放課後のゴミヒーロー みんなのレビュー
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紙の本
とにかくやってみよう!
2015/08/25 11:02
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
葉山高校は校長の方針で部活動に力を入れている。暗黙的に部活動加入が必須なのだ。しかし、様々な理由で団体行動が上手くできない人間もいる。寺原結城もその一人で、すぐに部活動を辞めてしまった。
だが彼には夢がある。子どもの頃にヒーローショーの赤いヒーローと約束した、将来ヒーローになること。そのためには何かをしなければならない。同じ様に部活を辞めた長岡健二や吉岡佑介と知り合った結城は、ヒーロー会議というものを立ち上げる。
ヒーロー会議の議題は、どんな活動からヒーローを目指すか。紆余曲折の末、ともかくすぐに出来ること、近隣のゴミ拾い活動から始めようということになる。ゴミヒーローだ。
校長と交渉して部活動として立ち上げ、糸井さゆり、沢井恵理、後藤真也という新部員を勧誘し、スマートなゴミ拾い活動を開始した3人。活動を通じて女子とも仲良くなり、近隣からの評価も高まり、全ては順調に思えた。しかし、破綻は突然やってくる。
“等身大の高校生”というのをテーマに置いている気がする。だから、フィクション的な突飛なことはあまり起こらない。普通の高校生活でありそうなことをイベントとして、比較的平坦に物語は進んでいく。
高校生にとって、学校という組織はそれなりに大きな存在だ。そして、自分たちが自由に活動するための、束縛や妨げである様な気がしてしまう。そんな不満を内包しつつ、その中でもとにかく何かをやろうとする気持ち、そして結局は現実の前に敗退してしまうやるせなさ、でももう一度立ち上がろうという勇気。そんな“等身大の高校生”を描いている。
しかし逆にいえば、あまりにも現実より過ぎてエンターテインメント的なカタルシスに欠ける気がしなくもない。それをどう受け取るかは、読者の世代によって変わってくる気がする。もしかすると現役高校生は、共感できて良いと受け取るのかもしれない。
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