良い面と悪い面の両方が出ている
2020/08/19 19:25
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投稿者:のび太君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
クラークの代表作の一つであるらしいが、好奇心や希望といった良い面と、説明が長すぎる悪い面の両方がでていると思った。
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ふらっと入った本屋で購入。
銀河帝国の崩壊の改訂版とは知らず・・・
最初の都市名を見た瞬間どこかで読んだなぁと思ったはずだよ。
再読してくっか・・・実家に帰らねば、父親の持ち物だし。
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最初の一行から、がん!があって最後までそのテンションが下がらない稀有な傑作だと思いました。はるか未来の地球のある一つの町に生まれた異端者の青年の「外を見たい」という単純な思いを描きつつも、外に行って別の場所を見ると、更にそれは宇宙へと広がっていく・・・途中で宇宙オデッセイになり哲学になり宗教になり、そして最後実に意外な人間史が語られる。細かい部分の設定(子供が生まれない世界とかロボットとか中央コンピューターとかヴァーチャルとか)まで物語としても楽しめるし、当時書いたというのが信じがたかったです。
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遙か未来、銀河帝国の崩壊によって地球に帰還することを余儀なくされた人類は、誕生・死さえも完全管理する驚異の都市ダイアスパーを建造、安住の地と定めた。住民は都市の外に出ることを極度に恐れていたが、ただひとりアルヴィンだけは、未知の世界への憧れを抱きつづけていた。そして、ついに彼が都市の外へ、真実を求める扉を開いたとき、世界は……。20世紀SF界の巨匠が遺した、『幼年期の終り』と並ぶ思弁系SFの傑作、待望の完全新訳版。解説:中村融 ___(感想)前半が結構辛いですが、後半は素晴らしいです。さすがアーサー!といったところでしょうか。アーサー・C・クラークが好きな方にはおすすめです。個人的には『幼年期の終り』の方が好きです。
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遥かな未来、地球上に唯一つ残された永遠の都市・ダイアスパー。かつて銀河帝国の覇権を謳歌していた人類は、帝国の崩壊によって地球へと引きこもり、あらゆる環境を完全制御できる閉ざされたこの都市で自らの生体情報をも完全にデジタル化して事実上の不死を生き続けていた。もはや宇宙はおろか都市の外にすら出ようとしない人々の中で、たった一人、外の世界への興味を持ち続けている少年アルヴィンは「ユニーク」と呼ばれる存在だった。外界への情熱断ちがたい彼は、ついにダイアスパーから外へ出る方法を見つけ出すのだが・・・。
約10億年後の未来を舞台にした、気が遠くなるほど遥かな未来の物語。元は短編「銀河帝国の崩壊」という作品で、クラークが船旅の途中で長編にリメイクしたもの。そのせいなのか、分厚い割にストーリー展開はやや冗長で、スケールでかい割りに淡々とした筆遣いです。
停滞した未来社会をブレイクスルーせんと冒険の旅に出る、若者の成長物語・・・といったまとめ方ができる作品なんでしょうが、ここまで来るとSFというより幻想小説ですね。それなりに面白く読み進めましたが、うーん、鴨的にはあまり心に響くものはなかったなぁ。登場するキャラクターがステロタイプで今ひとつ感情移入できなかったし、物語の展開もややご都合主義なところがあって「そう行っちゃうかなぁ〜」と疑問に思いつつ読んだところが敗因ではないかとヽ( ´ー`)ノ世間擦れしてから読む作品じゃないのかもしれませんねヽ( ´ー`)ノもっと若いうちに読めば良かった。
物語の後半で壮大な冒険を経験したアルヴィンは、様々な想いを抱えて地球へと帰還します。その後の人類がどうなったのか、この作品では描かれていません。人類が大きな変化を経た後の未来が果たして良い方向に進むのか、いやそもそも人類にとって「良い」未来って一体何だろう?そこをはっきり描かないラストは、クラークの他の代表作である「幼年期の終わり」や「2001年宇宙の旅」と共通しています。
この閉塞感溢れる21世紀にクラークがもし生きていたら、どんな作品を書いたんだろうなぁ。
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なかなかの読み応え。
大昔に書かれたSFとは思えない未来的な発想が盛り込まれています。
ダイアスパーというコンピューターで半仮想化された大都市に住んでいる主人公。
人間の意識はコンピューターの力で拡張され、現実と非現実が同居している雰囲気。
この発想がイーガンっぽい、と思った。
主人公の青年は飽くなき探究心に突き動かされ、都市を飛び出して大冒険するのだけど、ここは未知のものとの邂逅などが描かれていて、いかにも冒険モノっぽくてよい。
そして後半、その主人公が人類の過去と未来の姿をあらわにしていく。
ちょっと長いかもしれないけど、面白かったです。
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遠未来SF長編。「ハードSF」ではないけど雰囲気はハード寄りかな。
同作者の「銀河帝国の崩壊」のリメイク作品、みたい。巨匠アーサー・C・クラークの集大成!
10億年続いた銀河系最後のユートピア「ダイアスパー」が次の時代に進むまでのお話、です。
「遠未来の・完成された・ユートピア」って異質な舞台でありながら世界構築がとにかく素晴らしい! 50年前の作品とは思えないね。
もちろん物語もわくわくどきどきです。SFってジャンルの本質を体現してるんじゃないかな。
訳は全体的に柔らかめ・あっさりめ。読みやすいので幅広い層におすすめ!
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読了まで、なんと1ヶ月も要した本です。
非常に苦労したように思われますが、実際はその反対で、読むのが躊躇され読み進めることができなかったのです。
実は、この本は購入したものではなく、図書館で借りました。
読み終わったら手元になくなるのが分かっていたので、なかなか進むことができなかったのです。
返却期限1ヶ月(通常2週間ですが、延長しました)を経過するまで、少し読んでは戻り…また少し読んでは戻り。
昨日、とうとう図書館に返却してきました。
そこまでしなくても…(笑)と言われそうですね。
はい。もちろん購入する予定です。文庫ですから安いです。
面白かった!感動した!というレベルではないです。
何十回でも読み返したい、人生に影響を与えるような本です。
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さすがアーサー・C・クラーク。長い!深い!物語。
目次ではそうなっていないけれどおそらく『都市』編と『星』編に分かれている。
まず『都市』のほう。主人公のアルヴィンは永遠の日常の象徴である都市『ダイアスパー』において初めてメモリの中から生をうけることになる。彼が『ダイアスパー』を抜け出し自立して生きようとする都市『リス』を見つけ宇宙船を手に入れるまでがおそらく『都市』編。
そして宇宙船を手に入れ神話の世界であった。遠い銀河の星たちを見て人間はどうして『ダイアスパー』と『リス』にしか見られなくったのかを考える『星』編。
何が凄いかというとやっぱりもってる教養がすごい。
あとSF的要素も1950年代とは思えない逆に言うとそれからどれだけ今発展した展開があるのか気になるぐらいのレベルの高さでした。
精神をメモリバンクに保存して中央コンピュータが管理、永遠の日常のために転生を繰り返すシステム、純粋理性、群体、テレパシーの設定などなどこれでもかってぐらいにSFの味噌みたいな要素ごっちゃりで楽しいですね。
ところでアルヴィンはアーサー・C・クラーク自身を強く反映してるそうですが、思うに子供的なもんの象徴『ダイアスパー』の中から出て『リス』という大人的な社会をもつ都市と交流を図りつつ相互理解を目指す。っていうところを見るに、クラークは心は子供で、つねにそういう好奇心の強いチャレンジャーな部分を持っていてそこをもってして大人な世界とやり合おうっていう思考が見られるように思います。
そのためには人間に対して何故と問い続けることが欠かせない。
それが彼の深い教養の源なのかもしれませんね。
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外の世界に出ることを渇望していた少年が、都市の外、星の外を見て最後に選んだものはなにか。地に足を着けて生きることと対比して、人には及ばぬ遠い未来の宇宙の物語を想像させられました。
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時間と空間の幅がハンパない。
SFは、アイデア勝負なんじゃないかと思ってたけど、違った。
リアル感だけでなく、作者の深い考察と創造力×想像力が伝わってくる。
時間方向と空間方向への視野が広くなった気がする。
環境と自分を見つめ直すきっかけにもなる。
なるほど、これがSFか。
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クラークにしては(失礼!)、キャラクターがたっていて魅力的。特に主人公アルヴィンがなかなかに人間臭い。全般的に、会話に多少イーガン臭を感じる
銀河帝国の歴史も楽しめる。語られる物語がいい。アカシックレコードである、肝心のヴァナモンドの出現は唐突な印象を受けたが。
ダイアスパー、リス2つの都市、どちらか一方が優れてるということではなく、停滞ではなく、不安定にこそ進歩の余地があるというお馴染みのテーマも。
リスからダイアスパーへ帰ってくるあたりから、ストーリーが読めず、結末がどこに行くのかハラハラした。そして、豪腕で軌道修正した印象は拭えなかった。
ただし、リスから帰ってきた後の評議会前後に、アルヴィンが高揚感を感じるあたりのストーリーは秀逸
本筋とは外れるが、10億年後、地球、そして太陽はまだあるのかなーと思ったので、ちらりとでも言及があるとよかったかも
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すべての人間がメモリーバンクに登録され、
青年の体で生み出されて長い長い人生を生き、メモリーバンクに還っていく。
外界から隔絶されたそんな都市で、アルヴィンはただ1人異質な存在だった。
という導入で始まるお話。
最初は自分のことしか考える余裕のないアルヴィンが、冒険を進めるにつれ成長していくのが素敵です。
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20年くらい前に読んだ、同作者の「幼年期の終わり」は衝撃だった。とても面白かった。本作品は前から読んでみようとは思っていたが、なかなか手が伸びなかった(本屋さんに行った時に、毎回そのことを忘れていただけですけど)。
本作品も面白かった。またそのうち読みたい。
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『2001年宇宙の旅』を書いたアーサー・C・クラークが20歳から20年ほどかけて書いた作品で、1955年に脱稿である。クラークは「最高のSF作家」と言われるが、この作品の世界観も壮大であり、内容はSpeculative Fiction(思弁系SF)と言われる。物語は、人類が「銀河帝国」をつくったのち、謎の「侵略者」に負かされて、荒廃した地球に撤退してから10億年、テクノロジーの粋を尽くした都市「ダイアスパー」から始まる。ここでは人の寿命は約1000年、ほぼ成人の体型で合成される。20歳までは両親のもとで都市生活を学び、以後「前世」の記憶がよみがえり、生活する。生殖能力、睡眠など多くの習慣は失われている。また、生活物資は思うだけで合成でき、情報端末のおかげで動かなくても他人と会うことは可能だ。死は記憶を整理し、「創造の館」で分解され、中央コンピュータに記憶されるだけである。ほぼ10万年後にまた「創造の館」で合成されるというのがくり返される。つまり、この都市では人間やそれを取り巻く環境がすべて情報なのである。主人公は、この都市に始めて生まれたアルヴィンである。彼は他の住人とちがい、前世の記憶がなく、ダイアスパーの外に出たいという強い脱出願望があり、自分の実存に苦しむ。彼は「道化師」(都市に計算された無秩序をもちこむのが仕事)の力をかり、「中央コンピュータ」で都市を探索、都市脱出に成功する。外にはほぼ「自然」のままの人類のコミュニティ「リス」があった。彼らはテレパシーで精神を共有することができ、高度な精神文明を築いており、「不死」を捨てた人々だった。リスのコミュニティーで、ヒルヴァーと出会い、友情をむすぶ。リスの探索の途中、ずっと「主」をまっているという異星からきた群体生物とそのパートナーのロボットにであう。群体生物からロボットを借り受けると、アルヴィンはリスを脱出し、ダイアスパーに戻り、リスとダイアスパーが交流することを画策する。また、ロボットの力をかり「主」の宇宙船を発見、ヒルヴァーとともに銀河の知性体をたずねる旅にでかける。その旅の果てにであうのが、かつての人類が作った「純粋知性」の「ヴァナモンド」である。彼を地球に連れて帰ると、今まで信じてきた人類の文明史があやまりであったことが分かる。「侵略者」とは暴走した「狂える精神」であり、人類は幾多の知性体とともにほかの銀河へ去ったのであった。アルヴィンはダイアスパーとリスの交流をすすめ、地球を再び人類が住める環境に整備する事業に従事するのであった。創世記や失楽園などを思わせる壮大な物語だが、語り方はダイアスパーの常識をみにつけたアルヴィンの一人称で展開するので、テクノロジー下で起こる意識の変容とか、異文化接触などの問題を描いている。最初の100ページくらいは延々とダイアスパーの常識が展開されているので、すこし退屈であるが、後半は「センスオブワンダー」に満ちている。情報機器が出現する前にこういう小説があったのは驚きである。