投稿元:
レビューを見る
母親に薦められて読んだ一冊。
私にはまだ川端康成ははやい。。いつか、そのよさがわかるようになりたい。
投稿元:
レビューを見る
うーんイメージの織り交ぜ方とかさすがにうまいなーと思うんだけど、そんなに好きじゃないかな…男の人が書いた小説だなって思った。美少女に夢見過ぎ。ぶすに冷たい。もっと色んな視点や考え方があった方が…しかしまあいつの世もたいして変わってないじゃんと思いました。
投稿元:
レビューを見る
10/02/08読了 名古屋に向かう新幹線の中で。男ってどうしようもないなって思いながら・・・。でも。
投稿元:
レビューを見る
さる尊敬する人が最も好きな本に挙げていたので、アジア旅行に持っていった本。川端康成を好きになった本。
初老の信吾にふと山の音が鳴り響く。死の予告と恐れる彼だが、それは逆に信吾の忘れられない過去の想い出の多さを物語る調べでもある。
新しい戦争が僕らを追っかけてきているのかもしれないし、僕らの中の前の戦争が亡霊のように僕らを追っかけているかもしれない時代に生きた「家」のあり方、葛藤を緻密にそして繊細に描き出している。
イメージの表層と深層の二つの層が同時に響いてくる技巧の冴えは秀逸。
いつか僕もこのような紅葉を信州に見に行くことができたらいいな。
投稿元:
レビューを見る
おそらく川端のなかではいちばん長編の小説ではないかと思う。
がっちりとした構成で、内容も落ち着いている(といっても川端特有の短編の蓄積だが)。
でもその分、繊細な美しい文体は影を潜めている。
中心にあるのは、息子の嫁・菊子と初老の義父・信吾との微妙にあやしい関係。
嫁・菊子の描き方がとてもいい。
夫(信吾の息子)と別れたら、信吾にどんな世話でもできるという菊子に対し、信吾は「それは菊子の不幸だ」と反対するが、菊子は「いいえ。よろこんですることに、不幸はありませんわ」と迫る。
このフレーズが強烈に印象深く残った。
「みずうみ」や「千羽鶴」同様に、これも未完のような気がする。
投稿元:
レビューを見る
とにかくエロい。直接的ではないが文章の間から滲み出るエロさ。けど、涼やか。生臭さは全く感じない。清いけどエロい。官能的、といったほうが上品かな。
菊子に憧れる老人に自然と感情移入出来た。菊子の初々しさと色気が漂ってくる。
文章が綺麗だからできる芸当。
投稿元:
レビューを見る
舞台は鎌倉。初老の信吾は息子夫婦と一緒に暮らしていた。ある日、山の鳴る音を聞き、自分の死期が迫っていることを悟る。
息子には女の影がさしていた。嫁の初子もそれと知りながら、堪えて暮らしているようだった。初子に対して静かだが途切れぬ感情がわき起こる。若い嫁と初老の舅。惹かれ合うまでにも届かぬ気持ちの交錯を、仄暗く描いている。
投稿元:
レビューを見る
おっそろしい小説だ。
今まで私は川端康成がどうしてノーベル文学賞を取ったのか
意味がわからなかったのだけれど骨の底から理解できた。
凄まじい構成、
なんというドラマ、
寒気がするようなエロス。
なるほど、「文学」。
投稿元:
レビューを見る
山の音は、成瀬監督で、原節子主演の映画をテレビで観て、この作品が川端康成の作品と知って、正直驚いた。映画の方が嫁の菊子が去って行くが、小説の方は、元のさやに戻る。映画の方が寂しかったけど。
投稿元:
レビューを見る
真面目にレビューします
日本の戦後文学の代表作なんですかね。
個人的には三島由紀夫の方が好きですが、川端作品の中ではこの作品が一番好きです。
おおまかな内容は主人公である老人の信吾が、息子の嫁である菊子気になってしまう、そんな感じです。日本語意味不明ですが。
文章の巧みさ、日本語の使い方、日本の背景描写では多分、川端康成に敵う人はあまりいないのではないでしょうか。
心理描写も上手で、作品に惹きこまれます。本気出せば一日で読めます。
そんな作品。
ただ、読解力の不足か女の登場人物は○○子ばかりなので読む期間開けるとしばらく把握に時間がかかります。
投稿元:
レビューを見る
そうして、ふと信吾に山の音が聞こえた。
:::::::::::::::::::::::::
今にも
泣きだしそうな空のもと
墓参りをすませて
蕎麦を食しに向かう
なんとか
というドラマが終わる前に
流行りものである
おとずれなければ
そう
思っているうちに
この季節になってしまった
蕎麦屋が
並ぶ通りについた頃
丁度ひるどきまえ
雨が降り出した
先程
父に語りかけたことを
蕎麦を啜りながら
思い浮かべる
不安だ
まずいちばんには
胸が締めつけられる
胃が痛くなるような
自分では
もうどうもできず
祈るしかないという
大葉の
苦味が応える
茶を呑んだ
昨夜
まるいまるい月を
眺めてきこえた
あの音は
今宵もきこえてくる
のだろうか
「もう少し父と
語れば善かった
かな」
甘くない
蕎麦羊羹を放り込む
あの音
きこえてくる夜はもう
終わらせなければならない
投稿元:
レビューを見る
まだまだ理解出来ないところは多い。けど、さすが川端の文章は綺麗で清流のように澄み、ごくごく飲めるような感覚を味わった。
自分で読んだ時には気づけなかったが、物語の最後の展開が何を意味しているのかを解説から知ったときには構成と心情表現の巧みさに感動した。
投稿元:
レビューを見る
静かな小説でした。ずっとイヤホンしてる私には聞こえない音。
川端の書く男の老いと性は本当生々しいな…。
真吾の菊子への情はとても美しくかけがえのないものに思えた。真吾の内面がどうあれ、菊子にとって真吾の存在が救いであることには変わりがないのだと私は思ってしまう。
慈童の面の瑞々しいエロティックな描写、真吾が修一を詰る場面。芸者と何もせず寄り添って眠る場面。はかない幸せというもの。
投稿元:
レビューを見る
比喩表現に線をひきながら、2回読んだ。
「言葉を大切にする」ということを改めて意識させられた。
にほんごのかのうせい。
あと数回味わってから、
須賀敦子の伊訳版に挑戦する。
投稿元:
レビューを見る
成瀬監督の映画(昔の映画)に興味を持ち、映像を見る前に本を読もうと購入。老人と言って良いのか62歳のおじいさんが主体の家族の話。老人夫婦と老人と同居する若い息子夫婦、出戻りの実の娘の色々な問題が絡み合いながら話が進行する。老人と嫁の自然や季節の会話が、重い空気を和ませるが、全体としては重い話。やはり若さというのは生命力に繋がるので、老いていく人が主体の物語は読んでいて息苦しくなるときもあった。それでも推理小説ではないのに、先を先をと読み進めてしまう。読んでおいて損はない名作。