電子書籍
ホント
2019/08/17 19:37
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
被害者意識になって、加害者を叩くならまだしも、弁護士などを執拗に叩く人達は何なのだ?と思う。一見正義感に燃えているのだろうが、このおかしな正義感が普通であるようにだけはならないでほしい。
紙の本
同じことを幾度も書いていたりするが読むたびに新鮮
2018/11/11 21:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
ダイヤモンド社「経」に2007年10月から約6年に渡って連載されたものをまとめたものだ。あとがきにも書いてあるが、同じことを幾度も書いていたりする。でも、読むたびに新鮮なのだ。あまりこういうことを書く人が少ないからかもしれない。私たちはこういう人の書いたものにもっと触れて、じっくりと考えるべきだ。
投稿元:
レビューを見る
読んでいて、得心する部分は多々あったが、とにかく日本の今後を考えると気が滅入る。筆者はそろそろ方向を変えると言っているし、僕も現状を打開したい。今後の日本の行く末に明るい未来を描きたい。
投稿元:
レビューを見る
今漠然と感じていた問題意識と内容がかなりリンク。
定期的に読み返したい。
また厳罰化と全く逆の政策を取っているノルウェーに興味津々。
フィンランドにノルウェー、やっぱり北欧に行ってみたい
投稿元:
レビューを見る
著者は、映画監督で作家で、明治大学の特任教授もやっているらしい。連載されていたコラムのようなものをまとめたもの。
投稿元:
レビューを見る
雑誌『経』に掲載された著者の40編ほどの連載を、加筆修正してまとめたもの。
古くは2007年のものから、2011年の東日本大震災直後に書かれたもの、本書刊行の直前(2013年夏)に書かれたものまである。
実は印象的なタイトルにひきつけられ、死刑制度についていろいろ著書のある著者の本であることもあって、そのあたりを掘り下げた本かと思い手にしたのだが、タイトルはあくまで連載の一つにつけられたものだったようだ。
よって、話題はオウムはもちろん、国際社会の在り方から司法、思想、現代社会の暗部などなど多岐にわたっており、本来のテーマとしては、サブタイトルがそれを集約しているものと思われる。
人々が集団になったとき、実体のない「共同幻想」(吉本隆明氏の造語らしい)にとらわれ暴走する。その論理が、社会で起きている様々な現象に当てはまっていることを、著者は危険視している。
「国家は前提であり実体はない」という言葉は印象的だ。一見唐突なようだが、国というものを端的に表している。国際社会という視点で物事を考えるとき、常に頭の隅に意識しておいたほうがいいのかもしれない。
さて、やはりというべきか、本書の中でニルス・クリスティの修復的司法の本『人が人を裁くとき』について言及されている。著者はご本人にも会われたらしい。
クリスティの本、ずっと積読のままだなあ、読まねば。
投稿元:
レビューを見る
死刑制度、原発、裁判員制度…
様々な問題に斜め上から鋭く切り込んだエッセイ集。
これを読めば、間違いなく自分の意見が持てる。
かなり面白いです。
(院生アルバイトスタッフ)
投稿元:
レビューを見る
賛否を問うのではなく、論理的思考とはどのようなものなのかを知るためにより多くの人が読めばいいと思う。
引用が多用されているようにも感じられるだろうけど、より客観的であろうとする試みとして受け入れられる。
死刑の是非を考えるテーマで、非常に考えさせられた引用があった。命は罪を償う手段として利用されるべきではないというもの。確かに、罪は償えない。時間を戻せないのと同じ。加害者の死の執行と、被害者の死の取消とどちらを望むかは明らかだ。
投稿元:
レビューを見る
表題を含む多くの事案について書かれた雑誌掲載コラムをまとめたもの。副題の方が本書に書かれた内容を端的に表していると思う。中心になっているのは当然ながらオウム関連のものが多いが、その他は映像制作者としての著者の立ち位置からのものが目立つ。幅広い諸問題に対する著者の見解にうなずいたり首をかしげたりしたが、めんどくさいからと日頃スルーしてしまっている問題を、ちょっと立ち止まって考える、その切っ掛けを与えてくれる良書だと思う。
投稿元:
レビューを見る
とても勉強になった。共感する点も多かった。保健所で殺される犬や猫は安楽死していると誰もが信じていること。犯罪容疑者の顔ではなく手錠にモザイクをかけるテレビ。病院で履き替えたスリッパを重ねて下駄箱に突っ込むことの不自然さ。挙げ始めたらきりがない。読みながら、何度も自分の無知と想像力のなさを恥じたい気持ちになった。
ついでにいえば、私は森氏が過去にものしたいくつかの著作(とくに『放送禁止歌』や『職業欄はエスパー』)に深く感銘を受けた。これらに匹敵するノンフィクション作品には滅多に出会うことができない。そのうえで、しかしこの本には★2つの評価をつけたいと思う。なぜなら、本書で目的とされているはずのこと、すなわち「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人びとをなだめ、その視野を拡大することに、森氏が成功しているとは思えないからである。
森氏の主張は基本的に筋が通っている。現場を見てきたからこその説得力もある。もともと雑誌の連載だから文章の質はまちまちだが、読みやすさにかけてはまず一級品だ。しかし、彼が問題視する危険な共同幻想に無自覚な人々が、この本を手に取ることはまずないだろう。理由は簡単、古いことわざで言えば「良薬口に苦し」というやつだ。自分の間違いを指摘されて、「私が間違っていました。あなたのほうが物事をよく考えているし、実践もなされている。倫理的にも私は浅はかだった。申し訳ありませんでした」と素直に言える人はそう多くない。
どんなに正しい主張でも、相手に届かなければやはり虚しい。そればかりではない。明らかに理不尽な主張をする相手と対峙した時、「なぜこの人はこんなおかしなことを言うのだろう」という方向ではなく、「この人は間違っている、なぜなら……」という方向にばかり思考が進む時、それはむしろ対立の溝を深める結果しか生まないだろう。現に本書には、「著者の主張に共感した」というレビューが多数寄せられている。だが重要なのは、主張に共感してもらうことでは実はない。自分はなぜそれに共感を抱き、一方でそうでない人がいるのはなぜなのか、そこに思いを馳せることである。自分と異なる考えをもった相手への蔑視と挑発のニュアンスが色濃いこのようなタイトルの本が、その手助けになる可能性は低い。
そんなことは森氏も重々承知なのかもしれない。そのうえで、「共同幻想」(もう少し一般的な言葉で言えば「同調圧力」または「空気」?)というキーワードによって、「彼ら」の(あるいは我々の)思考原理を炙り出すことを試みているのかもしれないが、残念ながら、このキーワードにそこまでの深みはない。
何はともあれ自分が正しいと信じることを述べ、援軍を増やしていくという観点からは、この本にも一定の価値はあるだろう。ただひとつ言えること、それは、森達也はノンフィクション作品の作り手として一流であるということである。
投稿元:
レビューを見る
人は、不安や恐怖に襲われたとき“共同幻想”を抱いて集団化する。メディアや扇動家に簡単に振り回される。そして、暴走する。
そんな中で生きる我々には、自分の頭で考え、想像力を養うことが大切なのだろう。
投稿元:
レビューを見る
あまりにもタイトルが刺激的だけれど、森さんが日々感じる小さな違和感にはっとさせられる。いつの間にか当たり前に見過ごしてしまっていることに愕然とした。
「被害者の気持ちを考えているのか!」というような発言に傷ついたこともある。それと同時にそう言ってしまう人の心も気になっていた。森さんのような人が物書きとしていることにほっとした。
森さんの主張することにただ共感するのではなく、自分で考えて吟味してみるという姿勢を忘れずに自分のこと、世の中のことを見ていきたいと思う。
それにしてもノルウェーが気になる。日本とは対極の国。
投稿元:
レビューを見る
ネットで非国民、売国奴、ブサヨと非難される森達也さんの連載をまとめた本。
タイトルにおよそ内容が凝縮されてしまっています。
善意は陶酔しやすく、一方向に加速する。今日もネットにはたくさんの、誰が誰に対して向けているのかわからない善意があふれています。怒りも同じ。
ただ森はニーメラーの警句を引用し、そしてそれについて解説を加えない。読むたびにいろいろ思う、考える、とだけ述べて。
反射的に水に落ちた犬を叩くようになった正義の味方たちと、ニーメラーの警句。きちんと想像力を働かせておかなければいけない。水に落ちた犬をいつも叩くべきではないが、叩いたほうがいいかもしれない。
「日米同盟」とか「安全神話」とか、誰も作っていないものが、さも存在するように語られる。その背景にだって思いを馳せなければならない。それか、そうじゃないなら沈黙したらいい。と、僕はそんなふうに読みました。どうぞ正義の味方の方々にも読んで欲しい。ネットにも元連載載ってますから。
http://diamond.jp/category/s-mori
投稿元:
レビューを見る
普通なら知りたくないこと、フタをしておきたいこと、目をそらしたいことに、いつでも真摯に向き合って取材している森達也さん。すごいことだと思う。問題に向かってなにかをするのは難しいけれど、せめて知らなきゃいけない。その姿勢がすばらしいと思う。
著者本人が、自分の本はなかなか人に読んでもらえないと嘆いていらっしゃるけれど、そりゃそうだ、見たくないこと・聞きたくないこと・知らずに済ましたいことしか書かれていないもの。でもだからこそ、私も森達也さんの本を一人でも多くの人に読んで欲しいと願う。もう、目を逸らして知らずに済ましてもなんとなく幸せに生きている時代ではないのだから。
ここにあれこれ感想を書くより、とにかく読んでみてほしい。散々書き散らしておきながら言うのもなんですが。
投稿元:
レビューを見る
本書の題名を、貴方にこそ言いたい。上杉氏との対談本をよんでいてなんかしっくりこないこんじがあった理由が今分かりました。