とにかく悪いことは言わないからジャズ好きみんなこれを読むべし。
2005/12/27 14:54
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジャズマンの菊地成孔と大谷能生が2004年,東京大学教養学部で行なったゼミ「十二音平均律→バークリー・メソッド→MIDIを経由する近・現代商業音楽史」の速記本……ぢゃ落語か,講義録だ。いやこの本面白くてさぁ,仕事の合間に1回分(たぶん大学の講義だから90分くらいか)ずつ読んでたんだけど,最後は風呂にまで持ち込んでしまったよ。
この講義で菊地・大谷コンビは,タイトル(講義の方のタイトルね)の通り,話は18世紀に西洋音楽における圧倒的ヘゲモニーを獲得した十二音平均律(バッハの「平均律クラヴィーア曲集」が’有名。オレも手塚治虫の「ルードウィヒ・B」で読んだ),20世紀中葉にボストンにあるバークリー音楽院で教えられ始めたバークリー・メソッド,そしてMIDI(Musical Instrument Digital Interface)という三つを音楽の記号化における三大ピークポイントと位置づけ,これらをマイルストーン(これは文字通りの意味ね,マイルス・ディヴィスの名曲ではなく)として近代,そして現代の商業音楽史を概括しようとする。
そんなもんが面白いのかって? 面白いのだ。チャーリー・パーカー,バド・パウエルらのはじめた「ビ・バップ」が,それまでの音楽に対してどう新しかったのか。十二音平均律に則って書かれた楽譜で演奏されるジュディ・ガーランドの「エンブレイサブル・ユー」と,チャーリー・パーカーによる同じ曲を比較しながらきっちり理論的に説明してくれるのである。
いやあなた,高校1年の時にドルフィーの「ファイヤー・ワルツ」(「アット・ザ・ファイブ・スポット Vol.1」所収)にハマって以来30年近くジャズを聴いてるワタシだが,ビ・バップに関して(他もそうなんだけど)こんなにストンとよく解る説明を読んだのは初めてでんがな。他にもコルトレーンの「ジャイアント・ステップス」のどこがトミー・フラナガンをまごつかせたのかとか,コーダル/モーダルの正体など,目からウロコが落ちまくって掃除が大変。とにかく悪いことは言わないからジャズ好きみんなこれを読むべし。……しかもこれでまだ前期のみなんだよね。後期分もはやく出版してほしいもんである。
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2004年度に東大で菊池氏と大谷氏が行なった一般教養の講義録.この講義を東大でやったというのがまず面白い.やっぱり音楽理論をわかっていないとジャズをちゃんと楽しむことはできなんでしょうか.コルトレーンの「Giant Step」とかマイルス・デイヴィスの「Kind of Blue」の解説には,なるほどそうだったのか〜,と感心しました.
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Jazz研の学生の頃に読んでいれば良かったなあとつくづく思いました。そのときに疑問に思った事が全て語られてます。
講義がそのまま説明として掲載されていますので、読み進めやすいです。
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いわゆる青本ですね。最近出たのが赤本とすると。ほんと、この時の東大授業、何度もモグリに行こうと思ってたのに、結局行かなかったんだよなぁ。ばっかだなぁ。くそばかだよ。。何で、赤本は青本よりも500円も高いんでせうか?この前の奥多摩でやっと全部読み終わったので(途中で読むのやめて他の読んでた)、赤本買いますけど、明日にでも。マイルスの聴き方変わった。やっぱり背景とかわかるとより面白いなぁ。(06/5/8)
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とりあえず、前期のほうを読了。ジャズの通史としては、かなり面白いと思います。
それだけでなく、モダンの扱いや、歴史学そのもの、批評に関する前提の考え方を冗談交じりに、でも、話しているところに好感。
歴史は偏って語られ、批評は万人がし、しかし、それには意味があり、意味を知ることが必要だ。
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ジャズってなに?と聞かれるときっとその魅力を理解している人ほどにその返答に窮する。あまりにも多くの要素を含みすぎた上にアカデミズムとフィーリングの世界の狭間、はたまた過去、現在、未来の時の狭間で揺れ動き、あるいは伝統の積み重ねの上に同時進行する伝統の破壊にこそその神髄があるとでも言えてしまったりもするような、なかなかにその正体を捉え難い音楽(つまりとても音楽らしい音楽でもあると個人的には思うわけですが)というのがその性質でもあるはずだから。その上にこういう実情もきっとある。例えば、日本のジャズ喫茶文化は往年の勢いを失ったジャズシーンをアンダーグラウンドで支え続け今にいたらしめる非常に重要な役割もきっと担いつつも、ジャズをジャズたらしめていたはずの(故に彼等がジャズを愛したはずの)新しい地平を切り拓かしめるためのパワーをいつの間にか奪う役割をも一方で担い始めてしまうに至り、つまり、そこをいつの間にか支配するに至り始めたのは、伝統の革新よりもむしろ伝統の保護ばかりに重きを置くかのようなノスタルジズムの色を濃くしたかのようなムードでもあり、必然の流れとでも況わんや、そのシーンから発信されるのはアンコンテンポラリーなニオイをまとうに至ってしまった薀蓄。果たしてジャズと呼ばれた音楽のある種のフォーマットはまだ見ぬポテンシャルとか可能性を様々に秘めていることをそのもの自体としては示しながらも、かつての名残でしかなくもあるはずのステレオタイプなイメージの枠にはめ込まんとするかのようなプレッシャーに、そのシーンの外側からも内側からも晒され続ける憂き目を見てきたとも言えてしまうのではないだろうか。本書はそう言う状況に対してのアンチテーゼを高らかに唄うものではないけれど、ジャズのポテンシャリティを強く信じるが如く、そして深刻ぶらないためのユーモアも交えながら、シーンからリスナーに向けて投じられている一石のような印象を受ける。まあしかし菊地さんはやっていて楽しいことを好きなように続けていくためにご自身の立場から必要に思えたり、やれそうに思えること、やりたいことなんかを楽しみながらなさっているだけなのかも知れませんが。紹介されている音源も用意しながら読みたくなる一冊ですが、テンポの良い語り口は読んでいるだけでも充分に楽しめるように思います。著者のジャズとか人間の存在とかへの愛情を感じさせてくれる一冊でもあるように思います。てか菊地さんってばホント物知り!w
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ジャズの歴史をその独特な音楽進行を理論的に説明した「バークレー メソッド」を主軸として講義した講義。
音楽、特に商業音楽の歴史を作家性や市場的観点より音楽が内在する構成に基づいて議論したという
点で稀有な一冊である。
敷居が高いと思っていたジャズを統一的な見方で再構成した上で所感を述べるという形が入門書としても
最適である。
もちろん実際のジャズあるいは音楽の歴史というものはそう簡単に語られるものでないことも確かであり、
実際のしかし実際に講義に出て曲を聴くのが一番いいのは確かだが、そうした観点からも
序文の「およそ人間が編纂する歴史は総て偽史である」という言葉を謙遜でも不遜でもなくそのとおりに
受け止めさせられ、著者の主張の重要性の高さが感じられる。
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二〇〇四年度、東大教養学部でおよそ三〇〇人の学生とモグリを熱狂させたジャズ史講義、ついに刊行!ジャズ史の新たなスタンダード。
(「BOOK」データベースより)
資料番号:010820264
請求記号:764.7/キ
形態:図書
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菊地成孔が東大で行ったジャズの講義録である。
講義をまとめたものだけあって、体系的にまとめられている。
しかしながら、実際には音源が無いわけなので、ジャズを一通り聴
いた人向けの本である。
私にはなかなか難解な部分も多かった。
ジャズを
十二音平均律→バークリー・メソッド(コード・シンボル)→MIDI
といった流れから見て、解説を行っている。
しかしながら、相当なジャズ好きでないとしっかりとわからないだ
うから、ジャズを聞き込んでから読んだほうがいいだろうと思う。
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菊池成孔の語り口が個人的にかなり鼻につきますが、時折切れ味鋭い分析にやられます。コルトレーンのジャイアントステップの箇所とかね。
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浅いJazz聴きですが、知った曲も多々あり、読みやすく。
また、音の表現方法・理論も納得しきり。
そして、新たな切り口にはびっくり。菊地氏・大谷氏・・・一筋ではいかない方だなぁ。そこが好き。
嗚呼、学生だったら絶対モグり混んでいた講義だわ。
こうやって活字にしてくれるのが、ありがたい。
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授業でかかっていた音源を実際に聞かないとちょっと理解が足りない感じかもしれないな。
まあでも予備知識がほとんどない状態で読んだけど楽しめた。
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2010/11/4 読み始め、
2010/11/13 読了
面白かった。フリージャズについて以外は目新しいことはなかったのだけど、点と点の繋げ方が面白かった。平均律とMIDIはあまり関係ないと思った。
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異端のサックスプレイヤー菊池成孔による東大ジャズ講義録。
ジャズの創世記から全盛期、衰退期までを追ったジャズ史を楽しく紹介している1冊。
講義録ということもあって、紆余曲折あり、余談ありの楽しい講義録である。
ジャズ史であり、理論的なことはほとんど出てこない。しかし、個人的に音楽家と会話することが多く、その音楽哲学の違いがこういうところから発生していたのかと納得させられる。
ブルース、バークリーメソッドからMIDIへの系譜が説明されている非常におもしろい講義録だった。
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すごく面白い。
ただ、文字だけで音源がないとあんまり入ってこない。
憂鬱と官能~もそう。
この講義自体があった頃はあんまりだった気がするが、
今ならyoutubeとかで聞きながら読めるかもw
CSで番組やってたやつも見たいんだけどなーw