自殺に帰する」ことを悟るが、この思想は後に『こころ』で結実することとなる。猫は苦沙弥先生の死を予言し、自らも死ぬことによって語り手としての役目を終えた。

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