紙の本
さまざまな生き方があった。
2022/03/13 20:30
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投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
笑いが出そうなタイトルであり、表紙も面白味があるため、パロディーか喜劇本だろうと思い、軽い気持ちで読み始めた。
確かに井上ひさしらしいユーモアな語り口も頻繁に出てくるが、吉良の首を取った人たちだけが忠臣ではなかろう、さまざまな事情を抱えて討ち入りに参加できなかった人たちとて忠臣であろう、と思えた。
一人ひとりであれば読めるが、何人も続けて読むのは疲れる。
少しずつがおすすめ。
紙の本
あたりまえ、をみなおす。
2020/04/30 15:49
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投稿者:ゆきき - この投稿者のレビュー一覧を見る
赤穂浪士たちの討ち入り事件、忠臣蔵。
その裏側にいた「討ち入りしなかった」ものたち。
歴史のあたりまえを見直せる一冊。
紙の本
不忠臣蔵
2013/02/20 12:02
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投稿者:aburayanomaachan - この投稿者のレビュー一覧を見る
討ち入りを断念した武士の事情がわかります。
それぞれに違った理由で断念したようですが、これまでまったく触れてこなかった
ことだけに興味を持って読める大作です。
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赤穂浪士ってそんなに立派なことだったのか?を改めて考えるような連作短編集でした。
浪士の人達は満足したんだろうけど、不参加の人達がそんなにおとしめられる必要は無いんじゃないかなと考えちゃいますね。
全体的に悲劇が多いのが残念。もう少しハッピーエンドがあっても良かったかな。
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12月14日は赤穂浪士の吉良邸討ち入りの日。ほんとうは旧暦なので、新暦の今日とは違うのだが。播州赤穂市の「義士祭」も今日行われたらしい。さて本編は、その表題にあるごとく、討ち入りに参加しなかった、もしくはできなかった赤穂浪士19人の物語である。『忠臣蔵』は、これまでに数々書かれてきたが、こうした観点のものはなかっただろう。井上ひさしの想像力の豊かさに、まずは脱帽。なるほど、そういうこともあったかもと思わせる。また、語りも絶妙だ。多くはモノローグ芝居のようなドラマトゥルギーを見せ、また時には江戸落語の趣も。
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吉良邸討ち入りに参加しなかった赤穂浪士のそれぞれの事情を連作短編にした本。
400ページを超えるボリュームもさることながら、内容の点でも、ずっしり来る。
討ち入りに参加することの方が安易。誰か、何かのために生き続ける道を選んだ方がいばらの道。
討ち入りは太平の世になり、活躍の場を失い、それ以外に生きるたつきもない浪人たちが死に急いだのではないか、と問いかけられていく。
討ち入りに参加した「義士」たちのほとんどが馬廻役、浅野内匠頭から遠い者たちばかりで、近く仕えた者たちには慕われていない君主であるという指摘にも、はっとする。
取り上げられた「不忠臣」たち誰も、これまでには聞いたことのない人物たちばかり。
正直、一つ一つの物語に入るのが大変ではあった。
そして、登場人物たちに巧みに語らせながら、最後にどんでん返しのように「事情」が見えてくる。
大概のものは、そこでもう一度見直さなくてはならなくなる。
時間がある時でないと付き合いきれない作品かもしれないが、読み応えのある重厚な作品だった。
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赤穂浪士のうちで討ち入りに参加しなかった・出来なかった人たちを取り上げた短編集。各話とも一人芝居の台本を思わせる文体で書かれているので読みやすい。また各話とも「オチ」が用意されていて、ちょっとした推理小説のような楽しみ方も出来る。一話ずつ隙間時間に読んでいたので、読了に大分かかったが、とても楽しく読めた。
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討入りに参加しなかった赤穂藩士たち。武士が世間から白い目で見られる屈辱は何よりも耐え難い。それでも参加しなかった藩士たち。この視点は面白い。登場する19人がそれぞれに抱えた理由は全て美談ではないが、井上ひさしの美しすぎる文章により、最高のエンターテイメントに仕上がっている。さすがだ。
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設定の仕方が、実に手が込んでいて感心しました。膨大な下調べをもとにこれを書いているんだろうなあ。労作という言葉が浮かびました。(2013年10月24日読了)
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『井上ひさし短編中編小説集成第10巻』より
赤穂浪士から漏れた人々を史実を元に創作した時代小説。
年寄れば愚にかえる275
「士は師たるべし」(山鹿素行)(太平の世の中では武士は無用の者。耕しも、造りも、商いもせず禄を食む。そんな世で武士というものが必要とされるべき性質は、正義や倫理の手本として日々己を表現することだ。それが庶民の範となり、これこそが武士の存在理由となる)275
口に油がいる(酒を飲まないと話せない)310
旅は憂いもの、辛いもの311
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吉良家への討ち入りに参加しなかった、またはできなかった旧赤穂藩士たちを描いた、忠臣蔵に纏わるアナザーストーリー。
血の通った文体とストーリーは、まるで講談を聞いている様だ。