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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝廷軍を退けた蝦夷軍のアテルイと母礼らは都を訪れる。そこで坂上田村麻呂と出会う。お互いの人柄に惚れ合い戦を回避する策を練るが帝の気持ちは変わらず、お互い戦の準備を始める。
アテルイと母礼は地の利を活かして朝廷軍を何度も追い払うが、戦いは終わらず。
また朝廷軍は征夷大将軍として坂上田村麻呂を蝦夷に遣わす。蝦夷を平和な地域に戻すこと、朝廷と蝦夷の戦いを終わらすためにアテルイと母礼は秘策を用いる。
その秘策とは・・・。
蝦夷の誇りをかけた戦い、アテルイや母礼の思い、そして坂上田村麻呂の心情等に心を動かされる思いです。学校教育の日本史では坂上田村麻呂の蝦夷征伐は教わってもこの詳細については初めて知った。宝亀の乱から始まって後の前九年の役、後三年の役とどういう流れがあるのかまた知りたくなった。原因は違えど、朝廷と蝦夷の戦いはまだ続いたことから、アテルイや母礼の望んだ結果には終わらなかったのでしょう。清水寺に行くときは坂上田村麻呂やアテルイ・母礼にも参ってみたいと思います。
紙の本
現実における戦争
2004/12/08 16:01
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投稿者:チョビ - この投稿者のレビュー一覧を見る
身分を隠した阿弖流為たちが、支援者である天鈴とともに京に上るところから下巻は始まる。宿敵(であり、不思議な信頼関係を保ってもいる朝廷側の貴族)田村麻呂との出会いが深く印象に残る。それぞれ違った星のもとに生まれていたら必ずや固い友情で結ばれていたであろう2人は、否応なく敵味方に分かれ戦いを続ける。そして常勝の阿弖流為が最後に仕掛けた戦とは…。
上巻の書評で、エンターテインメントとしてのこの小説の素晴らしさについて書かせていただいた。もしも実話に基づくものでなかったなら、どんなによかっただろうと思う。阿弖流為たちも田村麻呂も戦いを避けたいと思いながら、しかし避けることはできなかった。フィクションであれば、それもしかたのないことと思いつつ冷静に読むこともできよう。しかし、この戦いは実際に行われたものであり、多くの人々の命が失われたのだ。
阿弖流為は“蝦夷を救うため、未来を担う子どもたちが何もわからぬまま戦に巻き込まれるのを避けるため”最後の戦いを決意した。いまさら歴史上の事件を変えることなどできないと知りつつも、最後の戦いを含め、和解の道はなかったのかと胸が痛む。この小説の戦いの根底にあったいちばん大きな原因は、朝廷の蝦夷に対する差別意識だったと思う。もしも自分が何か次の世代のためにできることがあるとしたら、他者への偏見や差別の芽を植え付けないことしかない。それが実現できれば、いつの日にか誰も戦争などしないですむ世の中になるかもしれないと夢を見ている。理想論と言われても、夢は持ち続けなければ現実にならない。阿弖流為たちの神々しいまでの戦いぶりに、かえって戦いの空しさを強く思った。
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重いって。この時代に武者って存在してたの?腹切りあったの?調べてないから分からないけど疑問だ。何故みんな男泣きに泣くの?なんでアテルイの嫁さんは前振り多くて出番少ないの?なんかハマれない文章なんだよなぁ。
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下巻です。征夷大将軍坂上田村麻呂と阿弖流為との戦いは最終局面を迎えます。ラストの阿弖流為の叫びには、涙が出ました。
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東北の地に生きる人々、そして武士の壮絶な歴史ロマン。
時代背景は『火怨』→『炎立つ』→『天を衝く』と続く。
格好良い生き方の男達に惚れますよ!涙しますよ!引き込まれますよ!
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後半は思わず泣いた。
創作過多なのかもしれないけれど、違和感なく読めるし、人物が魅力的。
「志」というものが如何に尊く、人間の欲望が如何に醜いか、思い知らされる。
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今まで読んだ本の中で、一番感銘を受けた本。誇り高く生きるとは?永遠につづく時代の流れの中で、自分達の世代が果たすべき役割とは?など、非常に考えさせられる。歴史小説が好きになった、きっかけの本。一冊だけ選べと言われたら、迷わずこの本を推す。
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新規購入ではなく、積読状態のもの。
2010/11/19~11/24
坂上田村麻呂と戦って一歩も引かなかったアテルイ。結末はわかっているのだが、終ってしまうのが惜しい小説。最後が近づくにつれてページをめくりたくなくなる。解説の北上次郎氏も積読本だったらしいが、私もこんなに長い間積読本にしておくのではなかった。
しかし、いつも高橋氏の小説の主人公は格好良すぎるぞ。
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後半は泣きっぱなしでした。
厳しい時代を懸命に生き抜き、最後まで自分を貫いた男たちの最後の生き様。
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奈良時代。蝦夷のアテルイを中心にした、朝廷から東北の大地を守る為の長い年月の戦い。東北出身であるのに、アテルイの名前すらこの小説を読むまで知らなかったことが本当に悔しい。アテルイ・母礼・飛来手・イサシコ等蝦夷たちは本当に格好良く心根がとても好き。上巻から泣き所が多かったが、下巻からはもう涙が止まらない。
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この本はすごい。こんなに熱い涙がこぼれる小説はない。
辺境に住む陸奥の民のお話。自分たちの暮らしや風土を守るために何倍もの兵力を持つ朝廷群と戦う。そのリーダーがアテルイ。
己の欲のためには戦わずすべて民のため。心広く器の大きなまっすぐな男。
この本に出合えてよかった・・・。そんなふうに思える1冊です。
アテルイを支える周りの人たちもとてもいい!
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何故か脳内映像化されるときは母礼は
北○の拳のト○になるんだが、清々しく
生きているはずなのに何故こんなに悲しい
のかを腰を据えて考える必要があると
毎回思う。
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蝦夷の若きリーダーアテルイ×朝廷側の将軍坂上田村麻呂
数々の戦闘シーンが圧巻でした。
高橋克彦さんの手によるヒーローはかっこいいです!
信頼できる仲間達と奇策のかぎりをつくして何倍もの朝廷軍を打ち破る、
最終的には意図的な敗戦を作り出し自分が犠牲になることで次の世代の蝦夷を救おうとする。
ここまできたら次は「炎立つ」でしょう!
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また読んじゃったよ。。。
また泣いちゃったよ。。。
なんでかなー。
熊谷達也の『荒蝦夷』は歴史事実に沿っている気もするが
読んでいる者の心を捉えるのはやはりこちらか。
歴史事象ではなく、物語として深く心に染み入るのだ。
思い出しただけでも泣けてくる。
やっぱしいいなー、この作品。
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幾度かの朝廷との戦いが過ぎ、次にアテルイらに立ちはだかるのは田村麻呂。それまでの将と違い、彼は蝦夷を対等と見る。そに至り、アテルイの心には変化が起こる。
そして誇りは、子へ孫へ。いつか来る、未来に。