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人類の意思決定の非論理性をデータで説明している本。以前読んだ「死すべき定め」の引用文献として知った本。話は長いがなかなか面白い。2度読んでよい本。
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マーケティングをやろうと思ったら、絶対に読まないといけない本ですね。それと、マーケティングに騙されたくない人も・・・
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システム2を強化していくことでシステム1が強化される。それよりも効率的にシステム1を強化する方法があるとすれば、魔法修練だろう。
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「バイアス」という行動経済学についての本。
人間の内部には誰しも「直感/論理」「経験/記憶」という二つの自己を内包する。
そのバイアスについて色々な名前をつけていった本。名前を付ける事により現象が整理でき「バイアス」から多少逃れる事はできても完全に逃れる事は出来ない。
バイアスがあるから世の中が動いたり、素敵に彩られているのも事実だ。
組織運営やコミュニケーション、自己管理においても「バイアス」に対する素養があるかないかで人として大きく変わるのだろう。
キーワード↓↓
計画の錯誤、競争の無視、楽観バイアス(起業家に多い)、自信過剰の優遇、損失回避(人は利益を得るより損失を避けたい)、ピークエンドの法則、持続時間無視、プライミング効果、フレーミング効果、基準の無視、メンタルショットガン、ヒューリスティック質問。少数の法則、アンカリング効果、スキルの錯覚、妥当性の錯覚。
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ホームズの思考術にあった速い思考と遅い思考(ホームズシステムとワトソンシステム)の元ネタはダニエル・カーネマンのファスト&スローだよなあ、と思い本棚から取り出し出だし少し読んでみた。ワトソンシステムの例が書いてある。考えてみれば普段の生活はほとんどワトソンシステムに任せている。だから、思いもしない事があると、自然な対応が出来ずミスしてしまう、という事になるんだな、と。ホームズは「見る事と観察する事は違う」と語っているけれど、少し日常を観察する事を意識してみよう。
↓以下、丸ごと引用
『近所の人がスティーブのことを次のように描写しました。「スティーブはとても内気で引っ込み思案だ。いつも頼りにはなるが、基本的には他人には関心がなく、現実の世界にも興味がないらしい。物静かで優しく、秩序や整理整頓を好み、細かいことにこだわる」。さてスティーブは図書館司書でしょうか?それとも農家の人でしょうか?
スティーブの性格が図書館司書のステレオタイプとピタリと一致することは、誰もがすぐに思いつく。だがこの質問に答えるためには同じくらい重要な意味を持つ統計的事実があるのだが、こちらはまず間違いなく無視される。
あなたはアメリカでは男性の私を1人に対して農業従事者は20人以上いると言う事実を思い出したであろうか。農家の人がこれだけたくさんいれば物静かで優しい男は図書館で座っているよりもトラクターを運転している可能性の方が高い。ところが実験の参加者はこうした統計的事実を無視し、ステレオタイプと類似性だけを問題にした。彼らは難しい判断を下すにあたり、似たものを探して単純化ヒューリスティック(大げさに言えば近道の解決法)を使ったのだと考えられる。このようにヒューリスティックに頼ると答えには予測可能なバイアス(系統的エラー)がかかることになる。』p15
↑
何か問題や課題が与えられた時、いかにすでに自分の脳内にある、取り出しやすい、慣れた材料で物事を判断しているか!って事ですね。単純化!サポメ課題本の失敗の科学にも単純化の例が書いてあったし、先日ひっつじーさんが紹介してくれた【心配学】でのリスクとリターンの見積もり間違いの話にも通じるなあ。今日は自分がどれほど単純化しているか、意識してみよう。
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人間が意思決定を行う際、じっくり考えればわかるものも過去の経験則などから直感を駆使してしまうことにより、非合理的な選択を行ってしまう等といった行動経済学に関するあらゆる事象を平易な文章で記載しており、とても勉強になりました。
但し、分量が非常に多く、頭を駆使する必要があるため、読み進めるのに相応の時間が掛かります。
面白い内容ではあるのですが、長期戦は必至であるため、挫折してしまう方も多いかもしれません。
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私たちの内的な決定機関には二つのシステムがあるということを、様々な実験から検証し提言する内容。ノーベル経済学賞を受賞した著者なので、内容は決して難しく書かれていないが、検証の緻密さ精密さはくどいほど。しかし目から鱗の大変面白い内容だった。
ファスト&スローとは、簡単に言えば「直感」と「理性」といったところだろうか。私たちはあることに直面した時、自身にとって最善の方を選択しようとするし、状況と前提に合わせた回答を用意しようとする。しかしその選択の大部分は理性によって吟味されたものではなく、前提とされた状況や経験によってゆがめられている。「直感」はあるフレームがあり、それにのっとったものをストレスなく選び取ろうとする。「理性」は直感が選び取ったものをもう一度フィルターにかけて自己に問い直すような役割を果たす。しかしこの「直感」は大変揺れやすく、「理性」も直感のブレの幅に結構影響を受けてしまう。
行動経済学に初めて触れた気がするが、この検証は結構恐ろしい。特に宗教者にとっては足元がぐらぐらする思いだ。信仰が個別的であり、自身の経験と直感にかなりの比重がかかっていることは自明である。マインドコントロールという言葉は使いたくないが、構造主義の賜物というのか。メタゲームの先に信仰は見えるのか、人生の課題でもある。
17.12.5
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意思決定とは、直感的で因果を逆転させがちな「速い思考」と合理的で利用に努力を要する「遅い思考」の相互作用であることを述べた書籍。株式・教育・採用など具体的な事例を示し、人がいかに不合理な決定を行うかをしめしている。上巻は2つの思考についてと、ヒューリスティクスとバイアス、自信過剰の途中までを述べている。
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上巻では、人の二つの認知システム「システム1(自動システム)」と「システム2(制御システム)」について多くが語られる。
実際にこうした脳機能が存在しているわけではないが、人間の心理をわかりやすく説明するためにあえて学術的に不適切な「擬人化」を使ったというところが、この本が広く一般に受け入れられている理由だろう。
ノーベル経済学賞を受賞した心理学者だからこそ、こういう不適切な説明が許されている感もある。
この本では、なぜ擬人化が人にわかりやすいかについてもさりげなく説明している。
擬人化は萌え文化の専売特許ではないということだ。
これを読めば、人の心理「システム1」と「システム2」が愛おしく思えるに違いない。この世で起こるアホな事件、アホな自分にも、きっと寛容になれるはずだ。
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”意志”がどのように決まるか、という命題に関してあらゆる角度から、様々な文献、心理実験の結果をベースにアプローチがなされている。
上巻だけではその結論が出てはいないが、いかに我々が”意志”や”客観””主体”と思っているのが曖昧で偏ったものであるかが良くわかる。
そして、その内容もさることながら文章がとても分かりやすくユーモアまであり読んでいて本当に楽しい。下巻が楽しみ。
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人間の行動には2つのシステムが関与する。
自動的に高速で働き、努力は全く不要か、必要であってもわずかであるシステム1,
複雑で困難な知的活動に注意を割り当てるシステム2.
最小努力の法則とは、ある目標を達成するのに複数の方法が存在する場合、人間は最終的に最も少ない努力ですむ方法を選ぶ。
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考える力とは、何か?深く知りたい人におすすめの一冊です。
どうすれば考える力を鍛えることができるのか?
そのヒントを知るためには、その本質を知る必要がある。人間の思考には、癖があります。癖があるからこそ、その癖が悪く出ないために学ぶ必要があり、強く意識を持つ必要があります。
思考には早い思考(直感)と遅い思考(熟考)があります。この2つの思考の違いについて、色々な事例や研究結果を通じて学ぶことができます。
心理学者にしてノーベル経済学賞受賞の著者による面白い一冊です。
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行動経済学と意思決定論できちんと一冊読むならこれってやつ。当たり前なんだけど、理論化されると目から鱗になる。
こういうところが、認知心理学の醍醐味なんだよなぁ。
人には本能がつかさどるシステム1と理性がつかさどるシステム2がある。というお話。この二つのせめぎあいで、いろんな錯覚やら認知のゆがみをしてしまう。それを解説している本である。
結局は、謙虚であれ。システム1も2も完璧じゃないなら、己を過信することなかれ、科学を過信することなかれ、謙虚に生きようってなるね。うーん、仏教に収斂していく…。まぁどんな宗教とかにも当てはまるか。さっすが年季が違うぜ。
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2018/05/06読了。
面白い実験や問題が各章毎にあり、自分がいかに直感に頼っていたかそしてその直感はあまり当てにならないという事を思い知った。
序盤に出てきたバラバラな用語が中盤以降何度も、それも組み合わせて事例の説明に用いられている様になっている。著者は読者に対してこれら用語への「認知容易性」を高めようとしたのかな。
印象に残っているのは第7章、「自分が見たものが全てだ」という思い込みが判断と選択に影響していて判断に必須の情報が欠けていてもそれに気付かない、という話。当たり前の事なんだと思うけどこのバイアスは怖い。
一目、異常のない状態や分かりやすい状況を見たときに隠れた因子に気付かず事態を悪化させてしまうという事は、時に致命的なミスに繋がるだろうと思う。
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経済学の世界に心理学(認知科学)を持ち込む「経済行動学」の第一人者ダニエル・カーネマンによる著作。一般的な経済学はすべての人は「合理的に、自身の利益を最大化するよう行動する」というのが大前提だが、あいにく人間はそのようには行動しないことが多くある。そのメカニズムを心理学的な実験、理論に基づき、解き明かすのが本著のテーマ。
人の思考には2種類のシステムがある(早い思考と遅い思考)。またそれによって2つの人種(エコンとヒューマン)は別者となり、また2つの自己(経験する自己と記憶する自己)に差がが現れる。
タイトルでもあるが、カーネマンは2つの思考をシステム1(早い思考)とシステム2(遅い思考2)と呼んでいる。システム1は直感的で即座に答えを出し、システム2はゆっくりと熟慮して判断する。多くの場合、システム1の直感はシステム2の熟考と一致するが、これらが一致しないケースにおいて、人は非合理な判断をしてしまうこともある。
システム2を正しく起動し、いかに合理的な選択ができるようになるか、トレーニングが必要だし、トレーニングしたところで完全に克服することはできないだろうけど、少なくともこの本で紹介されるような事例を知っていれば、自分の判断にバイアスがかかっているのでは、と疑うことができるようになるだろうと思う。