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投稿者:和田浦海岸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
岡野弘彦短歌選に
老いづけばなにかにつけて「どっこいしょ」その言霊に元気いただく
前橋市 矢端桃園
『評』はこうでした。
「万葉集に歌があるように古代人は言霊(ことだま)を信じた。
言霊論などというとむつかしいが、生活の実感から言えば老人の『どっこいしょ』など、まさしく言霊の助けである。」(読売新聞2009年2月10日)
ということで、万葉集巻第五の山上憶良をひろげてみました。
「神代より 言ひ伝て来らく そらみつ 倭(やまと)の国は 皇神(すめがみ)の 巌(いつく)しき国 言霊の 幸(さき)はふ国と 語り継ぎ 言ひ継がひけり 今の世の 人も悉(ことごと) 目の前に 見たり知りたり 人多(さは)に 満ちてはあれども 高光る 日の朝廷(みかど) 神(かむ)ながら 愛(めで)の盛りに ・・・・」(p405)
神が出てきたので、神父に連想がいきました。
ジェームス・ハヤット神父について曽野綾子氏が書いております。
(雑誌「Voice」4月号・連載私日記第112回)
「一月十四日・・・・
夕方、京都三条のカトリック教会のマクドネル神父から電話で、長い間日本でテレビやラジオによるキリスト教の宣教に働かれたジェームス・ハヤット神父が、今朝方肺炎で亡くなられたという知らせがあった。『暗いと不平を言うよりも、進んであかりをともしましょう』という言葉で始まる息の長い番組である。今でもこの言葉は、胸に迫る力を持っている。世の中、不平を言っている人がいかに多いか。・・・ハヤット神父は、八十六歳。最近数年は車椅子のご生活だったから、驚きはしなかったが、一生を或る仕事に捧げるとはどのような重いものか、私は少し知っているつもりだ。私は誰よりも息子ジェームスを遠い日本のために捧げてださった神父のご両親に感謝したい。・・・・」(p252)
暗いと不平を言うよりも、どっこいしょ。
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投稿者:帛門臣昂 - この投稿者のレビュー一覧を見る
令和の原典となった、「初春の令月にして気淑く、風和らぐ」の文が収められている。
そのほかにも万葉集の素朴な歌風を楽しむには、最適である。
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万葉集を読んでいると、歌を詠めないことがとてもつまらないことに思えてくる。太古の昔の人々が紡ぎだす芳醇な言葉や感情に驚き心打たれた。
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所持する日本古典文学全集には『萬葉集』も収められているけど、いちいち函から出して開いてが億劫なのためコンパクトで扱いやすそうな本書を新たに購入。このサイズで訳注原文付とは嬉しい限り。
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浦野所有
→10/05/23 和田さん(代理:多田さん)レンタル →10/06/20返却
→10/07/04 田口さんレンタル →10/09/04返却
→10/09/04 福岡さんレンタル →11/03/27返却
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生ける者つひにも死ぬるものにあれば
この世なる間は楽しくをあらな [第389首]
<訳>生きている者は最後は死ぬのだから、
この世にいる間は楽しく生きていきたい。
万葉集を読んだ率直な感想は、「1300年前の連中も、自分と同じようなことを考えていたんだなぁ」というものでした。恋心、死者をいたむ気持ち、自然を愛する思いなどが、高らかに、率直にうたわれています。これを読まずして日本語は語れない!
妹(いも)が見しあふちの花は散りぬべし
わが泣く涙いまだ干(ひ)なくに [第798首]
<訳>亡き妻が見たオウチ(センダン)の花は散ろうとしている。
私の涙はまだ乾かないのに。
●読みやすさ
古語なので、当然のことながら一読して意味がわかる歌は少数。とはいえ、いちいち現代語訳を読んでいては、いつまでたっても読み終わりません。古文の授業じゃないですし。
そこで、「あ、この歌の意味、何となくわかる」とか、「中学で習ったような気がする」とか、そんな歌だけを拾い読みしていくと気楽に読めます。「歌集」なんですから、楽しみながら読まないと。
昔の人たちは何によろこび、何に哀しみ、何を望んでいたんだろう。そんなことに思いを巡らして読むと楽しいです。読了後、「何でいままで万葉集を手にしなかったのか」という後悔すら感じた、名作中の名作です!
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美しい言霊の数々。
やはり柿本人麻呂の詩が好き。霊威に満ちていて。
様々な恋の歌は、感情があふれるようで、胸があつくなります。
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座右の書。初めて読んだ万葉集はもっと手軽な初心者向けの抜粋版だったけれどすぐに全首制覇したくなって購入したのがこれだった。難しく読みにくさはあるが文庫の手軽さでいつでも開けるところにおいてある。全四巻プラス万葉辞典。
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いままであまり興味がなかったのですがふとしたきっかけから読み始めました。
一気に読むよりも気が向いたときに読むのがいいかと思います。
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万葉集はいい歌が残されており、これなくして古代史は語れません(笑)
有馬皇子の
『家にあれば 笥に盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る』
の歌が侘しすぎて泣けてきます。
大津皇子もいくつか歌を残していて、古代人が何を考えて生きていたのか、なんとなく理解できます。
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秋の野の み草刈り葺き 宿れりし
宇治のみやこの 仮廬(かりいほ)し思ほゆ
額田王(ぬかたのおおきみ)の作だろうとされている有名な歌ですが、
この中の、「宿れりし」という訓読の原文が
旧版日本古典文学大系、原文万葉集(岩波書店)、中西進「万葉集」全4巻の3冊の本では
「屋杼礼里之」となっていいるのです。
私が問題にしているのは「礼」という新書体の漢字でです。
戦前まで「新」の字は「禮」になっていたはずです。
沖縄の守礼門も額には「守禮之邦」と旧漢字「禮」が使われております。
つまり、かの額田王は「礼」という字を見たこともない漢字なのです。
更に原文万葉集(岩波書店)ではこの他に、児(兒)、帰(歸)…などが平然と使われいます。
私は訓読や訳文では新漢字を使うことは良いことだと思います。
しかしながら原文はそうはゆきません、西本願寺本を使っているようですが、
この原本がそうなっているとは考えにくい、
どうしてこの様なことになったのか、まことに不思議な事だと思っております。
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万葉学第一人者中西進さんによる
万葉集全訳注+原文こちらの書も「令和」に関する一節が収められたものとして
有益有用です。中西進さん監修!
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万葉集を初めて読もうとしたのは、中学か高校の時か覚えていないが買った本屋は覚えている。神戸大丸の北側にあった本屋(調べたら日東館)。読み始めたが一番目の歌(雄略天皇のことも知らなかった)でつまづく。何度読み直してもあかん。言葉のリズムが取れへんし、現代語と違いどうしても違和感しか感じず、断念。それからオッサンになっていろんなところに旅をするようになり、奈良も行くようになってから持統天皇の「春過ぎて・・・」の歌だけは好きだった事を思い出し、持統天皇のお墓に参拝した時、万葉集を性根入れて読もうかと改めて思いこの本を手にした。岩波文庫とか色々物色したが、原文が書かれていることと中西進氏が著者であることでこれに決めた。
万葉集を読むにあたって、二つの決め事を自分自身に課した。一つはまず、第一番歌を暗唱できるようにする。二つは字の練習も兼ねて原文を含めてノートに書いていく。一番歌は覚えられたので他の歌もと考えている。
この本で印象深いのは、様々な歌たちはもちろんだが、巻頭の解説が良かった。三十数頁ほどの量だが要点が的確につづられていて万葉集を理解しようとしている私にとって参考になったし、興味のある万葉仮名や発音の解説など興味がつきない。
万葉集はまだまだ続く。同シリーズの2巻ももうすぐ届く。楽しみだ。
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子供の頃に親に買ってもらい、いちどちょっとぼろぼろになったので買い直したりして、持っている。
他にも色々優れた本があるが、私にとっての出会いの本はこの万葉集である。