紙の本
ミステリー小説よりある意味残酷な人間の小説
2002/07/10 16:35
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投稿者:司既 敬 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮本さんの作品の中で、この小説はかなりダークな部類に属すると思います。主人公の親がアルコール中毒者だったり、突然家を飛び出したり…と。しかし、この小説の怖い所は、実際問題であり得る(社会問題になっていたりする)ということではないでしょうか? 短編なので、読みやすいと思います。どろどろ系が苦手な人は向かないかも。
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宮本輝は、過去に「彗星物語」という素晴らしい長編を読んでいたので、この短編集を見つけたときもそれなりに期待をして読み始めた。しかしその内容はあまりにも対照的で、読み終わった後はかなりぐったりした。収録されている中では、やはりタイトル作の「真夏の犬」があまりにも強烈。
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短編集です。温度とか、臭いとか、風景とか、とても想像しやすく面白いです。けっこうエグイ部分がわたしは好きです。
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九つの作品からなる短編集。
少年の目線から見た、純文学。
もう一度、ゆっくり読みたい作品。
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まだまだ宮本輝は私的にブームだったりします。長編も何本か読みたいのですが、短編も捨てがたい。
庶民的な場所が舞台となっているわけですが、生活のにおいを漂わせながらもどこかに懐かしさがある作品はどれも
清廉な印象を受けます。解説にある「透明感」という言葉はぴったりではないかと思います。
『ホット・コーラ』と『赤ん坊はいつ来るか』がとても好きです。
そこにあるのは“同情”という思いかもしれないけれど、それを隠すことなく事実に向き合う姿、受け止める姿に
生きた人間の生活を見ます。それが生の感覚であり哀しみのように思いました。
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9つの短編集。どれも庶民的な場所が舞台のありそうなないような話の詰まった小説。文章がうまいので他の作品も読んでみたいなぁと思えた。7.Mar.08
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豊かな生活しかした事のない人にはわからない、饐えた匂いに溢れた力作。
短編ながらもズッシリとした読み応え。
「真夏の犬」「トマトの話」は特に心を揺さぶられます。
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9編の短編から成る小説。
内6編は少年の視点から描かれており、この少年たちの視点を通して(少年を装った大人ではなく、まさに少年そのものの視点で)、時折大人の世界から垣間見える生死・貧困・暴力・性の姿を捕らえている。
これから大人へと成長していく子供の世界にはまだ存在しない人生の哀愁や苦しみが少年の心に、少年時代の一記憶として、そして永久に忘れることのない記憶として刻まれていく様子がありありと描かれている。
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正直内容よりもあとがきの「長編小説と短編小説の違い」に感銘を受けた。
ビル建設の例えはとても分かりやすく筆者のスタンスが明確に分かる。
だからと言って、筆者が作中において言いたいことを理解できた訳ではないのだけれども、短編小説という存在の在り方を考えさせられた。
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タイトルに「真夏」とあるように、この時期読むとより実感が湧く。蒸し暑く、肌にまとわりつく。閉塞感が、どの短編にも色濃く漂っていた。少年の日の悲しみ、痛み。人間の背負う苦悩を少年の目を通して映し出す。宮本輝独自の視点である。寂しくて切なくて……。短編は余韻を残して終わる。戸惑う。その先は、読者に委ねられているのである。ずっと委ねられたままになってしまうかもしれない。でも、そのいつまでも残る余韻が人生の何かを語りだすときがくる。人は大人になっても、いつまでも子供のままである。ただ、子供に見られないようにと、精一杯装っているだけ。装う以前の少年少女を見ることは、人間の本質を見ることになる。宮本さんの表現方法のひとつではないだろうか。
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宮本輝、当時43歳か。。最近、良い本を読むと、その作家の当時の年齢を著者紹介のページをめくって確認してしまう。俺は何を追っかけているのだろう。。表題の真夏の犬、それから暑い道、ホットコーラが特に好き。全部いいけど。。
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貧しく不器用で、底辺を生きていた私たちの追憶。
泥臭さく、どことなく現実にありそうな話。
さえない人々がそれぞれの過去を振り返る。
自分と重なるところを探しつつ読み進んだ。
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長編読んだときはとってもさらりとした読後感だったのに、短編集はうおおおたまんねえぜええ!ってなりました。好きです。ホットコーラが好きです。
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短編集。ラストがちょっと怖い終わり方の話が多かったですね。宮本先生の短いけれど成程なぁと思う持論が書かれています。
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・3/28 読了.美香さんに借りて読んだから、殆どノルマを熟す的に読んだにも拘わらず、あっという間に読み切ってしまった.相変わらずこの人の小説は大阪の下町舞台でどうしようもない境遇を思わせて暗い.よくこれで絶望的にならないで済んでるもんだと思う.