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紙の本
シチューを作るつもりが、アレ?美味しいよ、コレ!
2004/10/26 11:48
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投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
「とちさん、あなたもやっぱり」読んだ瞬間にそう思った。“トチュー”という料理のことである。
煮込み料理を作っていると、その過程でおいしいスープが誕生していることがままある。固形ブイヨンと共に煮込んだ野菜とかたまり肉がとろけ出し、複雑に旨味が溶け合い、「これをこのまま食べたら」なんて思ってしまう。でもそこはグッと我慢し、「完成すればビーフシチューだ」とか「大好物のカレーになるんだぞ」とか、堪え性のない自分に言い聞かせるのだ。
ところが作者のとちさんはやってくれた。我慢せずに、途中の段階の半完成品を、そのまま一品に仕上げてしまった。シチューの途中だからトチュー。それがどんなに美味しいだろうかは、私自身もよく知っている。これはもう「やられた!」と言うしかない。
『クッキングパパ』に登場する料理は、家庭でも挑戦しやすいものが多い。スモーカー(薫製機)やパスタマシーンといった器具も、ホームセンター等で手軽に揃えられる。あとは手間さえあれば、という具合だ。「○○産の昆布でダシをとり」とか「○○産の地鶏をさばき」とか、材料の産地一つ一つにまでこだわる『美味しんぼ』との違いがここにある。『美味しんぼ』の料理、それも“究極”や“至高”のメニューを再現しようとしたら、一体いくらかかることか。
ところがたまに、贅沢な料理が登場する。本書78巻にもそれはあり、なんと鮑を丸ごと1個使って丼にしてしまうのだ。一人前に鮑1個の丼! 更には、伊勢エビの天丼なるものも登場する。頭をとった伊勢エビ1尾を丸ごと天麩羅にして一人前! この天丼はカバーの折り返しにカラー写真が載っていて、見るからに豪快だ。
家庭的な味の連続の中に、頑張れば叶う贅沢が時たま顔を覗かせる。このバランスがいかにも生活に密着していて親近感が持てる。荒岩家を取り巻く人間環境も穏やかで好ましい。これからも、やわらかな物語と多くの料理で楽しませて欲しいものだ。
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