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生を受けたものに等しく訪れる死。だけど、生まれる環境を選べないように死も選べない。
安らかな死、緩やかな死、穏やかな死がある反面、突然の死、無惨な死、残酷な死。
寿命というものだと認識はできても、その死が残念なものであれば受け入れることなどできるはずがない。ただ一方的で抵抗できない。どうにもならない感情が鬱積する中で、ただただ悶々とする。
しばらくは堪えそうだ。
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死神の精度の続編。さすが伊坂作品、悪は法の下ではなくもっと別のところでもっと凶悪に罰せられる!死神に目をつけられた人間の死期の定義が興味深い。
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千葉さん、初の長編。
キャラクターは相変わらず。
話自体はおもしろいんだけど
悪役が気分悪くなるほど嫌なキャラクターとして描かれているので★マイナスイチ。
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「死神の浮力」
千葉が帰ってきた。見届けるのは、敵討ちに全てを投げ打つ夫婦。
“一年で三万人が自殺をすると言われている国で日々を生きていることがすでに、出口不明のお化け屋敷を歩いているも同然で、世界ではさらに莫大な数の人間が死を遂げているのだから、そちらに目を向けたほうがよほど恐怖を感じることが出来るのではないか”
千葉はそう言う。彼は死神である。鎌は持って人間を死の世界へ誘う訳でも、斬魄刀を持って戦う訳でもない。彼は、ただ対象の人間を調査し、見届ける。
千葉は、仕事をきっちりこなす。こなした結果が、たまたま可であるだけなのだ。千葉は、音楽のみを愛する。音楽は、人間が生み出したものなのに、音楽から人間を取り除いてしまう。だから、彼には、人間はただの対象でしかない。
千葉は、こんな死神である。一言で言えば、真面目ではある。だが、対象を理解した上で仕事をしているというわけでは無く、ただ仕事に対してのみ真面目なのだから、一言でいうなら頑固である。いや、考慮する余地すら残さないのだから、頑固でもない。さて、これを考えるには、渡辺先生の言葉通り、寛容になる必要がありそうだ。
本作は「死神の精度」の続編です。前作との違いは、大きく言うと3つ。1つは、千葉の対象人数。前作は、短編であった為に、千葉は多くの人に密着マーク。しかし、今回の対象は、夫婦であり、もっと言うと、千葉が調査をするのは、山野辺という作家。正に、山王のあいつみたいなすっぽんマークを見せます。
2つ目の違いは、物語のテイストです。前作は、どの短編もどこか暖かさがあったり、物騒ながらもおかしさがあったり、運命が薫ったりしていました。しかし、今回見届けるのは、敵討ちです。娘を失い、マスコミに苛まれ、犯人は無罪放免になろうとしている。しかも、この犯人は、25人のうちの1人、サイコパスである。正直、前作のようなテイストかと思っていただけに、これにはちょっと面食らいました。死が匂いそうで匂わないのが、千葉という死神なのに、頭からいきなり哀しい死があるんですからね。
物語のテイストに沿うように、死に関する言葉が多く登場します。これが3つ目。死の観念は、人それぞれであるが、死を怖がり、死を受け入れ、死を認識する山野辺は、絶対悪である本城、死に関心がない千葉と対比され、人間度が増します。弱くなり、強くなる、それが人間。しかし、それで終わらないのがまたなんとも言えない。というか、納得いかないw
前作には無い死への観念、怒り、そして、悲しみ。
千葉は、ぶれない。憎らしい程に。しかし、死神は、ぶれる。人間みたく。
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作者特有の恍けたセリフや普通ではない人々の会話が惜しげもなく繰り出されるが、いまひとつ、それに乗れないのが、そもそも人間ではないということだから当たり前だということと、題材が人間の嫌なところを凝縮した話で只、只管に暗くて軽妙なセリフのやり取りをもっていしても拭い去れないことと、死神の話である以上、最後がよめているから。ただし、ラストは暗いながらも良い終わり方だったのが救い。
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そうだそうだ。千葉ってこんな奴だった。
と、懐かしい気持ちで読み終えました。
伊坂さんには絶対的信頼がありますが、今回ももれなくぐっとくる結末で。
こみあがるものがありました。
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(2013年10月31日読了)
久しぶりの「死神」シリーズ。ブグログで見かけてから図書館で借り受けるまでに4ヶ月もかかった。
前半は焦らされているように、なかなか前に進まず、しかし、後半からはみるみる加速し、そのスピードがラストまで止まることはなかった。
人間にとっての「死」。「死」までの人生。
様々な死が書かれているけど、主人公・山野辺の父親の死に対する考え方や行動には、考えさせられた。
自分の死より息子の死が怖くて、現実逃避し、自分が楽しい事だけをして家庭を顧みない。家庭より仕事が楽しかった。。。思いはわかるけど、私にはそんな生き方は出来ない。最期には父親の役割を果たした感じではあるけど。
千葉のやる事が、本人にはそのつもりはなくとも、結果的には山野辺の望む状況に繋がる。
ラストは好き嫌いが分かれるだろうけど、これも有りかと。キャンペーンの顛末は、痛快だった。
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久しぶりの伊坂さん作品。
千葉さんに長編でじっくりとら関われるなんて…!
サイコパスな隣人に一人娘を殺害され、その犯人に復讐を企てる夫婦のお話。
人間っぽく見えて、どうしようもなくズレてて人の機微なんてわからない千葉さんですが、関わった人はなぜか必ず幸せになれる。
死神だし、その翌日とかには死んでしまうのですが、そんな風に感じてしまうから不思議。
そして還元キャンペーン…えぐい…
思い通りといえばそうなのかもですが…
さらっと読める印象ではありましたが、面白かったです!
エピローグ、切なかった…
いろんな人の人生としに向き合うお話。
死神シリーズ、また出してほしいなぁ。
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忙しくてなかなか読了に時間がかかってしまいましたが、それでも面白かったなあと思える作品。
フィクションといえども、「死」について作中ですっと言葉にしてしまう伊坂先生すごい。
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永遠の0を読んだあとだったからか、
伊坂さんが自虐的に会話で成り立つ小説って言ってる理由がようやくわかった
でも、やっぱり素敵な言い回しの会話は憧れるし、こんな会話ができる大人になりたい!
立っている標識は本当にあっているのかわからない
人間は協力する動物
扇子から剣を出すんじゃなく、剣から扇子を出すような小説を
きっと小説のテーマは死だったのかも
お父さんが、先に行って、見てくる的なセリフは感動的だった
2013.12.12
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生きていくことと死んでいくこと。親子の会話が心にしみて、やけにツボに入ってしまい号泣してしまう場面があった。
悲しみがあるのに、笑いも含まれ、ダイハード的なところもあり。伊坂さんの小説はいつもグイグイ読める。
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2013.8.17読了
「死神の精度」で活躍した千葉が長編になって戻って来た!!
一人娘を殺された作家夫婦の所へ現れた千葉(死神)が、犯人への復讐を手伝ってしまうお話で、実はかなりヘビーな内容。だがそこはやはり千葉さんのちょっとズレた会話や超人的な行動により、軽快とまではいかなくてもくすっと笑ってしまうような、ニヤリとさせられるような仕上がりになっている訳です。
一気に読んでしまうのはもったいない気がして、少しずつ読み進めていましたが、途中からそんなこと気にしていられなくなるほど入り込めました。
サイコパス VS 死神
千葉さんにとっては復讐などどうでもよく、たまたま巻き込まれてしまっただけなのでしょうが、どうしても精度の金城武のイメージが強く、ついつい「頑張れー!!」と応援したくなります。いえ、してました(笑)
二十年延長キャンペーンがそう使われるとは!?死神達もやるなぁ( ̄▽ ̄;)
千葉さんの音楽好きは更に拍車がかかり呆れそうにもなりますが、Epilogueを読んで「あぁ千葉さんもキッチリと仕事したんだなぁ」と思った瞬間、ほろりと涙が… 伏線の回収や、懐かしい人を一瞬登場させるあたり伊坂さんらしさを感じ大満足でした。
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カテゴリー分類が難しいー(^^;;;
やや主人公のダメさにイラつくものの、千葉のキャラクタは魅力的で、楽しく読めました。
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前作「死神の精度」は連続短編集で楽しく読めたけど、今作品は長編。死神・千葉が調査対象者である山野辺との7日間をずっと描いてるんだけど、中盤まで正直、長すぎ。だけど、最後の7日目だけはもっとページ数割いて書いて欲しかったな。
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死をテーマにした作品。伊坂さんの作品は死に関連する作品が多い。死を描く事により、生きる事の素晴らしさを描いている気がします。