電子書籍
オチの切れ味
2022/05/10 14:51
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
一芸に秀でたものは多芸に通ず...ということわざがあるが、そのことわざを短編小説にしたような作品である。ジャズと抽象画という一見関係なさそうな2つの芸術をうまく繋いでいる。短編小説に必須の幕切れオチの切れ味も大変に素晴らしい。
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音楽ミステリ短編集の大傑作!
2021/01/30 17:46
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投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
天才肌のサックス奏者永見の飄々としたキャラに好感が持てます。名探偵ぶりも見事だが、軽快さが印象的。ジャズのことがよく知らなくてもとても楽しく読める音楽ミステリでした。また本格ミステリ短編集としても高いレベルで、特に表題作の「落下する緑」は盲点をうまくついた作品でした。他の作品も論理のうまさが際立つものが多く、かなり贅沢なミステリに仕上がっていると感じました。
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音楽によって解ける謎。
セクションによって解ける謎。
『音楽』という、分かるような分からないような世界での謎に
驚くところもありましたが、そうなのかと思うようなところもあり
面白かったです。
短編集になっているので、少しだけ読み進めるのによいですが
その後にジャズの解説がついているので、それに興味がないと
読める範囲が少ないです(笑)
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ジャズとからめた事件。
音楽のことは全く知らないが、楽しめた。
殺人事件でないところがいいと思う。
落ちは読めてしまうけれど、後味がいい。
珍しく探偵役が好きになった。永見くん(テナーサックス奏者)、かっこいい。
作者がジャズ好きなのか、1話区切りにお勧めCDの紹介が入っている。
しかし音楽やっている人は皆こんなに個性的なのでしょうか。
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ジャズのことをよく知らなくても楽しめた。
安定感のある良い連作短編集だと思う。
ただ「青」の湖波先生についてはモデルが誰だかわかるだけに複雑な気持ちだ。
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唐島英治クインテットのメンバー、永見緋太郎は天才肌のテナーサックス奏者。音楽以外の物事にはあまり興味を持たない永見だが、ひとたび事件や謎に遭遇すると、楽器を奏でるように軽やかに解決してみせる。逆さまに展示された絵画の謎、師から弟子へ連綿と受け継がれたクラリネットの秘密など、永見が披露する名推理の数々。鮎川哲也も絶賛した表題作にはじまる、日常の謎連作集。
面白かった。
ジャズに関しては、全くの門外漢だが、
それでも問題なく読み進められた。
著者のジャズに関する愛情がいっぱいなことが
ひしひしと感じられるが、押し付けがましくなく、
主人公の永見の常識ハズレな言動も、その類まれなる才能、
それをひけらかすことない性格とあいまって嫌味がなくて良い。
コージーミステリー然とした内容もよく、
本作に納められた短編のそれぞれの題名が「色」で統一され、
よくできた構成だと思う。
ただ、それぞれの短編最後に収められた、
ストーリーに関連したジャズミュージックの「著者オススメアルバム」に関しては、申し訳ないがスルーしてしまった。
恐らく、思いいれたっぷりのこのシリーズ、
すでに自作が発行されているが、
もちろん読んでみるつもり。
またしても「薀蓄」がはさまれている予感がするが、
きっとそこは再びスルーだろうな。
・・・が、永見に会えるのが、今から楽しみだ。
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これは人に勧められます。
で、田中啓文が気に入ったら、梅駆くんの話じゃなくて、『忘却の船に流れは光』を勧めるといいでしょう (゚∀゚)
いい話です。
2話目って、細野不二彦の『BLOW UP!』にほぼ同じオチの話があったような気がしますが、JAZZはそういうものです。
そういうものなんです。
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私はオーケストラより吹奏楽が好みで、一番好きな楽器はクラリネットです。でもジャズのテナーはまた別格ですよね。この本の主人公、永見緋太郎は唐島英治クインテットのテナーサックス奏者で、世の中の人間がすべてアンパンマンかジャムオジサンであると思っている性善説信奉者です。短編集ですが、章題が「落下する緑」「揺れる黄色」「反転する黒」「遊泳する青」「挑発する赤」「虚言するピンク」「砕けちる褐色」と色つながりになっていて、さらに各章の間に「田中啓文の『大きなお世話』的参考レコード」というコラムがはさまれているという楽しい構成になっています。内容も音楽だけでなく、絵や小説など多岐に渡っています。
田中啓文は『笑酔亭梅寿謎解噺』シリーズで噺家のお話を書いていましたが、多趣味ですね。ご本人もテナー奏者で、CDも出ているそうです。演奏も聴いてみたいですね。(本書にCDの入手先URLが書かれていましたが、つながりませんでした。残念!)
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下する緑の続編です。
前回は色シリーズですが、今回は味シリーズ。
ジャズの事はわからなくても楽しめます。
相変わらず天然(?)の永見緋太郎ですが事件を解決していきます。
続編も出たら読みたいシリーズです。
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田中啓文さんの落語シリーズも好きだけど、このテナーサックス奏者永見の推理小説も楽しかった。推理小説としておもしろいだけでなく、ジャズマンのこと楽器のことも楽しく学ぶことができた。「大きなお世話」的参考レコードで紹介しているアルバムは早速聴いてみようと思う。
最後の「砕けちる褐色」の謎は聞いてびっくり!
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ジャズをテーマ・・・というほどでもないな。ジャズの奏者が登場人物というだけで話の核にジャズってほどでもないように思う。
一編一編が短くサクッと読めるのは悪くないですが、裏を返すとどの話もすぐに終わっちゃって消化不良感が否めない。それでいて謎が面白いかというとそれほどでもないような。。。デビュー作だからかな?ちょっと粗削りにすぎる印象。
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jazz(英字が似合う気が)プレイヤーが探偵役の推理短編集。
かなりjazzの蘊蓄が身に付きます。
解説もしっかりしてるので、聴きながらって
楽しみも出来ますよ。
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今まで手が出しづらかったjazz。そんな過去を吹き飛ばして、読了後すぐに近所のレコード屋へjazzを求めて走った。知識ゼロに等しいので迷わず店員に声をかける。「スウィングしてるヤツ下さい!」 すると出てきたのが何故かジャグバンド。まぁこれはこれでアリだけどさ。兎にも角にもスウィングしたい人にはこの本オススメだ。
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天才肌のテナーサックス奏者・永見緋太郎が探偵役となって、日常の謎を解決する、七色の連作短編集。
自身もジャズ愛好家でサックス奏者でもある著者が、人並み外れた耳と感性でサクッと謎を解くストーリーを書くのは、相当楽しかっただろうな〜と伝わってくる。
永見の推理は、時に理屈ではなく彼が感じたことに基づいているので、そういう意味での面白さはない。
けれど、とにかくジャズ愛と遊び心でいっぱいで、読後はにやり。
各編の最後に、愛盤の紹介付きで、さらにオマケに解説が山下洋輔。
大サービスです!