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凄まじい漆黒の世界だった。
黒と無機質な金属でできた世界。そんなイメージ。
巻末で有栖川先生が書かれていたけれど、4年前に描かれたこの世界は今でも色褪せず、むしろ現実に起こってしまうのではないか、と、明日テレビを点けたら報道されているのではないか、と錯覚させる。
ミステリアスな女性刑事・クロハ。
彼女の孤独、絶えない傷がまた独特な世界を作っている。
彼女はどこまで漆黒の闇へ傷つきながら落ちていってしまうのか、とどんどん読み進めてしまった。
最後の最後に小さな光が射し込んで。
小さな小さな光は、とてつもなく強大な生を感じさせた。
涙が溢れてしまった。
すぐにでも次回作を読みたいと思った。
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日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作
埋め立て地に置かれた冷凍コンテナから14人の凍死体が発見されたことから始まります。女性刑事のクロハが主人公で話が進んでいきます。ちょっと気になったのが、いつも話の中の天気は雨模様で、登場人物の名前は片仮名で書かれていることです。これがこの作品の雰囲気をより作っているのかもしれません。
今まで読んだミステリーとは事件や真相がちょっと違う種類のような気がして、二転三転するところもありましたが一気に読むことができ面白かったです。
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電車読み用の本が切れてしまったので、ブックオフの105円コーナーで捕獲。あらすじに惹かれて購入したのだが、期待を裏切らない内容ではあった。(多分)貼った伏線の解き忘れや、意外性のなさ等はあるが、統一された雰囲気のなかで進んでいく物語は飽きさせない。WEB上での犯罪小説、警察小説としてもよく描かれている。主人公の過去のすべてを明らかにしないのも心憎い。
ただラストの、登場人物の説明なしの不死身性はどうだろうか。
次作も読んでみます。
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3+
さあこれからと本を開き読み始めるとき、文字の大きさのせいか、余裕のある行間のせいか、アハハ、アハハと沢山目に飛び込んできて何かの冗談かと思ったが、よく見たらいくつかの“アゲハ”を空目していたのだと気付く。そんな人名カタカナ表記やクセのある文体、女主人公の射撃の名手設定あたりがちょっぴりSFチックな雰囲気を醸し出しているが、基本的には主人公が女性刑事である場合によく描かれる諸々を盛り込んだ警察小説。それこそTVの刑事ドラマで観たことがあるようなないような場面がいくつも盛り込まれるのはご愛嬌か。かなり漫画的展開だなとは思いつつも、さほど期待していなかった分そこそこ面白く感じた。所々に差し挟まれる雨の描写に味がある。
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冷凍コンテナから14体の冷死体が発見され、それを女刑事クロハが追っていくという強烈な出だしでしたが、場所が架空の都市で、時代も現在か近未来か曖昧な感じです。起きた事件も突飛ですし、各キャラクター名がカタカナなど、全体的にリアリティーがなく、何か掴みにくい印象でした。題材が魅力的ですし、テンポも良く読み易かっただけに残念です。
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他の作家と一線を画すちょっと風変わりな雰囲気をちりばめながら、事件を描いていて、その事件も記憶に残る変わったもの。面白い
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ハードボイルドな雰囲気は良い。特に廃墟、雨、雑踏とくれば「ブレードランナー」を彷彿とさせてくれて懐かしい。作者もきっと意識してるんだろう。
SNS他を使った電脳空間でのやりとりはちょっと稚拙かな。怖さがあんまし伝わらない上に、とってつけた感のあるところが残念。ここの部分に犯人探しと意外な人物たちの関わり的なキモがあるんだけどなぁ。
クライマックスにかけてスピード感は増すものの、ちょっとダレるとこも残念。まぁ良い意味にも悪い意味にも本家ブレードランナー味は増していくんだけど
シリーズ化しているみたいだが、おいかけるかどうかはちょい保留
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2作目を先に読んでしまって、順番が逆になったけど、こっちの方が良かったように思う。
絶賛ってほどじゃないと思うけど、悪くないです。
2作目の時にも書いたけど、誉田哲也っぽいんだけど、誉田哲也ほどグロくない
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登場人物の名前がカタカナっていうのがなんとなく馴染めなくて読み始めは苦労した。
話自体はおもしろかったけど、アバター世界のこととかがなんだか合わなかった。
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作中に降り続く雨のようにしとしとと濡れそぼり歩くような冷静さと沈着…何か熱気を抑えているような文章なのにその吸引力の凄まじさは感嘆に値します。伏線を上手く広げられてない所もありますが、一気に読ませるだけの文章であり物語に仕上げています。作者の次の作品も読んでみたくなる。そんな作品です。
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女性が主人公のハードボイルド!これがなかなか!引き込まれました。
これは才能ある作家!
硬質な世界、底なしの悪との対峙、柔らかな子供。
続いて読みます。面白かった!
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冷凍コンテナから発見された十四人の冷凍死体。
集団自殺と判明し、事件は解決かと思われたが・・・。
主人公は女刑事。
バーチャルな世界観もあり、新しい感じがしました。
SNSとかをやってると、親しみやすいかなと思いますが、そうじゃないとイメージがしにくいかも。
ミステリーとしても、頭を悩ませる展開があり、楽しめました。
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新しい警察小説が出たよ。今まで読んできた警察ものとはちょっと雰囲気が違う。文体は、一文一文短くて、それこそ細かいブロックで作品が作られているイメージ。主人公は女性刑事で、男社会で苦労していたり、家族で不幸があったりするけど、なぜか現実感がない。生身のどろどろさがあんまりなくて、「もしやこの女性刑事も実体のないもの?」と勘ぐってしまった。というのも、事件の大きな鍵を握るのが、仮想空間であったから。それから、事件の内容というのが、現実離れした、大きすぎる悪意のかたまりで、最後まで予想がつかなかった。とにかく、私には新感覚だった。
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女性刑事のハードボイルドなので、どことなく男性に負けまいとした背伸び感があり、それがまた魅力なのかもしれないけれど、今は少し痛々しい感じがした。リアルとネット世界の不思議な混在が、無機質でこの一風変わった犯罪から現実感を奪っているようだった。ところで、管理人『タカハシ』の存在感が光っていた。
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読んでいると場面が嫌でも想像できてしまうほどのリアル感。帯にかいてある通り、映像化してほしくなること必死。