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時は1945年。沖縄が陥落し、いよいよ本土決戦が想定されいる日本。
新たに召集された片岡他主人公達は、千島へ集められていく。
戦争が結末へ向かう中、召集された目的も分からないまま、
片岡達は運命にその身を委ねていく。
果たして彼らの行き着く先は?
全3巻に及ぶ大作の上巻である本書は、
登場人物達のバックボーンを中心に描かれている。
登場人物の多さ・方言・戦争用語のせいもあって、内容がやや難しい面も。
いよいよ、本編とも言える中巻以降に期待。
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8月は戦争関連の本と決めている。
(上巻)本土決戦が逼迫する中、突然の召集で戦地に赴く3名を軸に戦争の悲惨さと日本軍の愚かさを描く。
(中巻)敗戦と降伏がはっきりしているにもかかわらず、さらに不幸の深みに引きずりこまれる国民。
(下巻)無条件降伏後、突然攻め入ってきたソ連軍。もうひとつの戦争が始まり、多くの命が奪われる。知らなかった悲しい史実がここに。独特の浅田節は読ませるが、くどい。吉村昭が描けばもっと違う作品になってたろう。
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上巻は登場人物の背景を描いて終わりという感じ、でもおそらく壮大な物語の導入部、ゆっくりと重々しく動きだす。
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上巻。
戦争末期の日本を舞台に主人公たちのいままでの半生と、赤紙がくるに至った背景が描かれる。
浅田節全開の戦争文学で、胸をつかれるようなエピソードが多数。
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登場人物が多くて、それぞれ平行して進む構造なのですが
そこは浅田次郎。さすがの筆力でそれぞれのドラマを描き分けます。
敗戦目前の日本にあって、
新たな部隊を編成し赤紙を書く者、赤紙を届ける者、赤紙を受け取る者の
それぞれの立場の物語が描かれる。
特に編成側の話ってあまり聞いた事がなかったから興味深い。
1945年、終戦の年。
一億玉砕が叫ばれる中、編成の中には冷静な人間も当然いて。
この戦争は間もなく終わる。終戦を見据えた編成が必要だと、
前線に英語ができる人間を送り込もうというのは、
当時としては相当なアクロバット人事だったと思う。
それによって動くはずのなかった人材が動き、
物語が動き出す。
一路最果ての地、対馬列島最北端、占守島へ。
上巻は各キャラクターの土台語りのようですが
丁寧に描かれるので読み応えがあります。
このパートにこのボリュームを持って来れるのが
多作作家の手腕ということか。
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終戦末期の登場人物達の背景が描かれていく。赤紙一枚で否応無しに戦争に行かねばならない当時の状況の理不尽さや兵隊に憧れる少年達など目の前で見てるかのように感じられる。
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人の幸せは、極めて単純なものなのに、こんな理不尽な戦いの為に奪われた。戦争末期に招集された兵隊の、現実的な不幸に今まで気がついていなかった。
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戦争時代が舞台になっています。戦争が本格化してきて、年齢の高い夫を徴兵に取られてしまった奥さんが気の毒でした。今後、夫は生きて帰ってこられるのか・・・とても気になります。
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先ほど、上を読み終わった。前半は、登場人物の紹介みたいな感じで、若干退屈ではあったが、じわじわと面白くなって来た。余り知られていない、終戦間際の北方領土。上の段階では、大きな動きはないが、この後一体どうなるのだろうと言う、期待と不安で読む速度も徐々に速くなっていく。沖縄戦や硫黄島とは違う、太平洋戦争がここにある。
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占守島の死闘やシベリア抑留は、新潮文庫「8月17日、ソ連軍上陸す」を読んで知っているつもりでした。私的にハズレなし作家がどの様に表現するのかと、少し意地悪な気持ちで購読。
登場人物から語る言葉により、太平洋戦争末期、占守島での著者流のストーリー展開される。
見逃せないのは、戦争に参加せざるを得ない事情が、日本だけでなく、対戦国(ソ連)にもあったはずだということを悟らせてくれる。
これこそが本当の主題であり反戦を伝えたい著者のメッセージだろう。
二巻で子ども達の戦いが始まり、。また、主人公の出征の理由が明かされる。
三巻は、主人公のラストシーンは、賛否あるかもしれないが、私にとっては良かった。
意外なのは、戦車隊の活躍する描写が少なかったことだ。
著者が陸上自衛隊に所属していたが故に、思い入れがあり過ぎるため、敢えてあっさりと終わらせたのかなと邪推します。
プチミリオタの私程度では、反論することが出来ないぐらいに作品を作るまでの資料収集•分析は、国民作家の実力。
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終戦直後、千島列島の尖端であるシムシュ島での日本とソ連の戦闘を描いた作品。人物はほぼフィクションだが、浅田次郎ならではの丁寧な調査に基づく事実と、少しの幻想が入り交じっているところが物悲しさを増すところもあり、安心させるところもあり、泣ける。戦争文学だと沖縄戦や南方戦線の数々、広島、長崎、東京大空襲を扱ったものが多いし、最近読んだ傑作「永遠のゼロ」は特攻隊の物語。しかし、この北方戦は地元に近いだけにより胸に迫るものがある。
最もぐっときたのは次のセリフ。「たとえミカドの勅命に逆らおうと、国家の意思に対する反逆であろうと、ふるさとを奪われてはならない。スターリンも共産党もありはしない。ひたすら母なる大地を守らんとする正義という本能のあるばかりでした。」やっぱり故郷なんだな。一方、千島=日本固有の領土という前提だが、明治以前は先住民族の千島アイヌがいたわけで、100年単位で見ると領土とか民族の解釈はとにかく難しい。
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私の知らない戦争がありました。
赤紙を受け取る側のドラマは見ていましたが、
決めて出す側の真実が・・
続けて読んでいきます。
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上・中・下巻、一気に読みました。寝不足です(^^;)。岩手県の方言が分かるだけに、切なかったです。登場する人物の心情が一枚の布にぎゅっと織り込まれて、胸に迫ってくるようでした。私の祖父の兄は南方へ行きました。祖父は青森の三沢だったようですが、病気が見つかり、戦地には行かなかったようです。2人とも帰ってきてくれました。祖父たちの世代、ほんの数十年前に起きた戦。すっと背が高く優しかったおじちゃんと、祖父。今は亡くなっていますが、思い出すと切なく、「ありがとう」と言いたいです。歌は歌わない母ですが、賢治の「星めぐりの歌」は私たちが子どもの頃から、大きな声で歌ってくれて、メロディーが私も分かりましたので、本の中に歌が出てくると、涙が出ました。
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上巻を読みきりました。戦時中の小説をいくつか読みましたが、いろんな立場の人をこんなにたくさん一度に描いているものはあんまりない気がします。おもしろかったです。鬼熊かっこいい!
上半期も終わるので、ブクログの冊数を稼ぎたいと思ってたのに、なぜこんな厚い本に手を出してしまったのか。長い。まさに終わらざる夏です。中巻に続く。
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この人の作品にはすばらしいものもいっぱいあるんだけど、時々「残念!」と叫びたくなるような作品にぶち当たってしまう。
題材はすごくいい。千島列島の最北端、占守島(しゅむしゅとう)という小さな島で、終戦後に起こった悲劇を描いている。
終戦3日後の昭和20年8月18日、日本がポツダム宣言を受諾したあとに、ソ連から思わぬ攻撃を受けた。負けましたと手を挙げている敗者に向かって第三者が便乗攻撃。うまみのある千島列島をアメリカより先に自分たちのものにしようとしたのだ。その卑怯なやり口に占守島の精鋭部隊が立ち向かい、圧勝した。にもかかわらず、敗戦国として扱われ、生き残った将兵はシベリアへ送られたのだ。…なんという卑怯な!歯舞・色丹どころか占守までちゃんと返還せよと言いたい。いまだに日本軍の戦車が放置されているという占守の姿を見たら、泣かずにはいれないでしょうね。日魯漁業で働く400名の女子挺身隊を、ソ連の男たちの餌食になる前に函館へ送り返したというエピソードも見逃せない。沖縄の悲劇は有名だが、日本の最北端で起こった悲劇についてはあまり知られていない。そういう意味では、語り部としての浅田氏の功績は大きい。
…がしかし…ちょっと欲張り過ぎではありませんか?
あれもこれもと盛り込もうとするから、話がとっ散らかっちゃって読むのがしんどい。抒情的に持って行こうとするあまり、親子、夫婦、上官と下士官、先生と生徒とそれぞれの絆を描くのに大忙し。挙句の果てにはソ連兵の立場に立ち、夢の中で日本人と友好関係を築こうとする始末。そしてラストの訳のわからない男女のからみ。誰か整理してやってくれ~。