ヤクザを通して見た原発
2012/01/24 02:55
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アイロンはコードレス - この投稿者のレビュー一覧を見る
3.11以降、原発に関する本は数多く出版された。この本の原発に対する切り口は「ヤクザ」。というのも、著者はもともと、ヤクザについての専門家ライターなのだ。
物書きとしての素性を隠して、原発に潜入しつつ、原発とヤクザがどう関係しているのか、取材を進める。その取材の過程で出てくるエピソードは文句なしに面白い。だからどんどん読める。原発とヤクザ、どちらも、必要とされながら、世間からはタブー視されている。案外、根っこは同じなのかもしれない。
ヤクザにとっての原発とは何か、他の原発本とはちょっと違う視点で語られており、興味深い。潜入中に撮影した写真も貴重、文章ともども、重要な資料である。
福島原発での作業員たちの姿を描いた作品
2012/01/24 07:42
8人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:REMON - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際に福島原発に行って働いて来た内容を克明にリアルに描いた作品です。原発作業員の生の声は報道などで語られることも少なく貴重な作品だと思います。
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著者の鈴木智彦はヤクザをシノギとする、というかヤクザ専門ライターとして「潜入ルポ ヤクザの修羅場」や「ヤクザ1000人に会いました」などの著書で興味深いその筋の世界を描いている。その鈴木が今回選んだテーマは原発で、ヤクザやその関連企業がどのように原発村に食い込んでいるのかの実態を探るべく福島原発が事故を起こした直後から原発作業員としての仕事を探し、そして福島第一(通称「1F」)に作業員として入り込むことから始まる。
昨今の法律で暴力団関連企業との取引を厳しく締め出そうとしているが、取締りの実態は「西高東低」で特に福島を始めとする東北では殆ど手付かずと言う。暴力団関係者が役員に名を連ねる「無防備」な企業でさえもが地元の血縁・地縁をベースに地域の一部となっているので排除はされていないし、非常事態にある福島では作業への影響を考慮すると排除することも叶わない。取材・現場仕事を通じて背中に彫り物のあったり、自ら代紋をちらつかせる人間を多数居ることを指摘しているが、決定的な証拠などは本書のなかでは明かされては居ないのでやや食い足りなさがある。
但し、ヤクザの関わりそのものよりも本書の一番の読み応え部分は原発作業員と作業環境の実態部分のレポートだ。
「福島50」と持てはやされている作業員の一人への取材では、「日本を救う」「尊敬する社長のため」死をも厭わず現場作業へ志願した人間の不思議なまでの「高揚感」に戸惑いを覚える一方で、取材のためと言いながら渦中の1Fに飛び込む直前には自らの心に同じような「高揚感」が湧いてきたと告白している。
酷暑のなかで現場作業は熱射病の初期症状が出たり辛かった一方で、心配した被曝のほうは約一カ月間で放射線管理手帳上では2ミリシーベルト、自身が持ちこんでいた線量計では0.76ミリシーベルトだったと。しかしながら後日取材を続けると問題は空間線量ではなく「汚染」だというのだ。一旦地面に落ちた放射性物質は風が吹いたり車が通るたびに舞上がりそれを吸うことで大量の内部被曝をしてしまうと言うのだ。事故前の1Fでは汚染リミットは最大で180カウント(180cpm=3bq)だったが、実際の作業環境では平時の100倍強である数万カウントまで上がっているという。従って放射線のプロは怖がって誰も行かないので、現場の放射線管理者は素人をにわか教育で送り出しているのだと。
そして福島第二の建屋内の汚染が異常なまでに高い、原子炉を設置する台座部に水が溜まっているとの情報もあるようだ。取材に対して東電は口をつぐんでいるようだが、ひょっとすると第二までもが地震により配管や原子炉に損傷があるのかも知れない。
図らずもヤクザの取材に行って原発の言うに言われ得ぬ深い闇を覗いてしまったようだ。
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ちょっとどぎつい帯と表紙かも知れないが、渾身のルポ。
現場のリアルな実作業、放射能より怖い熱中症とか生々しい作業現場も見ものだが、これを読めば原発が無くならない・無くてはならない人たちがいるという事実も分かる。
見て見ぬ振りが可能なヤクザさんも含めた共同体、そして原発が生活のために必要な人たち(実際、大半の作業員が東電批判をしていない)、この現実は残念ながら変わらないので、減原発の流れに持っていくのが精いっぱいなところだと思う。
個人的にはヤクザさんにはこれからの解体ビジネスに、これは本当にいい意味で貢献してくれることを期待したい。
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3.11の震災後、様々な地震・原発関連の本を読んできたが、この本はまた異色。筆者渾身の潜入ルポは、ありのままの福島第一原発の姿を映し出している。語り口はやわらかいが、内容はかなり深刻。こうした状況で本当に福島第一原発は大丈夫なのかと真剣に不安をかきたてられた。
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おどろおどろしいタイトルがついているが、語り口は軽妙。しかし書かれている内容は、やはり恐ろしい。オビにも書かれている通り、命懸けのノンフィクションだ。
本書は、福島第一原発に作業員として潜入し、その内部の実態を明らかにしたルポルタージュである。メインは福島第一原発への潜入取材なのだが、その入口と出口の取材相手として暴力団が鎮座する。表社会と裏社会は、文字通りの表裏一体。それらが接する界面のような場所が、本書で描かれている世界だ。
著者は暴力団専門ライターとしても名高い、鈴木 智彦氏。きっかけは、暴力団の取材中における何気ない世間話だ。「原発は儲かる。堅いシノギだな。」そんな一言に興味をもった著者は、福島第一原発・通称1Fで働くことを決意する。しかし、ここからが大変だ。
簡単には作業員になれないので、暴力団の伝手を頼りに就職活動を行うことからスタート。とある割烹料理屋で、5次請けの企業に就職が決まる。決め手となったやり取りは、「命懸けられるっすか?」「死んでもがたがた言わないと誓約書に書きます。」というもの。炉心周りを得意とする会社で、日当は1万5千円〜2万円程度。危険度が全く考慮されていない安さに、著者も戸惑いを隠しきれない。
就職後すぐに行わなければならないのは、放管手帳の申請だ。これは、原発の敷地内に立ち入るためには、放管手帳の所持が義務付けられていることによるものである。続いて、サーベイメーターを購入。いわゆる放射線測定装置の一種で、被曝量を測るための機械だ。こちらのお値段、約36万円。
また、事前取材を重ねながら決心したのが、造血幹細胞の採取である。造血幹細胞とは、血液の細胞を造る際のおおもととなる細胞のことだ。前もって自分の造血幹細胞を採って、保存しておくのである。もちろん良い事ばかりではないのだが、もしもの事故の時は溶かしてすぐに使えるし、もともと自分自身の細胞のため拒絶反応の心配がなく、よけいな薬も使わないですむという。こちらのお値段、約10万円。
当初はすぐに1Fで働けるはずだったのだが、予定が延び延びになり待つこと2ヶ月。ついに著者は1Fに潜入することに成功する。ここから一気にトーンが緊迫すると思いきや、一見ノーテンキにも思える記述が入り混じる。
まず勤務初日、目が覚めたのは出発の5分前だ。しかも、行きがけのバスで聴いたAKBの歌を熱唱しながら床を掃き、「ふざけない!」と同僚から叱咤される始末。あげくに尿意を我慢しきれず、初勤務で失禁するという失態も犯す。ここら辺の記述は、完全に一介の作業員による視点である。しかし、全体像の見えぬ情報弱者としての立ち位置は、ジャーナリストや専門家のものとは一線を画す書き味で新鮮だ。
作業員にとって死に直結する危険は放射能ではなく、熱中症と交通事故であるそうだ。特に熱中症は8月という時期もあり、体中が火照りという言葉を遥かに超えた熱を持つという。それなのに、もしマスクを外せば会社の責任者が叱られる。どんな場面であれ、マスクを外すのは法令違反、違反行為となるためだ。
そんな状況の中で著者が見たものは、オールジャパンに��そぐわない作業員格差というものだ。誰もが気軽に「もう駄目です」とギブアップできる雰囲気がないために、熱中症にかかる作業員は頻発。それでも下請作業員が不満を口にすることはない。原発を生活の糧としていない作業員ならともかく、5次請け、6次請け、7次請けの作業員にとっての恐怖は、仕事を失うことだからだ。工程表通りに作業を進める。が、無理はするな。完全なる矛盾の上に現場が成り立っているというのが実態だ。
本書の論調で特徴的なのは、原発や暴力団そのものについては、是も非も論じられていないということだ。むしろその矛先は、タブーを生み出す空気のようなものに向けられている。語られているのは、理想や未来ではなく、どこまでもリアルな現実なのだ。実際に、著者自身もそのようなタブ―が生み出す情報の曖昧さによって、その身を危険に晒されている。
原発内部とは、明らかに危険で百パーセント確実に被曝する場所だ。そして、大量被曝すれば高確率で死に至る危険性もある。その被爆の指標となるのがシーベルトと呼ばれる線量であり、本書においても原発内部で数値を計測するシーンが何度も登場する。しかし、実際は線量よりも汚染度の方が問題が大きいということを、著者は後から知ることになるのだ。多くの人はシーベルトに気を取られ過ぎであると、著者は警鐘を鳴らす。そして、本書に掲載されている写真の一枚一枚は、そんなリスクを侵したうえで、作業の合間に腕時計型カメラを使い撮影されたものなのである。
また、ヤクザと原発が結び付く背景の分析にも余念がない。かつてヤクザの分類に博徒系、的屋系などと並んで、「炭坑暴力団」という項目が存在していた。暴力という原始的、かつ実効性の高い手段は、国策としてのエネルギー政策と常にセットとして昔から存在しており、原発への関与もその系譜の中に位置するものなのだ。
さらに、このような話は原発だけに留まるものではないということも明かされる。火力でも水力でも原子力でも、その手法は変わらないのだという。民間の工場はどんどん海外に進出し、大手メーカー、製造業のほとんどは、人件費の安い国に工場を新設するようになっている。そんな時代における、たった一つの例外が発電所だ。こればかりは、海外で作るわけにいかないということなのである。
本書で描かれていることは、光の当て方の一つに過ぎないという側面もあるだろう。しかし突きつけられているのは、僕たちの暮らしを煌々と照らしだす電気が、どこまでも深い闇の中から生まれているという現実だ。
そして、それが簡単には表に出てこないという構造自体にも問題があるだろう。たしかに暴力団や放射能は怖い。しかし、事実を知らないということは、もっと怖いことでもある。光は闇より出でて、闇より暗し。
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原子力発電所の潜入ルポが中心ながら、そこに入るまで、発電所と地域との関係なども丁寧に書いてくれている。
筆者独特のブラックユーモアが個人的にハマり、専門用語が頻出する作品ながらも一気に読むことができた。
正直、自分の中でも原発に対する考え方がまとまっていないため、評論的な感想文は避けたい。が、一つ思うことは鈴木智彦(筆者)のように実名をさらけ出し、こういう作品を世に出す人が絶対に必要だということ。
とりあえずここで書けることはそれくらいか。
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東北の古き良きムラ社会が原発のタブーを強化し、かつ暴力団の最後の楽園になるのか。不用意に外部から恐怖と好奇心で書き立てるのではなく、原発も暴力団も内部から見るとだいぶ見え方が変わる。暴力団が瓦礫撤去で公共事業を孫請けしてるとか、断片的な報道はあったけど、根本はそもそも原発の立地段階からの話だったのね。造血幹細胞の自己ドナー1号になった話も途中に。
かなり真実味のあるルポだけに、『ネット辞書のWiki』という引用は残念…フリー百科事典のWikipedia、と呼んであげてください…
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3月11日から続く原発の問題。ニュースなり、新聞なり、学者の話なりでたくさんのことを見たり聞いたりしてきたが、現場に実際に入って取材したルポである本書は改めて今回の問題の「深さ」をうかがい知ることができた。どこまでが事実で、どこまでが非事実なのか境界はわからないが、「原発」という問題が単なる「安全」だけでなりたつものではないことも改めて分かった。
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「ヤクザと原発」というタイトルに惹かれて読んでみた。
著者の鈴木智彦氏は、暴力団専門ライターで、
「ヤクザ1000人に会いました」という本もお書きになった方。
福島第一原発事故が起きる数年前、
原発近くで行われた地元の祭りで暴力団の親分に「原発は儲かるどでかいシノギだ」という話を聞いたり、
3.11の震災直後、暴力団関係者といっしょに被災地支援をしたりしながら、
ヤクザと原発のつながりについてウラをとろうと考えた鈴木智彦氏は、
ついに本丸に突入。
なんと、原発の協力企業のひとつに現場作業員として就職して、
福島第一原発(1F)に潜入、
1ヶ月にわたって働いた記録が本書。
マスコミ報道されない事実が次から次へと明らかにされる貴重なレポだけど、
鈴木智彦氏はきっと見たことの一部しか書いていないんだろうなと思うと、
現場がどんな修羅場か想像もつかない。
今の福島第一原発の全体像を把握している人が、
おそらく日本中さがしてもごく少数しかいないらしいことや、
現場で作業をしているのは鈴木智彦氏のような現場作業員だけで、
東電の社員はほとんどみかけないこと、
現場作業員の健康管理はほとんど形だけで、
世論がこわいから線量の管理を厳しくしているようにみせかけてはいるけれど、
実際はごまかしだらけで、
作業員の被ばくは見て見ぬふりがされ、
また、除染しないままの車両などを通して日本中に汚染が広がっていることなど、
驚愕の事実を次々つきつけられても、
全部、事実なんだろうなあと思うので驚きもしないけど、
事故後、半年たってこの状態なのだから、
これからまだまだ状況は悪くなるのだろうと思うとすごく重苦しい気分になる。
潜入して鈴木智彦氏が実際に見たり聞いたりした部分のレポがすごくおもしろくて(臨場感あふれるという意味)、
ページ数もほとんどそこに割かれている一方、
肝心のヤクザと原発のつながりについては、
潜入したからといって、特に新たな事実がわかったわけではないらく、
その部分のボリュームは薄い。
これからヤクザ側の取材を重ねて、
続編をお書きになるんじゃないでしょうか?
原発潜入レポといえば、
[asin:4768456596:detail]
「原発ジプシー」で読んだのと同じような光景が、
「ヤクザと原発」でも広がっていて、
すごい既視感を覚えるんだけど、
原発自体が古くなっているのと、
事故でめちゃめちゃになったこと、
それに、東電自体がパニックを起こしていて、
平時にはお題目のように唱えられていた「原発は絶対安全です」という言葉が発せられなくなった分、
もちろん悲惨さは増している。
原発に賛成とか反対とかじゃなくて、
原発って人間の手に負えないんだっ���いうことを知るために、
この本に書かれている事実は知らなきゃダメだと思う。
「実話時代」でお書きになってる極道ライターの鈴木智彦氏の文章ですから、
大変に読みやすく、臨場感にあふれています。
ぜひ、お読みになることをおすすめします。
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鈴木智彦『ヤクザと原発ー福島第一潜入記』を読む。
著者はヤクザ専門誌「実話時代BULL」編集長を経て
フリージャーナリスト。
暴力団幹部らに協力してもらい福島第一原発作業員として
内部に入り込む。現場からの迫真ルポである。
帯にこうある。
「原発はタブーの宝庫。だからオレらが儲かる」
(某地方の暴力団組長)
情報の隠蔽、データの改竄、
政治家や東電など大企業の行動・発言。
福島第一作業員の視点で原発問題の細部に光を当てる。
ヤクザと原発、ふたつのタブーが交差する現場であり、
あまたある報道で鈴木の視点は他にない視点である。
あるとき鈴木の身元が割れ解雇されルポは終わる。
エピローグで鈴木は語る。
確かに現場に潜入することで
これまで分からなかった細部はある程度分かった。
けれども、原発問題全体を覆う霧は晴れることがなかった。
真実をつかんでいるのは
ごく一握りの人間であるという結論である。
限られた情報源だけに頼って思考し行動することは危険だ。
現場で思考する鈴木の視点は貴重である。
世界は解読されることを待っているが、
解読する意志のない者には永遠にその姿を見せない。
MITメディアラボ石井裕副所長の講義を聴く機会があり、
あらためてそのことを確信した。
鈴木と文藝春秋の仕事に敬意を払いたい。
(文中敬称略)
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福島第一原発への潜入ルポ。できたて。
ジャーナリストとて取材のために原発作業員となり実際に勤務している。
潜入の成果としてスクープにあたるような情報はないが、FUKUSHIMA 50と称された作業員をはじめ、現場で働く人、周辺で働く人たちのナマの声を聞くことによって、他ではうかがえない様子が伝わってくる。
原発なんて複雑高度なものは現地にいったって理解できない。しかしそこで何が起こっているのかはネットで探したってみつからない。
取材のために身体をはる根性はすごいと思う。日頃から暴力団を取材していることによって恐怖への耐性が強い(鈍い?!)のは事実だろうな。
原発とヤクザとの関連性は、人夫の調達に関わっていることや建設にあたって地域のまとめ役になっていることなど。シノギとしては他の土建と同様で、特筆するところではなさそうである。
潜入の内容よりも東電関係者やプラントメーカーの人の話のほうが、事態はまだ収束していないと実感させられてゾッとする。
冷温停止状態の発表などはおいといて、これ以上の事故が起こらないように政府・東電・メーカーには全力を尽くしていただきたい。
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どこかの書評を見て読んでみた。ヤクザ取材の専門家が、原発とヤクザの繋がりを確認するためにも、原発で働く体験記。メディアで言われていることとの相違も多く、おもしろい。現場は、思っていた以上に過酷な環境で、思っていた以上にいい加減。原発での体験もおもしろいが、ヤクザを取材対象としてつき合っている作者の言動、行動もおもしろい。
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終章にヤクザと原発及び地方都市との繋がり、そして原発内で行われている放射線量測定の嘘、放射線量より放射能汚染の方が問題であることなど筆者の言いたい事が集約して書かれている。この本を読んだだけでは、原発問題の深刻さ、何が正しい情報なのか?は分からない。ただ少なくとも原発に対し、身構え、良く考えてみようというという気にさせらてる。
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うちの参謀殿の愛読書、「ヤクザ1000人に聞きました」の著者の最新刊、ヤクザと原発、耳で立ち読み程度で読みましたが、壮絶な潜入レポートだった。
スパイか⁉と思える道具で決死の覚悟での取材。
スポンサーに縛られ、内規だ何だと言い訳をして本来の「真実を伝える」責務を忘れているマスゴミには伝えられない熱を感じるし、これこそが真のジャーナリズムと考える。
暴対条例で排除や弱体化に動いているが「ヤミの仕事」を遂行してきたヤクザと日本社会は積極的に切るべきなのか?必要悪もあるかと考える一冊
著者だけではなく作業員の方々の「犠牲の上に成り立つ○○」には本当に感謝だし、恐れ入る。