続編書いてください、ロミオさん☆
2015/01/29 12:54
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投稿者:ぴよこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
委員長タイプの女子・小早川さんとノリと空気を読んでうまく立ち回りたい主人公(男子)の高校生活奮闘記。集団の恐ろしさとか、空気やノリを重視することの怖さとか、些細なきっかけで標的が変わるとか、あるある!とだれもが思わず頷いてしまうだろう窮屈ででもキラキラしている学校のできごとあれこれが、納得の筆力で描かれている。直接的表現を使わずに「戦う」を表しているのもすごいと思った。そんなこんなを抜きにしても、キャラも魅力的だし、会話も楽しいし、どんどん読み進めたくなる面白さ、展開のうまさ、構成力の高さ。小早川さん素敵でした!続編書いて欲しいです~!
他人に舵を任せるな
2012/01/24 15:26
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
今野高校1年B組に3日遅れてやって来た小早川千尋は、飯嶋直幸に炎の剣を幻視させた。そしてその直感は当たっていた。やる気のない空気が蔓延する教室で、クラス代表を務めることになった彼女は、生徒会などを巻き込み、校則の徹底など、綱紀粛正に乗り出してくる。そして彼女が吐く言葉は苛烈だ。
当然、やる気のないクラスメイトが彼女に協力するわけなどなく、空気に従うことを是としたサボタージュは、小早川さんに過度の負担を強いる結果となった。そんな彼女の副代表として、スパイに送り込まれた飯嶋直幸は、初めて外からクラスを直視して、その問題の大きさを実感する。
こうして彼は彼女に協力することになったのだが、元々、空気を巧みに読んでクラスの海をたゆ立って来た直幸は、千尋の本心を知るため、彼女が匿名で解説しているブログを読みつつ、徐々に彼女との距離を詰めていく。
それはある意味で上手くいくのだが、彼女に接近し、彼女に本気になってしまった直幸には、逆に枷ともなって行く。つまり、本気で千尋とぶつかり合いをすることもなく、彼女のガードをかいくぐるように近づいていってしまったため、本物の信頼が醸成されず、互いの気持ちに温度のずれが出来てしまっていたのだ。
現代の教室に広がる無気力の海に孤高に挑む炎の女戦士と、彼女に恋した氷の魔法使いの活動記録だ。
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前作のAURAとよく似たコンセプトだが前作とは別の視点で書かれたような作品
前作でも書かれていたスクールカーストをメインにさらにねちっこく書いて、そこから学級崩壊に立ち向かうようなお話
中高生あたりは心にヒットしちゃう話なんじゃないだろうか
上手いことクラスという閉鎖された空間の「空気」というものを書ききっている
空気を読む、空気に合わせるということはどういうことで、どういう風に映るのか、そして「空気」はどう変化していくのかを
そんな「空気」を空気をぶった切る方から見た視点で描かれる学園政治物語
じゃなくて学園青春ストーリー
日本人って空気気にしすぎだよね
文章はとてもテンポよくロミオらしく笑わせてすいすいと読ませてくれる
しかし終盤はちょっと駆け足過ぎた感じが否めない
特に最後の無理矢理感は残念
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田中ロミオの新作。自分はキャラクターの内面を繊細に描く作風に胸を打たれてこの作家のファンになったが、本作品は、そのことを改めて思い出させてくれるものになった。陳腐化してしまうことを恐れずに言えば、心理描写が圧倒的に巧い。あとギャグセンスが本当に素晴らしい。本当に!
(あらすじ)高校一年になったばかりの主人公のクラスに、突如現れたスーパーメガネクラス代表、小早川千尋。素材は鉄で出来ているのかというほど頑なな姿勢で、彼女はクラスの堕落を正す。が、それには当然反発が伴う。そこでスパイ(というか小早川さんの手綱係)として派遣されたのが、何でも危なげなくこなす優等生の主人公。しかしそんな主人公をもってしても止まらない小早川改革。クラスの苛立ちは次第に、図らずもクラス副代表となった(押しつけられた)主人公に向かい……やがて、主人公にも苛立ちが募る。
――分かり易く「多数派」を演出し、個別の性善を無差別に塗り潰す『空気』というものに。
まず間違いなく言えるのは、単なる巻き込まれ型ラノベ主人公とはまったく一線を画しているということ。主人公が苦しんでいる葛藤は、おそらく誰もが経験ある身近なもので、感情移入し易い。それを解消するために動く、主人公のある種のパラダイムシフトもしっかり過程が描かれていて、特に中盤以降は一文毎に心を揺さぶられた。小早川さんが弱さを見せる描写などは、『AURA』を彷彿とさせる巧さだった。
テーマがテーマなだけに、高校生の時分に読んでいたら、自分の学生生活も違ったものになっていたかも知れない、と思わずにいられない……衆愚化を強制せしめてくる『空気』というものがいかに打倒すべきものであるか、あの頃の自分を殴り倒してでも言い聞かせたい(実際そんな簡単なものではない、ということはさておき)。
結論として、田中ロミオファンなら大喜びの作品になるのではないかと。少なくとも自分は、"信者"として見事ツボに入った。……あと、主人公に一部『CROSS†CHANNEL』の太一っぽさ(驚いてひょうきん化した時など)を感じたのは自分だけかも。
是非、全国の『空気』構成員と化している学生に読んでもらいたい。授業中くらい静かにしましょう。
最後に、小早川さんがメガネっ娘であるという事実が、ただでさえロミオ信者である自分の作品への評価を、百倍増しにさせたということをここに記しておく(何)。
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2011 9/17読了。WonderGooで購入。
無秩序な空気が支配するクラスに立ち向かう小早川さんと、彼女に魅せられた主人公の話。
・・・田中ロミオは読んでる途中で痛さにいたたまれなくなる小説書かせたら右に出るものがない、ってのは『AURA』でじゅうじゅう承知していたつもりだけど、それにしたってこういうところついてくるか。
悪意なくやる気がない、友人だから強く出られないことと、クラスの秩序を維持して「廃墟」にしないことの間の葛藤とか、生徒会とかの集まりに出て別の集団の異様さに気づくこととか、小早川さんタイプがいっぱい集まった部屋の雰囲気とか、なんか色々「あああああ」ってなる。
AURAが厨二の自分をえぐり込むような話なら、昔学生組織とかにいた人を七転八倒させそうなのが小早川さん。
別に自分はこんな風に厳格ではなかったし、炎の剣も氷の剣も手に入れられなかったけどね。
ためこんでためこんでためこんで、最後にスカっとしたんだけどまだなんかわだかまって、ああー、ロミオの小説は体力使うけど面白いなあ。
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学級崩壊のリアルな描写など深刻な内容なのに笑いが取れるって凄い事だと思う。小早川さんウザ可愛い。
田中ロミオ氏はその出力をライトノベル方面では抑え気味(でも時々隠されたエンジンパワーが漏れ出てる)だったが、今回はかなり抑えていない。最後がちょっと省略気味なのはAURAの時もそうだったけど、そんな少々の傷も作品の骨格を揺るがしはしない。
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ころころ変わる展開がシームレスにつながってるのは、やはり筆力がなせる業だろうか。面白かった。
ただ、感情移入できるかと言えば、そうでもないシーンもあったなあ。
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前作とストーリー構成は同じで、
起承転結がはっきりしている。
転が過剰に痛々しいのも同じ。
結がそれまでの流れブッチギリで
ハイエンドハッピーエンドなのも。
ちと、ご都合臭がw
でもおもしろかったから、All OK!
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ありがちなプロットの作品ではあると思うが、中盤までは面白かった。
後半は展開がいきなりすぎてよくわからん。
勢いだけで話を進めているかのような感が否めない。
ちと残念ではある。
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うん。面白かった。最近の学園ものラノベは全く読んでないから比較しようがないけど、これは王道っぽくていいんじゃないかなって。9回裏2アウト満塁でホームラン打つんでしょ?ほら、行ったー。みたいな。
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空気という言葉はびっくりするくらい便利なんですが、ときに恐ろしい力を発揮するものです。学生時代は特に。
そんな空気のなか上手く立ち振る舞ってやろうという気持ちは誰しも持っているものだと思います。
当時、空気をあまり読めていなかった側の人間としては、AURA同様、読んでいて内臓を揺さぶられるような感覚が、良くも悪くもたまりません。
こういう描写が本当に関心するくらい上手いですね。
AURAが好きな人はぜひ。
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安心のロミオ節。ロミオ作品にしてはとても真っ当な学園ものに思えた。真っ当でありながら歪んでいる、のではなく、歪んでいるように見えて実は誰も歪んでいないという。ごく普通の人達の話。しかし、それでもこの見せ方は本当に上手いなぁと感じてしまう。
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ひさびさにラノベ。無秩序で無気力で刹那的な教室の『空気』に立ち向かう女子高生・小早川さんと、それを何げに観察する主人公の少年。その目的は…。
物語的には前半の面白さに比べ、後半が若干スピードアップし過ぎてついていけない感じ?。「青臭い」部分を中2病的と切り捨ててしまえばそれだけだけど、しらけて「ただなんとなく」過ごす高校時代、その時間に対する危機感というのは分かる気がする。特に自分のように年取ってから振り返ると、「何やってたんだか」って感じ。もっと有効利用すべきだったんだろうと思うのだが、それもまた年取ったから分かることで、当時はどうしようもないよな、と身悶える1冊でした
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全て遠き理想郷
アヴァロンと読むのは型月だったか。
最初読んだ時は妄想系の厨二炸裂な話かと思いきや、まじめな話であった。
ただ、現実はこんなにうまくは。。。
つまり、リア充爆発しろ、ということですな。
ううむ、正直、確かに楽に読めるし、話の組み立てもわかりやすいんだが、いかんせん、いろいろと痛い話ではあった。
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子どもの頃、空気は吸って吐いていればよかったものだが
大人になるにつれて空気を読み、それに合わせるスキルが必要になってくる。周りの空気に同調しないできそこないのカメレオンは非難の的となり、最悪生きたまま殺される。
そんな厄介な「空気」をテーマにしたちょっぴり苦い青春物語。
私は田中ロミオが大好きだが、今回の感想は少し辛め。
このテーマをラノべでやる必要がなかった気がする。というのもキャラクターを前面に出すことがテーマを希薄化させてしまっているように思えたからだ。キャラクターありきのラノべではそぐわなかったのではないかと思う。
もしかしたら2回3回読むうちに印象が変わるかもしれないが、ここには一回目の感想を記しておく。
また、空気をテーマにするのだったら空気の脅威をもっと強調し、過激な文章をガンガン書いた方がいいと思う。この手の話を得意とする作家に重松清がいるが、重松清にはない田中ロミオの視点で「空気」というテーマをもっと掘り下げてほしかった。
しかし田中ロミオが描く主人公は毎回魅力的である。立ち回り、心理描写、オシャレ発言等はもう流石としかいいようがない。