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紙の本
「狙われるヒロイン」のその後と度会さんの思惑
2011/01/25 00:27
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙こそ度会さんだが、続く口絵から目次にかけてのカラー頁が示すように今回は深見灯明の巻と言えよう。前巻から続く「狙われるヒロイン」展開が尾を引いてしまい、なかなか終わってくれないどころか過激にエスカレートしている。これを阻止すべく動き出す内田とクラスメイトの協力が本シリーズには珍しい(?)ノリになっているのだが、事はそう容易く運ばないよ?という彩りが加えられており、何とも言えない悩ましさに煽られる。灯明の過去に触れながら秘密の孤独な現状をも描いており、実に切なくて哀しい一面をも垣間見せている。ついでに言えば、内田と灯明が双方に勇気を振り絞って発する言葉(想い)の伝わらなさにも「何でそう解釈するかなぁ?」という苦笑気味のすれ違いを感じるところである。
本編としては、前巻からの混沌が続きながら度会さんと内田の思惑というか本意の祖語が浮き彫りになっているが、イクところまでイッてしまった茅野先生は現実方面の官能要素を一手に引き受ける形となっている。授業中の保健室にまで生徒(沢田)に押し掛けられては交わらされて快楽に溺れている。これを目撃して茅野先生を蔑む度会さんの真の目的が今以て判然としかねるところに今後の不安が掻き立てられる。内田への独占欲も増しているように見えるが、これは果たして愛情なのだろうか?
灯明の今後の行方がさらに気になるところだが、最後に度会さんの言を逆説的に捉える内田の考えに希望を見出したい。しかし、夢と現実の狭間で揺れる人々を目にし、人の業というものに思いを巡らせながらも官能描写で興奮している自分はもしや同類なのでは?などといったことも考えさせられるところに奥深さを感じる作品である。
余談だが本巻第2話は、クラスメイトとして本編にも登場する高村さんの女王様的願望を草食系(子犬系?)男子の神谷クンに求めるスピンオフとなっており、最終話も16頁と8頁に分割された2つの外伝となっているため、これらにより本編の連続性と進行スピードがややダウンした印象も受ける。
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