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投稿者:Suolo - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の考え方をはじめとして、様々なことがこの本の文章の裏側に隠されているように感じられた。読んでいるとその世界観に次第にハマっていくように思えた。
「役立つかどうか」より大切なこと
2003/05/01 12:06
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投稿者:松井高志 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、山口瞳さんの「礼儀作法入門」やその続編が新潮文庫版でやけに売れていると聞いた。以前は毎年、4月頃になると、新聞のサントリーの広告に「新入社員諸君!」というキャッチで山口さんの「訓示」が載っていて、私たち前後の世代の青年はそれを必ず目にしてから社会人になった。私の大学の同級の女の子は山口さんのファンだった。「正しい」(と信ずるところの)ものをきちんと媚びずに姿勢良く伝えようとする大人に、若い女性というのは弱いものなんだと思った。
まあそれはさておき、この本は、たとえば女性誌のマナー特集のような、「こんなときはこうすれば恥をかかない」という「先輩の知恵」を集約したコラム集みたいなもんではない。雑誌を作る人間は、すぐにそういう「実用性」を考える。困ったときにすぐに参照できなければ、乗法として無意味だ、ということを考えるからだ。
そうではなくて、この本は、マナーの背後にある大人としての「料簡」(亡くなった柳家小さん師がよく使った言葉であるが)というものについての読み物である。具体的、個人的エピソードを交えた講話であって、「実用的な」マナーの救急箱ではない。大人なら祝儀の出し方や挨拶の仕方、酒の飲み方などを自分で考えなければならない。考えてもわきまえることができなければ叱られながら覚える以外ない、ということだ。よって、エラーをおかすことが大嫌いだから、予防策としてこの「入門」を手にしようというのは誤りであると思う。
自分もそろそろ、作法や料簡について若い人に教えてもいい年なのに、作法についてはわからないことだらけなのだが、まだまだこづき回されながら覚えていくしかない、その覚悟も料簡のうちなのだ、と山口さんは教えてくれているような気がする。分からない人の心細い気持ちを忘れるな、ということなのである。
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投稿者:☆★ブービー☆★ - この投稿者のレビュー一覧を見る
基本的な礼儀作法がたくさん載っています。あらたまった場ではどのような行動をとるべきか…様々な礼儀作法がのっているんで、何も分からないで恥ずかしい思いをしたことがある人などには是非よんでほしいです。
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礼儀作法入門というより、山口瞳入門ですね。就職活動を控えた私は、礼儀でも身に付けようと思い購入したのですが、いくら読み進めても「礼儀作法」は出てこない。「山口瞳流礼儀作法」ですね。礼儀の方法というよりも、エッセイにに近い感じがします。知っている人は知っていると思いますが、山口瞳氏は男性です。しかも直木賞を受賞している凄い作家さんです。現在21歳の私は、以上のことを知らないで読んでしまったのですが、知っているのは何歳ぐらいの方ですかね?
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堅苦しい礼儀そのものの説明ではなく、心持ちを教えてくれる一冊。意見はかなり偏っている部分もあるが、いちエッセイとして面白い。この本一冊読んだほうが形だけの礼儀を学ぶより全然良いと思う。
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健康であること。
教養というものと礼儀作法が隣合わせとか難しく考えてしまう人は教養がない。
礼儀作法とはエチケットである。天然自然が良い。
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「礼儀作法入門」という書名から連想されるような、礼儀作法に関する実用書、ではない。そういう部分もなくはないのだけれども、結局、酒の飲み方・ギャンブル・見舞・来客・背広の選び方・鞄等々に関しての、山口瞳のこだわりというか、好みというか、を紹介した本であり、山口瞳がどういう人かを理解する助けになる本、と言ったほうが良いと思う。GOROという雑誌に連載されていたということである。GOROは若者向けの男性誌であり、ヌード写真などが載っていた雑誌である。若い頃、僕もこの雑誌はよく買っていたが、山口瞳の連載については全く記憶がない。山口瞳よりはヌード写真の方が好きだったのだろう。
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草競馬流浪記が遠征のバイブルなら、こちらは、人生のバイブルともいえる一冊。山口瞳さんの入門書としてもおすすめ。これ読んでわかりあえない人は、たぶん他の本を読んでもわかりあえないだろうし。
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礼儀(品行)よりも品性が大事でないかというのは、よくわかる。お見舞いをどうするかなども、なるほどと感じた。
著者が50歳頃に書いた本だ。50歳ころになると、徐々に、あまり周囲との横並びを気にせずに生きていけるようになるんだろう。そんな表現が所々にあった。
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礼儀作法入門というタイトルだけど、別に礼儀の本じゃない。
山口瞳という人の考え方というか、こだわりについて書かれたエッセイ。
人の物事に対する考え方を知るというのはなかなか楽しい。
物事をこんな風に見てるのかー、とか
こんなとこ見ながら生きてるのかーとか。
ま、めずらしく全部読まずに飽きてしまったんだけど。
やっぱこの手のエッセイでは伊丹十三の「ヨーロッパ退屈日記」がダントツに面白いですね。
なかなかあれを超える本に出会えない。
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自分の話で恐縮でありますが、35歳ともなると、世の中の礼儀なんて守らず天衣無縫に生きていきたいなんて願望も格好がつかなくなって参ります。今までそういうものに極力触らず生活していましたところ、どうにも世間との齟齬に疲れまして、何か人生の指標となるものがほしくなって参りました。でも生来のひねくれっぷりにより、人生訓やマナーなどを書いた本に対しては激しく拒絶反応が出ます。
そこでこの本。山口瞳の読みやすい文体で書かれた内容がまた軽くて良いです。斜に構えて内容が身に入らなくなるほど説教臭くならず、さらりと世間の礼儀を解析してくれております。こんぐらいのことから一般世間における礼儀の基本としてもいいんじゃないでしょうか。スピーチは長い方がいい、とか。
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一家言あるんですよ。この作者には。
でも、押し付けてくるわけでもない。
礼儀作法を「え~いめんどくさい」と感じる人は、一度読むのもよいかもしれない。
だからといって、何か変わるかどうかは疑問だけど。
固く考えず、さりげなく。
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『世相講談』が面白かったので、これも読んでみました。入門書、というわけではなく、エッセイです。内容は、2013年の時代に読む本ではありません。
何でもかんでも読みゃいい、ってもんじゃない事を痛感しました。
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日本人は礼儀正しい。海外の人が感じる典型的な日本人像。この言葉に疑いを持つ現代人はいないだろう。でも本当だろうか?著者が強調する森鴎外の「礼儀小言」を読むと、その認識に不安がよぎる。小津安二郎の言葉の引用も強烈だ。品行と品性。本書を今読んでも新鮮に感じるのは、実は日本人の品性について、まだまだ考える余地がある所以ではなかろうか。
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『礼儀作法とはマネである。形骸である。しかし、私は、その形骸のなかに何者かが存するのではないかと考えている。形式には、その形式を生んだ、そのモトの意義というものがあるはずである。』p33より
礼儀作法とは、あまり難しく考える必要はなくコミュニケーションを円滑にとるためのツールに過ぎないのだと。
短い文章でなかなかにテンポよく読みやすい。