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ほのぼのとしていて、よかった。
主人公は、井上靖の境遇に限りなく近い少年で、井上靖の人生そのものの小説。
何の縁があるのか、井上靖が大好きな私。もっと読みたい。
解説もすごくよかった。
受験にことごとく失敗したことなどから来る劣等感が井上靖を井上靖にした、という。
京セラの稲盛会長もそうなんですよね。
劣等感があるからこそ、頑張れた。
まあ、コンプレックスや劣等感を持たない人っていないから、それを乗り越えられる人だけが大物になれる、ってことだと思います。
さらに解説では、小さい頃、土蔵で一緒に暮らした親戚の若い女性が、井上靖にとって生涯の理想の女性になった、と書いていました。
確かに、井上靖の小説に出てくる女性はみんな凜としていて美しい人ばかり。モデルの女性は一人なのかな。
表紙の絵もいい。
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井上靖さんの作品。
大学時代に、この方の作品を買い漁って読みました。
一番最初に読んだのが多分コレだった。
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(昔書いた感想を引っ張ってこようシリーズ)
左山かっくえええええ〜〜〜〜〜!!!!!
主人公のライバル・左山がかっこ良過ぎて吹っ飛ぶ。登場の仕方からして鮮烈で、加えて、小柄な美形!?色白!?唇真っ赤!?いいとこのお坊ちゃん!?そして、その人を小バカにしたところのある天才っぷり…。
主人公との再会シーンもたまらん。鮎太ポロポロ泣き出すし。
かっこいい美少年好きな人は絶対読むべきでしょう!こん中の「勝敗」だけでも(・・・)読むべし!!
萌え萌え話じゃないけど「深い深い雪の中で」も好き。キレイ。
なんかタイトルからもっと泥臭い話だとばっかり思ってた・・・。
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2009/1/16(〜p223終)
なんとなく気になったので読んでみました。
正直、読んでいくにつれて鬱蒼感になっていく傾向がありました。
暗い!小説というわけではないのですが、
今の私からすると、とても悩まされるというか、
「あすなろ・・・ねえ・・・・」と言った風に読んでる最中・読んだ後にも深く色々と自分のことを見直さなけらばならないなーと考えさせられました。
内容としてはとても面白かったです。
文体もとても読みやすく、いい意味でいろいろ考えるなーという小説でした。
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”あすなろ”でもない主人公と自分が重なるところがあって、痛いところを突かれたと感じることがありました。
あすなろう。
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井上靖の自伝的な小説。
読み終わって知った。
主人公の成長に合わせて登場する女性たちは
それぞれ特長があり、それらの彼女達との接触が
主人公を陰から成長させているような気がする。
読みやすい小説であり
かつ味がある一冊だと思う。
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あすはひのきになろうとする「翌檜」の誰一人としてひのきになれない。それが美しく見えるのは「物語」を読んでる所以か。何となれば本を閉じれば僕らは何やら精一杯だから。
運命はあって、それを知って(あると思って)、尚もがく。説明がつけられない。もしくはこれにて結論なのか。
戦争の終末、鮎太の周りに「翌檜」さえいなくなる、という箇所も割と悲しい。
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「明日なろう、明日は檜の木になろう」と、有名文句が含まれた自伝的小説。著者は檜のような立派な木にはなれない「翌檜」を努力しても報われない人々に例えて、それでも力強く生きていこうとエールを送る。
この作品、児童向けのさわやかな青春文学だと今まで思っていた。しかし、読んでみると、心中あり、性的描写あり、劣等感あり、さらに時代が戦時中というのもあり、読後感はどんよりと重い。
主人公、梶鮎太は幼少期にあこがれていた女性が心中するという強烈な体験に始まり、常に女性に翻弄される。ある女性には「あなたは翌檜でさえもない」と言われでも、言い返すことができない。しかし、彼だってゆっくりと成長して行く。そして、自分の歩みの遅さに劣等感を持つが、苛立つことはないし、他人や世間に責任を転嫁することもない。
とにかく、一歩一歩着実に進むこと。檜になれる人間なんてほんの一握り。人は多くの挫折を経験しながら、成長していくのだ。
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2009.11.03. 久しぶりに読み返したら、またおもしろい。まだ小さい頃の部分を読んでたら、「しろばんば」も読みたくなった。途中でしもりをして、お見舞いとする。
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家族旅行に出かけた大学2年の夏。
父が運転する車の中で、黙々と読んでいた本。
気持ちが悪くなるんだけど、でもどうしても読みたくなる本でした。
若い人に勇気をくれる・・・
何度も読み直したくなります。
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井上靖の「しろばんば」からはじまる自伝的要素の強い作品を全部読むのが大変!という方におススメ。
「あしたヒノキになろう」と想い続ける主人公をはじめとする登場人物のそれぞれの人生に、たぶん誰もが共感し、心温まります。独りでいたいけれど、独りではさびしいときに、どうぞ。
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「氷壁」以来の井上靖。
自伝的小説になるのだろうか。とても深く刻み込まれた一文があったけれどもそれが何なのか、どう消化すれば良いのかわからない。
たぶん、認めたくないないのだろうと思う。
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私の学生時代の読書感想文本番付第二位(中学・高校との二回。ちなみに一位は「こころ」「十五少年漂流記」)。
久しぶりに読んでみた。
「あすなろ」は檜になりたくても、決してなれない翌檜の木。
主人公も自らの思いが果たされることはなく、人生のむずかしさを感じながらも「檜になれない翌檜」のように、あすなろう、あすなろうとする健気な姿に心打たれたと感想文を書いた記憶があります。
今もその気持ちはあるけど、当時とはまた少し違った気持ちで青春時代のもがきを感じた気がします。
人間はそれぞれ孤独だけど、だからこそ人の交わりを持ちたいと願うし、人と交わることを諦めないんじゃないかななんて思ってみたり。きっとこの本を私がわかるのはまだまだ先なんだろうな。また何年か先に読み返してみようと思いました。
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君、勉強するってことはなかなか大変だよ。遊びたい気持ちに勝たなければダメ。克己って言葉知っている?
自分に克って机に向かうんだな。入学試験ばかりではない。人間一生そうでなければいけない。
明日は檜になろう、あすは檜になろうと一生懸命に考えている木。でも永久に檜にはなれないんだって。それであすなろうと言うのよ。
あらゆる人間の営みは絶望的であったが、そうした中においてもなお人間は生きなければならない。生きることだけが尊い、そんな感情の昂りだった。自分が生きていたという不思議な今日という日に対する感激だった。
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女の人それぞれの描き方というか位置付けというか、揉まれながらおっきくなっていく様興味深かったです。
詩と真実。