「帰去来の井戸」がいい。
2023/02/01 10:13
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の故郷でもある広島県の尾道を舞台にしたファンタジー色豊かな短編集である。その中でも冒頭の「帰去来の井戸」が幻想色が特に豊かで印象に残った。ギリシア神話と登場人物の名前を引っ掛けた「旅の編み人」もなかなか洒落ている。
作者の光原百合さんが昨年夏にお亡くなりになった。58歳とのこと。ご冥福をお祈り申し上げます。
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はじめの2、3編と後半はなんだか少し違った雰囲気があるような気もします。
個人的には、前半が好きです。
尾道、ぜひ旅してみたいですね。
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広島の尾道をモデルにした潮ノ道で起こる不思議な出来事の数々。ファンタジックな内容なので苦手な人は苦手かも。7つの短編で構成されていますが、どの話にも絡んでくる寺の住職のキャラが憎めない。僕が一番好きな話は絵の中に入ってしまうという『桜絵師』。図書館で本を探していた早紀は偶然クラスメートが自分の陰口をたたいているのを聞いてしまう。そんな灰色の日常に嫌気が差していた彼女は、持福寺を訪れていた絵師が描いたある一枚の絵に魅せられる。それは「生きている」絵だった。「こんなきれいな絵の中で生きていられるなら・・・」そう願った早紀は絵の中に入ってしまうが果たして・・・。
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尾道をモデルとした架空のまち「潮ノ道」を舞台に、不思議な現象に遭遇する若い女性達を描いた連作短編集。
繰り返される街並みの描写を通じて、尾道の魅力は十分に伝わってくるが、基本的にハートウォーミングな話ばかりなので、途中からややマンネリ感を感じてしまった。
もう少し毛色の違った話があれば、物語としての幅がより広がったのではないかと思う。
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舞台設定が夢見る女子のロマンをかきたてるものとなっております。
どの短編も、たぶん普段ゼロサムとかGファン読んでる夢豚にはたまらない内容ですね、おそらく。
文章がちょっと垢抜けない感じはありますが、それさえ気にならなければ普通に楽しめる。
さわやかさと、女性作家!という感じは、例えるならあさのあつこ。
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第1回広島本大賞受賞作ということで購入。装丁も内容に合わせて幻想的で綺麗。
内容としては尾道をモデルにした「潮ノ道」という昔の面影が残る街を舞台にしたファンタジー。
ファンタジーなんだけど、モデルとなった尾道にも、こんな不思議なことがあっても別に不自然ではないと思わせるような雰囲気があります。きっとこの街だからこそ成り立つ物語なのでしょう。
読んでいて気になる広島弁もなかったし(たまに変な言い回しや時代的に誰も使っていないような広島弁で書かれた作品もあるけれど…この作品は気にならなかった)、ファンタジーが平気な人なら楽しめると思います。
個人的にすきなのは「天の音、地の声」「桜絵師」。
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第一回広島本大賞受賞作品。尾道がモデルと思われる「潮ノ道」という海沿いの町で起きるファンタジーストーリー。
淡々と静かな物語が私には物足りなく思った。光原さんは「十八の夏」のイメージが強烈すぎて、同作品を超える作品となると・・・。
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「潮ノ道」という瀬戸内海に面した町を舞台にした和風ファンタジー。
ほどよくリアルで懐かしいような田舎町の描写と、ちょっと不思議な出来事が自然に溶け合っています。
好きになりました。
「帰去来の井戸」
地元の大学に通う由宇は、伯母の七重の店「雁木亭」という店を時々手伝っている。
店の裏には井戸があり、その水を飲むと必ず町にまた戻れるという言い伝えがあった…
「天の音、地の声」
小学4年の美咲は、持福寺の住職の了斎に頼まれて、劇団「天音」の役者サクヤを迎えに行く。
わずか数人でやっている劇団だが、口コミでけっこう人気がある。彼らのしていることとは…幽霊屋敷と騒がれている古い建物で、美咲は、一端をかいま見ることに。
「扉守」
「セルベル」という雑貨屋に入ってきた少女・雪乃には、何かが取り憑いていた。
セルベルの主人の青年が、実は扉守という役目をしていた。
「桜絵師」
持福寺の了斎のもとを訪れた絵師・行雲が広げていた絵。
高校生の早紀は、描かれた桜が次第に増えていくのを見て、美しい絵の中に入りたいと思う。
「写想家」
人の思いを写す写真家。
違う人生を送る女友達が、ある日抱いた思いは…
「旅の編み人」
ピンク色の翼を持つ何かが、羽ばたいて窓の外へ消えた。
何でも編むという女性のバッグから飛び出したそれは?
「ピアニシモより小さな祈り」
静音は地元で勤めているが、神崎零のピアノコンサートをボランティアで手伝ううちに、ほとんど仕切るようになった。
零には調律師の柊も同行して、コンビで行動している。
静音の家には昔から、鳴らないピアノがあった。
何度張り直しても、音を立てて壊れる…
すねているピアノをなだめると言われ、連弾の練習を始める静音だったが…?
瑠璃山、黒曜山、白珠山という三つの山がすぐ海まで迫っていて、細い道が入り組んだ坂をなす町というのが素敵です。
作者は尾道出身なんですね。
2006年から9年にかけて書かれた連作短編集です。
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全体に流れる優しくて切なくて不思議な雰囲気は好き。
読んでいると歴史情緒豊かな瀬ノ道(尾道)の町並みが目に浮かんで来て、尾道を訪れてみたくなった。広島弁も心地よい。
帰去来の井戸、桜絵師が好き。
特に桜絵師の世界観が好きで、幻想的な絵の世界の中に自分も入ってみたくなった。
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http://takotakora.at.webry.info/201302/article_4.html
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ひとつひとつ読みやすくて心が温かくなる連絡短編集。
仕事で疲れた日の夜眠る前、仕事に行くのがちょっと憂鬱な日の朝などに読んでみました。
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著者の故郷尾道をモデルとした潮ノ道という町を舞台に紡がれる7編の連作短編。
不思議な力が集まるとされるこの町に住む住人達と、人ならぬ存在が織り成す煌めく物語。
満月の夜に亡き人を乗せて白い小舟が帰ってくるという言い伝えを描いた『帰去来の井戸』、切なる祈りが心に響く『ピアニシモより小さな祈り』が特に良かったです。
『桜絵師』は今この桜の季節に読めて良かった。
物語にただ一人共通して登場する、飄々とした物腰で物語に彩りを加える持福寺の住職了斎がまた何とも言えず良いです。
シリーズの構想もあるようですので楽しみに待ちたいです。
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尾道をモデルにした架空の町を舞台にした短編集。
どの物語も、人の想いが鍵となっている。それらは、潮ノ道という土地のもつ力によって、不思議な現象を起こすが、それを解決するのも少し不思議な人達。誰もが抱く普遍的な想いや感情が、どこか懐かしさの漂う町で救われる。ファンタジーではあるものの、すっと心に入り込むような物語。
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以前読んだ時あまりぴんとこなかったのだけど、なんだかもう一度読んでみたくなり再読。
潮ノ道という架空の土地を舞台にしたファンタジーものですが、どのお話も「想い」が共通点となっていて、ちょっぴり不思議でときどき怖くて、でもとても優しくて。たいへん光原さんらしい短編集となっています。
中でも「帰去来の井戸」「扉守」「旅の編み人」の3作がすきです。
ちょっと短編で終わらせてしまうのは勿体無いくらい。
以前と同様に完全に入りこめなかった要因はもしかしたらその辺にあるのかもなあ。
あと方言がわかりにくいのも難点。
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潮の道という架空の街を舞台にしたあっさり系ファンタジー。キャラクターも魅力的で続きがよみたい!でないかなぁー
こんなところにすんでみたいなぁと思わせる、作者の地元愛が伝わる作品。