祖父達の青春と葛藤がリアルに浮かんでくる
2013/07/05 12:10
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投稿者:ヤマコー - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後70年以上経過して我々日本人には戦争というものが遠い存在となった。しかし、少年から青年期にかけ思いもかけず戦争という命のやりとりを強制された人たちがいたということ。それは過去の話ではなく平成の世でも私たちとともに隣人として祖父として生き抜いてきたという現実をこの本は教えてくれた。零戦に乗り一人死を覚悟で敢然と多数の敵に突っ込み、戦後は戦犯・特攻くずれと非難されるという過酷な運命に翻弄されながらもしっかりと家族を守り日本の復興を支えた人たち。零戦乗りは海軍のなかでも特に優秀な人たちであり、前途有望な若者がガダルカナルや沖縄の特攻で命を落とさなければならなかったことは悲劇である。しかし筆者は2人の軌跡を追うことで戦争の暗部とともに零戦で大空を舞った青年達の輝きを克明に記してくれており、ある意味でとてもさわやかな読後感を持てた。
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投稿者:k - この投稿者のレビュー一覧を見る
時間を忘れて読み続けられた
かつての零戦乗りである進藤三郎氏、鈴木實氏を中心に
彼らの生い立ち、入隊、戦時中にかかわった作戦、そして戦後の人生が
詳細に綴られている
その時にその場所にいた人たちから直接得た証言に基づく記述は
何にもまして迫力がある
本書によって初めて知り得たこともある
例えば、中澤佑の言動
いずれにしろ、こうした「祖父たち」の目には孫たちの日本がどのように映るのだろうか
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
お二人がご存命のうちに、こうした貴重な証言を残して下さったことに感謝です。若い人たちは勿論、私のように中年以上でも何も知らない、という人間も必読。
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投稿者:tonma - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場する零戦載りの本を読んでいたが、ぜんぜん違う面も書いてあり、どれを信じていいか不明。でも今の世の中は平和すぎると言う事に、若い人も年食った人も気づいてほしい。
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これはスゴイ。一級資料だ。
神立さん渾身の力作とお見受けしました。
進藤三郎・鈴木實、両氏の証言を軸に、神立氏が零戦搭乗員に地道にインタビューを重ね蓄積した証言を加えて構成されています。
零戦デビュー前後から真珠湾攻撃、南方戦線、本堂防空戦、そして終戦から戦後までの内容となっています。
さらに、これまで神立さんの本に登場していない(たぶん)「大空のサムライ」坂井三郎氏のインタビューや記事もあります。
この本にも登場する元パイロットのみなさん、現在ではほとんどの方が亡くなられているとのこと。今となっては貴重な証言の数々です。
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実はあまり語られて来なかった零戦搭乗員たちの生の声を基に綴られてある。海軍歴戦のパイロット鈴木實と進藤三郎という親友同士を軸に真珠湾攻撃から終戦までの零戦の戦いが語られている。
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長らくハードカバー版を積読状態にしていましたが、
先日文庫版が出たのを機に、ようやく手に取ってみました。
解説に『永遠の0』の百田さんと、なんとも豪華な感じです。
ちなみに百田さん、神立さんの別の著書である『零戦 最後の証言』、
こちらを一番の参考にして『永遠の0』を書いたとのこと。
そう仰っているだけに、非常に読み応えがありました。
『永遠の0』に感じるものがあった方であれば、オススメです。
主人公は、進藤三郎さんと鈴木實さんのお二人。
この二人の零戦パイロットの戦前、戦中、戦後の物語を軸にして、
大東亜戦争に対する普通の日本人の感性が綴られていきます。
ノンフィクションではありますが、目の前の出来事のように映像が浮かぶ、
そんな生き生きとした筆致に、背筋が伸びる思いで拝読しました。
“天皇陛下はこのこと(特攻)を聞かれたならば、
戦争をやめろ、と必ず仰せられるであろう”
冷徹な現実と向かい合っている現場の指揮官、
そして、それに応えていく先人の方々。
“日本民族がまさに滅びんとするときに、
身をもってこれを防いだ若者たちがいたという事実と、
これをお聞きになって陛下自らのお心で
戦を止めさせられたという歴史の残る限り、
五百年後、千年後の世に、必ずや日本民族は再興するだろう”
こんな想いが込められた“戦後”を受け渡されている“私たち”は、
先人たちに応えるだけのことをできているのだろうか。
はてしない自問が、螺旋のように、、ただ繰り返しています。
私も“祖父”の足跡を追いかけてみようと、思いました。
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「無敵の零戦」を、
良くも悪くも生ものとして捉えられる。
呼んでて苦しくなった部分も、多々ある。
だけど、それが真実。
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産業後進国であった当時の日本が創り出した零戦に乗る男たちの真実を記載したノンフィクション小説。
派手なストーリー展開はないものの、等身大の零戦搭乗員の一生を描いた作品。特に戦後、彼らが「戦犯」「特攻崩れ」と罵られながら、葛藤と悔しさの中でどのように生きてきたのか、これまで全く知らなかった事実を知ることができた一冊。
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戦争のリアルが感じられたと思う。
ここで読んだ内容が、事実からきているということに、重みというか読んでいてある種の怖さを感じた。
人が死ぬこと、大けがをすること、そんな内容がたくさん出てくるけど、どれ一つとして架空ではなく事実として在ったということ、そこには必ず人が在ったということ、そこを考えると悲しくなる。
比べてはいけないけど「永遠の0」より全然良かった。
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『永遠のゼロ』『大空のサムライ』、そしてこの『祖父たちの零戦』とミリオタに順番まで決められて読んでみた。
『永遠のゼロ』で悲哀を、『大空のサムライ』でカッコ良さを、そして『祖父たちの零戦』でその真実を学べました。
日本人なら知らなければならない、そんなことを感じさせる本。
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小説にはないリアルが、まぁそんなもんだよな…というちょっと残念な感じと、へえ〜そういう側面も!みたいに気づきと、両方あって新鮮だった。
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進藤三郎氏(=零戦緒戦の中国での空中戦の指揮官)と,鈴木實氏(=オーストラリア戦線でスピットファイアとの戦いの指揮官)への取材を中心とした実話.よく言われる緒戦での短期間の栄光→中盤以降の落日の現場が語られている.
隊員同志の衝突や,海軍参謀たちの堕落,卑怯な言動なども実名で書かれている.坂井三郎氏の取材もあるが,彼も聖人君子ではなく,毀誉褒貶のある人だった.→いわば”等身大”の第一線パイロットたちを描く.
戦後,世論は手のひらを返したように彼らを扱った.”特攻くずれ”,”戦犯”とよばれた. どちらかの人物が晩年,「自分の人生は無意味だった」ともらしたそうだが,それは①戦後,彼らの扱い・評価がきわめて否定的だった,②結果として敗れた戦争で多くの同僚が戦死したが,自分らが生き残ってしまったという罪の意識,などによるものだろう.
お二人は88,91歳で他界されたが,晩年,からだの動かなくなくなり人生の終焉が近づいた往年の名パイロットの描写は,だれもがやがて行き着く ”老死”の現実で,無常を感じた.
いろいろな点で,印象深かった本だ.
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しばらく第2次対戦系を読み続けているが、本書も史実に忠実に沿った戦闘機乗り立ちの記録。来年で戦後70年になり、多くの人が鬼籍に入り、生き証人が潰える寸前。
祖母の弟が飛行機乗りで、戦死しているとの話を幼少の頃きき覚えていたが、その仲間と思われる人の手記や体験談を読み、くるものがあった。例えば、自分の子供などにこの戦争の話をすることがあるのだろうか?などと思いながら読んだ。
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最新・最強の戦闘機として登場した零戦が,数年後には苦戦を強いられ,特攻も任務となる中,多くの搭乗員のエピソードが紹介される.さんざん撃たれて落ちそうな相手を追いかけてコクピットを除くと,相手搭乗員の表情が見え,とどめが刺せなかった話など,当たり前ですが戦いは人同士が行うのだと再確認させられる.「戦力不足なのに特攻で機体を失う余裕はない」と言う英国人捕虜の話はもっともなこと.パイロットというスキルを持ちつつも,10代20代で特攻などで戦死された方々が戦後も生き続けていたら,どのようなことを成し遂げていったか.