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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
児童養護施設を舞台にした作品は多い。本書も同様だが、いささか朝井氏らしくない作品に仕上がってしまった感がある。高校生や大学生の、とりわけ女性を描かせると抜群なのだが、小学校時代は氏にとっても古すぎたか。児童文学とも呼び辛いし―いや、無理にジャンル分けすることもないのだけれど。
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初めの章、なーんか読んだことあるなーと思いながら読み進めたらありました。アンソロジー【いつか君へ boys】に収録されていてうっかり涙したお話だったわ。それが長編になっていて、あのときの彼ら彼女らがみんな少しだけ成長していて、その少しっていうのは小学三年生から六年生つてことで、少しでも大きな成長。難しい年頃。さらにたいすけのお姉さん的存在のサオリは大学受験を目指す年頃だからさらにね。
いろんな理由があって家族と一緒に暮らせない少年少女の愛おしくて少し哀しい、けれど希望のある物語。最後いいな。失ってもきっとまたわたしを大切に想ってくれるだれかとどこかで巡り逢えるよね。うん、きっとね。
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いつも一緒にバカやって笑うのが当たり前。そんな関係だった人が将来を真剣に考えていたり、夢を持っていたりすると、自分が置いていかれたみたいな気持ちになる。じわじわ迫る焦りと不安が途中で自分事みたいに思えてきた。でも、別れたり変化があっても必ず先で出会うはずの人がいて、そうやって人生を進めていくんだよな、と改めて思った。最後は泣けた。。こういう境遇の子だからっていうんではなくて、純粋に、自分の道が続いていくことに対して前向きになれる小説だった。小学生目線の描写が当時の自分と重なったりして、懐かしいような切ないような。表紙がまた素晴らしい!!
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編集部より献本御礼。児童養護施設で一緒に暮らす5人の子どもたちを中心に、家族という最大のコンプレックスについて、それぞれの事情を成長を通じて自分たちで解決していく姿を描いている。
この物語でキーになるのが「願いとばし」というスカイランタンを上げる行事である。実はこの関係で、美作市上山集楽での活動にご連絡をいただいた経緯がある。この本と上山集楽において共通するテーマは、「できない理由を並べる前に、いろいろ手を尽くしてみろ」ということだ。
世の中で自分の思い通りにいくことなんてほとんどない。逃げたり挫けたり、あきらめたりすることだってある。それでもその先には等しく道が続いている。嫌な人もいるけれど、それと同じくらい好きな人だってできる。
希望というのは、そんな泣き笑いの繰り返しの先にあるのかもしれない。
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朝井リョウ(@asai__ryo)くん、ありがとう。
なんかねー、ある意味、ふつーの話だった。『何者』で「うげー」と思わされた後としては。
その点意表を突かれたし、でも、「すげー」とも思った。
うーん、でも『何者』で、作風変わったか?と思ったけど今回は『星やどりの声』に戻っちゃったような(似てるような)気もする。
まだ圧倒されてるところでうまく言えないけど、
でもやっぱり、いくつ引き出しがあるんだろう?朝井リョウ。
ついていきます!
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朝井リョウ氏の著作を全部読んだわけではないし
よりによって(汗)『何者』をまだ読んでいないので
もしかしたら違っているかもしれないが(と先に予防線を張る^ ^;)
章ごとに視点が変わるスタイルではない作品は初めてのような気がする。
今まで読んだ朝井氏の作品はすべてそういう体裁だったので
変な話、視点が定まっているというか、第三者視点の話運びは新鮮だった。
いっぺんに両親を亡くした太輔や佐緒里。
親はいるけど一緒に暮らせない状態の淳也と麻利の兄妹と美保子。
自分は大人といえる年齢になった今でも両親共々揃って暮らしているので
彼らの境遇を理解することができないもどかしさ、
そして同時に知った風なことを言うことに対する嫌悪感をチラチラ感じながら
泣きそうになりつつ何とか踏みとどまってようやく読み終えた感じ。
その境遇からして早く大人になることを強要される太輔たちに
対峙する大人たちも必ずしも完全なひとたちではなくて
突然空いた空白を埋めるなど、自分の都合で(無意識に)利用してしまうとか
そういうひりひりするというかキリキリするような感情が痛くて堪らなかった。
何よりも痛かったのは淳也と麻利を虐める子供たちの無垢ゆえの怖さと、
その淳也が逃げることの正当性を淡々と語るところ。
確かに自分を護るために逃げることは有効な手段なんだけど
それを子供自身が言わなくちゃいけないところが身を斬られるようだった。
この物語ではそれぞれの旅立ちの前段階で終わっている。
この時点では希望を見い出せるかどうか判らないのだが
佐緒里が、淳也が、麻利が、美保子が、そして太輔が
それぞれの形でちゃんと幸せを掴み取ることを願う。
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これはずるい。
朝井さんなんて良い本を書くのだ。泣いてしまった。
「いじめられたら逃げたっていい」辛かったら逃げてもいい。この言葉にハッとさせられた。麻利の一生懸命さが何かを変えると思ったのに、当たり前のように現実な結果で驚いたけど、なるほど「つらいなら逃げたらいい」ここに繋がるのか。
なるほどと、思うと同時に淳也が抱えていた問題に泣きそうになった。
なんか一気に感情が溢れた。
ー逃げ道だって言われるような道でも同じだけの希望があるー
私も頑張ろう。
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この世界は優しさで満ち溢れているわけじゃないから、人はだれかに優しさを求め続けるのでしょう。優しさを求めて伸ばした彼らの手の切なさに胸が痛む。
孤独と寂しさに縮こまった彼らの心が敵意や悪意から身を守るためには、その手を握りしめ真っ向から闘うのではなく、ただ毅然と背を向けそこから逃げ出すということも正しい術なのだ、とこの小説は教えてくれる。そう、逃げる勇気を高らかに歌い上げる、これは救いの一冊だ。
「逃げる勇気」を教えてくれるこの小説を、子どもを持つ親としてたくさんの人に届けていきたい。
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虐待、両親の離婚など、さまざまな理由で児童養護施設で暮らす子供たちの成長物語。
子供たちが良い子すぎる、養護施設の現実としてはちょっとリアリティに欠けるなどなど、気になる点はいくつかあるが、でも引きこまれた。
終始切なく、そして子供たちがあまりにも健気。
泣けました。
彼らのその後が読みたい。
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内容紹介
「青葉おひさまの家」で暮らす子どもたち。
夏祭り、運動会、クリスマス。そして迎える、大切な人との別れ。
さよならの日に向けて、4人の小学生が計画した「作戦」とは……?
著者渾身の最新長編小説。
直木賞受賞後第一作!
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ーーーー勘違いをしていた。
みんな、それぞれの宇宙の中に
ひとりっきりなんだ
朝井リョウさんの透明な文章と登場してくる人物たちと主人公の関係性が、 読んでいて暖かくなったり切なくなったり悲しくなったりする。
そんな子供たちが繰り広げる、
ーーーーーある作戦とは?
朝井さんの文章はするすると頭に入ってきてとても読みやすくその世界にどっぷりハマってしまいます。それだけに読みごたえがあり、本当に大好きな作家さんのひとり。
傷や悩みを抱えた繊細な子供心を本当によく捉えていて、読んでいてとても共感するところが多いのが朝井さんの本の特徴な気がします。
いじめであったり虐待であったり大人の恐さであったり。 子供だけではなにも出来ないことの現実や無力さを痛感する一方で 地面に座ったり、斜面を登ったり、帰り道を走って帰ったり、そういう子供の無邪気でがむしゃらな部分をみると、こういう時期もあったなあ、と懐かしい気持ちにさせられます。
「逃げる」という行動の勇気や大切さを教えてくれる本です。
そうだよね、逃げてもいいんだよねって 背中を押される方も多いかと思います。
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世界は広いんだな、世界は1つじゃないんだなとかわからせてくれるそんな作品。
この作家さんのいいところは完璧なハッピーエンドには持っていかないことか。 最後も感動させながら、現実的なところも持ち合わせてる。 本当に新たな作家さんの誕生だなぁ。
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施設で暮らす子供達の姿。
それぞれに寂しさを抱えながら、助け合い楽しみを見つけながら暮らす姿に胸が打たれる。
個性豊かな子どもたちの姿を追って、物語はどんどん進んでいく。
何気ない風景、光景、ふとした心象風景の描き方がとにかく上手い。
心の動き、その時の感触が、柔らかに確かに伝わってくる。
全編に子供たちの優しい気持ちが散りばめられている。
「小さな手のひらだけど、こうして、冷たい風からロウソクの火を守ることはできる」
この一文にとてもたくさんの、優しくて強い気持ちが込められていると感じた。
少年たちの優しい想いが空に舞い上がる。 健気で優しくて強い物語。
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児童保護施設を舞台にした少年少女達のお話。各々が悩みや葛藤を抱えながらも仲間が心を通わせ少しずつ前に進んでいく姿が著者の暖かい目線で描かれている。装丁がいいし、タイトルのセンスの良さに脱帽。どんどん進化する著者の次回作が待ち遠しい。
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今回は児童養護施設が舞台。
大人の都合に振り回される子供達は切なく、その分最期のランタンは嬉しくなります。
ただ「チア男子」や「何者」に比べると惹き込まれる感じは少なく、特に前半が淡々としていたかな。