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この短編集は、いずれも人間の「生臭さ」と人生の裏側とを強く感じさせる作品が集まっている。
それが、自分には合わなかった。ただ、合う合わないは別として、宮本作品らしい、シンプルでありながら匂い立つほど鮮やかに情景を浮びあがらせる、無駄のない的確な表現は、さすが。
特に、子どもの視点から大人の世界の「蓋をしたい部分」を見つめた、「真夏の犬」「階段」「赤ん坊はいつ来るか」といった作品は、エネルギーを感じる。
余談だが、本作を読んでいて、短篇と長篇の違いについて著者と解説者それぞれが語っていた内容が非常に印象的で、かつ個人的にとても腑に落ちた。
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http://preciousdays20xx.blog19.fc2.com/blog-entry-488.html
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作者の作品は長編も好きなんですが、個人的には短編の方が、より好きかもしれないです。昭和の大阪の湿気、少しのドブの臭い。なんとなく心が波立つ感じが、なんとも言えず心地よい。
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「組んだ足場だけを見せて、その中に隠れた建物を読者の心で透視させるのが短編で、足場をとっぱらって、建造物の外観を披露し、内部の間取りを考えさせるのが長篇」と作者があとがきで言っているように、足場だけの短編が9つ。
唐突な終わり方で、建物の外観は見て取れるが、足場を取っ払って、建物の中身もじっくり見たくなるような物語の数々。
大阪の、兵庫の、石川の空気感を感じさせるような描写と、人生に倦んだような心の動き・・・
思いのほか読了に時間がかかったのは、背景に思いを馳せすぎたからか。
ん~やはり、輝さんは長篇がいいです。
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いずれも貧窮の少年を主人公にする短編小説。
特に感動的な話でも無いのだが、妙に印象に残る作品が多い。
表題の「真夏の犬」酒乱の母親に手を焼く「階段」訳あって会えない親子の姿を描いた「ホット・コーラ」。そこにはノスタルジックな世界がある。
私が育ったのは時代も少し後だし、小説の舞台となる都会の下町ではなく田舎、そしてそれほどに貧乏ではなかった。それでもこの小説の世界には何かノスタルジーを感じるものがあるのは何故だろうか
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真夏の犬
暑い夏
駅
ホット・コーラ
階段
力道山の弟
チョコレートを盗め
赤ん坊はいつ来るか
香炉