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紙の本

米国追随は時代遅れ

2009/09/15 00:31

6人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:りっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者はオバマさんと同じ年の文学者。「アングロサクソンが世界を牛耳るようになって、ちょうど四〇〇年。歴史を振り返ると、帝国の寿命は約四〇〇年である。漢も四〇〇年で末期症状を迎え、三国志の時代になった。私は経済学者でも政治学者でもなく、歴史を多少かじった文学者に過ぎないが、アメリカ帝国の落日を内部から見つめる機会を得たので、ここに徒然なるままに私が考えたことを綴った」そうだ。大きな視点が、私にはわかりやすい。
「〇九年三月までの九カ月、ニューヨークに暮らしてみて、道路や地下鉄などのインフラが老朽化している現実にはびっくりした。地下鉄の老朽化は著しいし、いつも工事中で、ローカル(鈍行)列車が突然急行に変わってしまうのは日常茶飯。大雨が降るとすぐ水びたしになり、鼠がウロチョロしている状態だ。マンハッタンに架かっている橋はどれもボロボロで、錆びていたり、ボルトが緩んでいたりする。地震が起こる可能性はないからいいものの、強度は相当低いレベルだ。車道も歩道もデコボコだらけだ。アメリカのインフラ整備は失業対策のための大規模公共事業を立ち上げる必要がある危機の時期にこそ行われるべきだろう」
 ウーン、アメリカってなるほどひどい状態なんだなぁ、というのがわかる。無責任にドル紙幣をじゃんすか印刷して、体面を保っていても、実態はこれほどまでも貧しいのだ。
 アメリカの凋落の原因はもちろんブッシュにある。「結局、アメリカは自らに敵対するイスラム勢力をスパルタ式に育て、鍛えたことになるのではないか」。「中東あるいは中南米の国々の政治的な自立を促し、その地域の指導者を活気づけてしまったではないか」。
 そうかぁ、ソ連もアフガンでこけたんだっけ。「貧者たちの不満が爆発し、アメリカの各州で「ロス暴動」クラスの暴動が連鎖的に多発」「いまのアメリカならば、いつ起こっても不思議ではない」。「アメリカは成功の夢をつぶす国である」現実をどこまで是正できるか。オバマさんがどこまでできるか、むむむ、難しそう。
「モンゴロイド先住民の殺害と建国、独立は分かちがたく結びついており、その記憶を消し去ることはできない」。加害者が被害者からの復習をおそれる。「アメリカ史とは、その恐怖を克服するために同じことを繰り返す「反復強迫」の歴史なのだ」。
「今後の日本の方針として真剣に考えるべきなのは、東アジアにおいてどのポジションにつくか、ということだ」。「対中政策や東アジアの安全保障においても、北朝鮮の拉致問題についても、とりあえずアメリカに仲介を頼むしかない。相変わらず被占領国の政治姿勢である。思いやり予算のような使途も明確でない金を米軍に払い続けることで中国を封じ込めることができるという考えはもう通用しない」、「アメリカの同盟国として、日本は一見他人事として見ているだけのようだが、日本円はアメリカの政策と戦争を支えてきた。自分が払っている税金の何%がアメリカの戦争に使われ、私企業を救うのに使われているのか、計算すれば黙ってはいられない」。
 これまで、どの位、アメリカに貢いでいたのだろうか?
「日米安保によって確保される政治・経済的な同盟関係の下では、何も考えないで済む」「すべてアメリカ政府の決定に従っていればいいという思考停止状態」。その影響が私たちの暮らしにまで・・・
「アメリカには何も文句をいえないので、その反動が中国や韓国に及ぶというような昨今の日本のナショナリズムも日米安保体制の産物ではないか。政治的無関心や危機管理能力の低さなどもそうだ。どうせアメリカの方針に従わなければならない、とか、いざという時にはアメリカに守ってもらうしかない、といった諦念は明らかに戦後の日米関係に起因するものだ」し、「相変わらず日本では自殺が多い。今後はますます増えるに違いない。若者を覆う無気力、死にたいのか生きたいのかよくわからない欝状態。これは、学生運動が盛んだった時代とは根本的に違う。これも、対米従属という国家方針と関係しているだろう」。
 まずはそこから改革だね。
「アメリカ方式が破綻し、次はどうしたらいいか迷っている時、日本は面白くなる」。日本の歴史の転換期なんだね。さて、新政府はどこまでやってくれるのか、期待と不安と合い半ばというところかな。
「やはり、独自の技術を駆使した製造業が衰退すると、その国が空洞化していく感じがする。製造をやめたら消費するしかない。その道をアメリカが歩んできて、最終的な局面では、兵器を作り続け、戦争をし続けるしかないという状態に陥った。産業自体の多様性が失われて、基幹産業である産軍複合体だけを回転させた結果が今の状態だとするならば、もっと健全な平和的産業、たとえば環境悪化を食いとめるための技術を磨き上げるしかないのではないか。浄水や空気清浄の技術などは中国やインドで必要不可欠になってくる」。経済優先で経験した失敗を活かすといいね。公害も先進国だものね、日本は。
「日本文化の良さは、容易にアメリカ化しない、容易に標準化しないというところにある」。「日本では弱肉強食の原理に反することがまかり通るのだ」。「日本とは失われた文化伝統を保存する博物館のような国である。
  その概念はむろん、平和によって担保されることはいうまでもない」。
 いいこと言うなぁ。
「絶対多数の幸福を目指すならば、この国の中に資本原理の彼岸を作り出していくほかない」。すっきりですねぇ。つまりは、
「今後は、明治以来の近代化、西洋化によって失われた文化的多様性の復活が最大の目標になる。その営みは、自然界で絶滅危倶種を保護するとか、動植物の多様性を確保する里山や雑木林を復活させる動きと対応する。また、政治経済のシステムにおいても多様性を確保することこそが国家存続の安全弁になる。またそうすることによって、日本は再生する」。
 輸出産業は大変かもしれないけれど、「日本円に対する信頼度が高いということは、将来的に世界通貨としての潜在価値を秘めているといってもいい」だって。「世界基軸通貨は今後、多様化していく方向に進むのは確実と思われる」。
 「米国追随は時代遅れ」ってことだよ。

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2011/05/22 19:48

投稿元:ブクログ

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2014/03/02 20:27

投稿元:ブクログ

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