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生ける屍の死 みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー123件

みんなの評価3.9

評価内訳

123 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

これぞ王道、これぞ究極

2001/05/29 05:18

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:春都 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 最近では西澤保彦などの登場により、さほど珍しくなくなった「特殊な舞台・環境設定」ものと言えようが、ただミステリのパズル的要素で遊ぶだけで終わらないのが、この作品のすごいところ。

 「死と生」という最も大きなテーマに真っ向から挑み、ミステリというある意味「児戯」が許された世界でしか問うことのできない「比喩でなく、言葉通りの死者から見た死生観」をも含めて考察している。葬儀屋(関係者)だけに、人それぞれ死に対する自分なりの想いが多々あるのだ。
 しかし、だからといってミステリの形態を借りた「死学書」だと思ったら大間違いで、この作品はまごうかたなき極上の「本格ミステリ」なのである。

 物語中にくりかえし語られる様々な死生観。これらが考察のための考察、衒学趣味で終わることなく真相に密接に絡んでくる。

 本来のミステリであれば生者の思考形態だけ類推すればいいのだが、「生ける屍」が関わってくる殺人では、死者がどう感じどう行動するのかまで読まなければいけない。つまり従来の思考では解を導きだすことのできない動機=ホワイダニットなのである。

 また、屍とはいえ生きているわけで、見た目には他の生者と変わらない。つまりここにもまたひとつ「誰が死んでいるのか」という馬鹿げた謎が読者の前に現れてくる。とんでもないフーダニットを用意したものだ。

 作品をつらぬく一番の謎は「死者の甦る世界で殺人を犯す意味はあるのか?」であろう。人はなぜ殺人をするのか、それは被害者の息の根を止めることで安心感や優越感などを得るためであり、その前提(死)が崩れたときには全く意味をなさない。逆に自らに危険さえ及ぶだろう。
 しかし山口雅也はこの大いなるパラドックス(矛盾)に着地点を与え(しかも2つの方向から)、論理によって見事なまでに腑に落ちる解決を用意するのである。もちろん伏線は充分すぎるほど張られている。

 最後に僕も、文庫解説での法月倫太郎氏にならい、この作品に以下の賛辞を送りたい。
 「これぞミステリの王道だ!」

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紙の本

山口雅也の最高傑作!!

2001/03/04 15:39

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:太田コロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 極上の推理小説は二者に分類されると思う。前者は見事な推理トリックを見せつけ読者を驚嘆させるもの。後者は小説として見事で、推理トリックもすばらしいがそれ以上に読ませ、読者を感動させるものである。推理トリックが出尽くしてしまった感のある、今日では古典的名作に及ぶようなトリックで読者を魅了させるようなの作品は皆無になりつつある。この作品はいうまでもなく後者に属す名品である。
 この書では、死者の探偵、死者の被害者、死者の容疑者が登場し滑稽とも思えるドタバタ劇が演じられる。死者がよみがえるという事実により殺人という行為が意味をなさなくなるという構図は、ミステリーそのものに問題を提起し、推理という枠組みをひっくり返すことに成功している。
 そして、随所にちりばめられた「死」への言及と考察が死というものは何であるのか改めて読者に問うという形式を持っている。再読に値する観点から見てば、この作品は素晴らしく、推理だけとってみても非常に面白い作品である。

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紙の本

登場人物がきらい

2014/07/10 13:15

2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る

あくまでも個人的感想です。死を生業とする葬儀屋で起こる殺人事件と、生ける屍の少年探偵。発想はユニークで、死と生を考えさせられる内容は面白いのですが、ミステリー小説としてはドタバタ調で、のめり込めませんでした。ゾンビ探偵ありきで設定されたパンク少年、相棒になる少女にもキュートさはなく、登場人物に面白み、良さがありません。このミステリーが本当にすごいの??あくまでも個人的感想です・・・。本当は星2つ

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紙の本

謎解きだけでは小説ではない!

2001/08/26 11:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:すずき - この投稿者のレビュー一覧を見る

 現在のミステリーブームで、本格を初めとする作品が量産されていますが、読んだ感想がすごいトリックだったというのでは、小説としてお粗末だ。しかし、本書はミステリーの前に小説であると断言できる。
 誰もがさける事のできない死のテーマが作品を貫いていて不気味。死に悩む人たちの思惑がそれぞれ入り乱れて事件は複雑化していく。
 私は子供の時からいつも、死が恐かった。今でも私もいつか死ぬ事があるんだと実感する時、不安で不安で眠れなくなる。人やペットが死ぬのを見るもの恐い。
 何故たかが心臓が止まっただけで人は物を考えられなくなってしまうのだろう。本書を読んでも答は得られなかったが、何かが分かったような気になった。よけいに考える事が増えただけかもしれないけれど、落ち込んだ時など本棚から取り出しては何度も読んでいると、何となく心が落ち着く気がする。

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紙の本

こんなミステリはじめて!

2001/12/29 19:18

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヒイロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今、アメリカ中で不可解な「死者の蘇り事件」が頻発していた。この怪現象の中、ニューイングランドの片田舎トゥームズヴィルの「スマイル霊園」で殺人者の魔の手が伸びようとしていた。主人公のパンク少年グリンは、自らも死に、そして蘇ってしまう。殺されても蘇る被害者、果たしてこの不可解極まる状況で、グリンは真相をつかむことができるのだろうか?

 読む前は、重厚長大な作品のイメージがありましたが、読んでみると意外にもお手軽に読めてしまった感じがします。途中、若干疲れてしまった部分があったのは否めませんが。

 内容は、文句なしに面白かったです。 「死者が蘇る世界」という特殊設定が詳細に作り込まれており、全く違和感を感じさせないのがすごいです。果たしてどんな結末になるんだろう? とドキドキしてましたが、最終的には仰天することができ、満足です。年に何作か、このような作品と出会えるのが理想ですね。

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紙の本

深い

2016/01/24 19:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヴァン - この投稿者のレビュー一覧を見る

いわゆる特殊状況下での殺人をテーマとした作品。
この作品における特殊条件とは、表題からも分かるように
「死者がよみがえる可能性がある」という条件である。
死が終わりではなくなった世界における
殺人の意義とは?動機とは?被害者・犯人・目撃者とは?探偵とは?証拠とは?
今までの常識では解けない謎がそこにはあった。
「死」に対する自分の認識も再考察させられる作品。

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紙の本

やがて迎える死に向けて。

2003/07/12 02:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:purple28 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 生きとし生ける者、全てが必ず迎える“死”。
 肉体は朽ち果て、器を失った魂はいずこへか…。
 いずれは迎える終焉。
 もし、そのときが訪れなかったとしたならば。

 医学的に死が認められた“死体”が、生きているときと何ら変わりなく思考し、行動する世界。人知の理解を超えたその中で、殺人が起こる。
 人は死んだら終わり。the end。
 病に侵され予感する死。不慮の事故で瞬時に悟る死。いきなり他人に強制終了された死。いずれにおいても、過程は違えども最終型はみな同じ。同じはずだったのに。
 死者が生きていた頃と同じ思考と記憶を持って甦ったなら、その世界における“他人の死”もしくは“自分の死”とはいったい何を意味するのか。

 キーワードは“死生観”。

 前々から噂は聞いていたものの、実際読みはじめると、苦しかった。このストーリーはどこへ行きたがっているのか。理解するのに少し時間がかかった。
 けれど、後半。
 かけ違えたボタンを1つ直すと、みるみるうちにその“姿”が見えてくる。そこへ辿り着くまでの道のりの長さは、自分の理解力の欠如だと実感する。
 目の前にあるものを、ありのままにしか見られない自分。与えられたものだけで満足する生活にどっぷり浸かり、自ら思考することを忘れている自分。
 真実を求める前に、自分なりの考えを持つこと。それを根気強く組み立てていくことで、今まで見えなかったものが見えてくる。そんな当たり前のこと、と頭で理解していても、実際自分でやってみると案外できない。

 “死”について考えること。すなわち、“生”に貪欲であること。
 今自分が生きている世界では、死者は甦られない。ならば、今自分ができることは、死を迎えるとき、思い残すことはないと言い切れるような人生を送ることだと、私は思う。

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紙の本

本格ミステリの殿堂

2002/04/04 15:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:真  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者のほかの作品と同じく、非日常的な異世界を構築して、そこだけで通用するロジックを使い、ミステリを成立させた作品。本作では、「死人が生き返る」というとんでもない世界、とうてい論理など成り立たないような世界の中で、ガチガチの本格ミステリを完成させている。いわば本格ミステリの定型を破りながら、徹底的に本格ミステリにこだわった作品。そういう意味では読者を選ぶ話かもしれないけど、この屈折した世界観が好きな人にはたまらない作品だと思う。著者の作品をまだ読んだことのない人は、まず「キッド・ピストルズ」シリーズなどでヤマグチ・ワールドにふれてみてはいかかがでしょう。

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紙の本

本格ミステリベスト100堂々の1位

2001/01/19 16:26

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投稿者:松内ききょう - この投稿者のレビュー一覧を見る

 死者がよみがえる。とあるアメリカの片田舎で起きた怪現象。頭を割られても、刺されても、とにかくどうにも生き返る。そんな異常現象の中、町でも名の知れ渡る霊園で殺人事件が起こった。途中自らも殺されてしまった主人公グリンは、自身の黄泉返りを隠しつつ事件の真相に迫るのだが…。

 探偵役である主人公が物語中盤で死ぬという設定の大胆さといい、死者が蘇ると堂々と表記しながら本格推理として真っ向からの論理勝負へ流す展開といい、作者の独創性が迸る作品。死者が蘇るという、一見明らかに本格推理のルールを無視している設定において、作者と読者に示されたルール上であれば本格推理は成立する、ということを証明した、ある意味これ以上の本格はないというくらいの本格推理小説である。
 舞台がアメリカということや、カタカナ名前の登場人物達に気後れして、長いこと触れずに来たのは本当に惜しいことをした。一旦読み始めればそんなことは些末なことと忘れるほどに、著者の筆運びは巧みであり、次から次へと出てくる新しい登場人物もきちんと読み分けられる。それにしても「主人公が途中で死ぬ」という情報を持って読んだというのに、あくまで推理小説として読み進めている中で、やはり主人公に途中で死なれてしまうときのあの衝撃といったらない。この錯覚的なパラレルワールドの魅力は、読んだ人が他者にこの本を薦めるときの書評も考慮に入れた上での、作者の大マジックという他ないのではないだろうか。本格推理の至高のルールを知る上で、何としても読んでおかなくてはいけない作品だと思う。

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紙の本

トリックは斬新

2018/12/31 19:47

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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る

うーんちょっと合わなかったかなぁという印象。深く、難しく、そして何よりも長すぎる印象。蘇る死者を使ったトリックは斬新で良かったのですが、聖書やら言われても知らんし。ちょっとついていくのに肩が凝ったので、次はもう少し気楽なミステリーが読みたいかなぁ。

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紙の本

編集部コメント

2003/06/09 18:14

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投稿者:東京創元社編集部 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ニューイングランドの片田舎で死者が相次いで甦った!この怪現象の中、霊園経営者一族の上に殺人者の魔手が伸びる。死んだ筈の人間が生き還ってくる状況下で展開される殺人劇の必然性とは何なのか?自らも死者となったことを隠しつつ事件を追うパンク探偵グリンは、果たして肉体が崩壊するまでに真相を手に入れることができるか?『このミステリーがすごい!』で、過去10年のベスト1位に選ばれた、本格ミステリの大傑作。

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2004/10/06 13:45

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2004/10/31 22:56

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2004/11/06 22:33

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2004/11/22 00:38

投稿元:ブクログ

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