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紙の本
名作はやはり名作
2017/03/31 23:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:徒徒徒 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今更言うまでもない名作SFですよね.人類が上帝<オーヴァーロード>と呼ぶ知性体と接触して50年.未だ姿を見せない彼らの目的とは・・・SFに登場する異星人は侵略とか調査とか色々な理由でやってきますが,この作品に登場する彼らの事情は,流石ですね.こんなアイディアを1953年に考え付くんですから,SF界の巨匠は本当に途轍もない人なのだと実感します.ただ最終的な人類の決断にはちょっと悲しみを覚えました.
電子書籍
想像を超えたスケール
2015/10/19 12:21
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投稿者:honto.com.sg - この投稿者のレビュー一覧を見る
今から60年以上も前に書かれたとは、とても信じられないほどのスケール。オーバーロード、そして、オーバーマインドの意思への期待と疑念の入り混じった感覚で、引き込まれるストーリー展開。宇宙の旅シリーズに匹敵する作品だと思う。
紙の本
アーサークラーク
2015/08/19 23:07
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投稿者:yasu - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供の頃からアーサークラークを読んでいたが、本書はまだ読んでいなかったので、久しぶりに呼んだが、改めて、アーサークラークの偉大さを認識した。
紙の本
今までそこにいたものは?
2004/01/24 00:45
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投稿者:グリーンアイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
アーサー・C・クラークの作り出した異星人の中で最も冷静で尊厳にあふれた異星人がカレルレンだ。地球上空を覆う幻の宇宙船団の総督。完璧な言語を話し、地球の全面的統治を告げる。あらゆる攻撃を受け付けず、示威活動も完璧だ。カレルレンは慎重だ。必要なときまで決して姿を見せない。彼の声だけを人類は知っている。他は何も知らない。このカレルレンの謎をめぐって話が進行する。彼は、人類が「オーバーロード」を信頼する時間を計っているのだ。
そして、ついに姿を現した彼はとてもすてきな恰好をしていた。そう、古の昔から人々が民間伝承や絵画でよく知っている姿だった。短い角、強靭な翼と逆とげのある尻尾をもつ姿。しかし、誰も怯えない。子供たちが彼を受け入れていたからだ。彼は、オーバーロードの命に従って、人類の統治を慎重に進める。長い長い秘密の計画が成就するまで。数世紀をかけて静かに見守っていくのだ。
カレルレンたちは、コリン・ウィルソンが提出した人類の課題である「退屈さ」を超越した存在である。この世界では、人類さえも退屈しない。不思議で誠実な世界の物語なのだ。遥かな未来の予兆におびえながらも、ゆるやかに時は流れていく。そして、新世代の人類は自らに目覚め、約束の地を目指し、地球ごと旅立っていく。うらやましくもゾッとする物語である。
数世紀もの時を退屈せずに過ごせる超知性というのはどのようなものなのだろう。あなたや私であれば、あっという間にこんな仕事に飽きてしまうだろう。気の遠くなるほどの時間が、ただ流れていくのだ。もっとも、カレルレンたちの科学力は、生体時間を自由に伸縮させることができるようなので、生体時間を調整することができるのかもしれない。しかし、それによって超知性は強烈な生を生きることができるのだろうか?
そして、統一世界を実現し、黙って運命を受け入れていく人類は、我々とは違った人類なのだろうか。それとも現実の我々人類もこのような進化が可能なのだろうか?
この物語の魅力は、そんな一縷の希望を抱かせるところにあるのかもしれない。
紙の本
古典SF中の古典。やはり、それだけの力があるということだ。
2001/03/02 22:44
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投稿者:FAT - この投稿者のレビュー一覧を見る
『幼年期の終り』は1953年と半世紀も前の出版であり、いわば古典SF中の古典だ。「古典とは、名前は知られているが、もう読まれる事のない作品のことをいう」なんていう皮肉を誰かが言っていたけれど、『2001年宇宙の旅』と比較すると派手さがないので、『幼年期の終り』は、こういう意味での古典に過ぎないと思われる方もいよう。しかし、そこはやはり古典SF中の古典、読んでみさえすれば、現在でも十分堪能出来る傑作なのである。
「成層圏の希薄な大気の中を通過するかすかな悲鳴のような音」と共に巨大な宇宙船がしずしずと降りてくる。しかし、地球に訪れた上帝(オーバーロード)達は、一向に姿を現すこともなく、国連事務総長を通して最低限の接触しかしてこない。彼らが地球に訪れた目的もハッキリせず、時間ばかりが過ぎて行き…。
派手なドンパチもなく淡々としてした展開の中で追求される本作のモチーフは、「知性の進化の行く末」である。「存在の大いなる連鎖」がダーウィンによって破壊されて以降、人間の進化の行く末という問題は、新たに人類に突きつけられた神学的問題として浮上してきた訳である。この極めて不安感を煽る問題への回答として、本作が描いているのが、認識能力が爆発的に増大し、物質的肉体を跳躍してしまうという「幼年期を終える人類」の姿だ。
こういった答えに対して、「古典的」という評価もできるのであろうが、翻ってみると、この姿はサイバーパンクが描く電脳世界における意識共有(ジャック−イン)という別の形で、現在でも繰り返し具象化されつつあるのであり、結局、「意識の共有と肉体の超克」というモチーフは、SFの尽きることのない着想の源であると言うことが出来るのであろう。
しかし、ドンパチも全く起きることなく淡々とした筆致でストーリーが進んで行くもにもかかわらず、ぐいぐいと作品中に引き込まれていく処は、「やはり永く生き残る作品には、それだけの力があるのだ」ということを実感させてくれる。
電子書籍
圧倒的大スケールで描かれる地球と人類の終着点…でもそれだけじゃない
2023/09/19 15:22
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投稿者:五十貝ボタン - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終わって、なんだか物寂しく悲しい気分になってしまった。個人の肉体をはるかに超えるスケールでの感情を想起される。ふつうに生活していたら、読書を通じることでしか体験できないものだと思う。名作だとは知っていたけど、これほどととは思っていないかった。
オーバーロードと呼ばれる宇宙人が突如あらわれて全人類を「監督」しはじめ、そのいうことがいちいちもっともだからなんとなく受け入れるしかない、なのに彼ら自身は大きな秘密を抱えていて、視点人物たちはどうしてもその「秘密」のことが気になる……という構成から、読者自身もオーバーロードの抱える秘密を強く意識してしまう。その構成が巧みで緻密。
そのうえ、誘拐事件が起きたり、ちょっとしたロマンスがあったりと、読者の興味を失わせないように刺激するサービス精神も持ち合わせている。
しばらく描かれるグローバリズムとナショナリズムの対立構造にはさすがに時代を感じたのだが、この構造もさらに深化したテーマにつながっていて、多層的に描かれていく。
驚くべきことに、読み終えるころにはあれほど不思議な存在だったオーバーロードたちに感情移入している。作中で語られるように、芸術を通して人間はまったく違う種族の経験を味わうことができるのだと思う。
終盤の展開は実際に読んで味わってもらうしかないのだが、オーバーロードの知性のリアルさ、完璧さ、そこに混じるちょっとしたイヤさの描き方がとてもよかった。
紙の本
SFの最高傑作の1つ
2020/07/25 13:37
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投稿者:のび太君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
SFの最高傑作の1つと言われている作品で、壮大なスケールで描かれているが、終わりの方に感じる寂しさも魅力である。