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章ごとにテーマが具体的で読みやすく、地形を根拠に説得力ある歴史解釈が面白い。とくに徳川家康の狙い、忠臣蔵については興味深い内容で、その時代の歴史を再度読み返してみたくなった。
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地形や気象などの理系視点で、いろんなことが分かるものなんだなぁと感心した。
特に徳川家と吉良家の話はおもしろかった。
他のシリーズも気になる。
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日本史を下部構造である地形と気象から読み直してみようという試み。人文社会学的にどうかは別にして、それ自体があんまり他で見ないので新しいし、興味深い。気になったのは都市が備える安全、食糧、エネルギー、交流軸の条件や、都市では権力者が緑地を作らなければなくなるとか。
他にも関東平野が縄文時代は海であり、16世紀には湿地だったのが江戸幕府が開かれてお手伝い普請で利根川の東遷等がなかったら今の関東平野はなかった。比叡山の地理的戦略的重要性。不衛生な京都で流行った疫病を恐れ、日本一小さな首都だった鎌倉に閉じこもって人口流入を防いだ源頼朝。元寇が失敗した理由は泥にはまってあるいは森に阻まれ牛馬の動力が奪われたから。江戸の赤穂浪士の潜伏先や泉岳寺に埋葬されていて高輪大木戸が移されていることや吉良家と徳川家の関係から赤穂浪士の討ち入りは幕府に仕組まれたものとする説。吉原遊郭の移転と日本堤。奈良、京都、東京への遷都の背景などなど。
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忠臣蔵の浪士潜伏先が半蔵門付近。吉良家が八重洲から隅田川向こうの本所。赤穂浪士のお墓のある泉岳寺が家康創立の今川義元菩提寺で高輪大木戸の前。幕府アウト~♪
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地形や気候などの「地学」的知識によって、日本史の定説を次々と覆していく痛快な一書。既存の歴史学がこうした初歩的条件を無視していたとしたら、知的怠慢としか言いようがない。マルクス曰く、「歴史記述はすべて、全歴史の自然的基礎ならびにそれが歴史の行程の中で人間の営為によってこうむる変容から、出発しなければならない」(ドイツ・イデオロギー)。この言葉を思い出したのであろうか、著者は地形や気候などの自然条件に「下部構造」というマルクス主義の用語を借用する。しかし、本来の「下部構造」はあくまで経済的な生産諸関係の謂いであり、わざわざこの語を当てる必要もないと思うのだが。
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地形から日本史の謎に臨んだユニークさが売り物。
全体には面白いが、中には強引な我田引水のものもあります。
例えば、江戸城の半蔵門。大手門が正規の正門ではなく、半蔵門が正門という主張。城外から城内へ唯一橋ではなく土塁で繋いでいるのは正門の証しだと強引に結論付けている。
別の本で調べたら、半蔵門が土塁で築かれているのは、将軍の脱出用として、橋では万一壊れたり、焼け落ちたりするが、土塁にしてそういうリスクを避けている。そして半蔵門に繋がっている甲州街道を使って天領である甲斐まで落ち延び易いように、半蔵門の周辺や甲州街道沿いには、百人隊や千人同心は配置されているとある。
こちらの説の方が説得力があるようです。
というような箇所もあるが、ユニークな切口で、それなりに歴史を楽しめる。
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タマフルの推薦図書になってたので購入。なるほどと思える話が多く楽しい。後半ちょっとワンパターンかも。
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こんな内容だと歴史も身近に面白く感じることができます。半蔵門や、忠臣蔵、徳川の軍事水路、京都の遷都など。
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なぜ平城京は遷都したか、とか、江戸城をめぐる話とか面白かった。特に江戸城の話では、現在のあそこ、ここと出てくるので、電車の中で読みながらスマホでGoogleMap
で確かめたり(^^; 本書では取り上げてなかったけど、説明されて地名の由来に気がついたりして、なるほど~ 利根川がもともと東京湾にそそいでいたというのにはびっくり。
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2015/09/03:半分まで読む。
昔は、今よりも、地形が社会構造や出来事にあたえる影響が大きかったという本である。
そうなのかと、思うことが度々ある、非常に新鮮で、斬新な観点を与えてくれる本。
2015/09/12:読了
いや~~おもしろかった。
特に、
尾根の道から半蔵門が主要な門であること
人口の増加と、水・エネルギー不足から、首都の奈良→京都、京都→江戸を導き出したところ
地形
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半蔵門のこと、忠臣蔵のこと、家康がきた頃の江戸のこと、なかなか面白かった。自分の住んでる場所や転勤した場所、旅行先などで、著者のようにいろんな興味を持って、また自分なりの仮説を立ててみるというのは、楽しいだろうと思う。著者の説は、説得力がある。
それと、家康という人は、さすがだなぁと感心した。
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土木工学を学ばれ、建設省に入省、そして、河川の仕事で日本全国の地形、気象などに関する知見を蓄積され、著者曰く、地形・気象・下部構造(インフラ)から読み解く、歴史。
人間が歴史的に残して来た社会・文化的情報から歴史を読み解くことは避ける。
しかしながら、浮世絵などは、文化的遺産としてではなく、写真データとして読み取っていく。
遷都せざるを得なかった理由として、木材の枯渇、飲み水の確保、人口密集による疫病の蔓延などなど。
権力者のバイアスのかかった文書は片隅に置きながら、下部構造から歴史を読み解く、とっても楽しい本でした。
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歴史なんてものは近代史以外に全く興味のなかった当方が、めっきりのめり込んだ一冊。ある視点から歴史を見ると、こんなにも興味の湧き方が異なるものか。各地には歴史上の人物たちの苦悩があった。現代を生きる人間の一人として、やはりその歴史を知ることは義務であると感じる。
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・なぜ日本語は分裂せず、「方言」にとどまったか
・地形と気象の多様性で生き残った列島
・江戸時代のインフラと肥料と赤潮
・幕の内弁当や庭園に代表される詰め込み文化
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面白かった。
この本にも出てきたが、島国、しかも極東という位置、大陸との間の早い海流が、日本という国を今までぬくぬくと生き延びさせてきたと思っているので、地勢が歴史に及ぼしている影響が大きいという著者の考え方は、非常に納得のいくものだった。
というよりかは、当然でしょ?ぐらいの気持ちで読み始めた。
著者は歴史学者ではないし、学術的なプロでもないので、ところところ、それはちょっと正しくないな、と思わせる表現があったので、一から十まで鵜呑みにするのは危険だが、全体的には説得力のある説が展開されていて面白かった。
源頼朝は湘南ボーイだったので、疫病の巣窟、京都を嫌ったとか、発展性のない鎌倉に閉じこもろうとしたので暗殺されたとか。
江戸時代が長く続いたのは、日本最大のプランナー徳川家康が関東「湿地」を関東平野という米どころに変えたからだとか。
ただ、江戸の無血開城が、すでにモノの流通によって「日本人」としての帰属意識ができていたからだ、という説はちょっと弱い。
山脈によって、物理的にも気象的にも分断され、南北に長いため気候も異なる島国が、同じ「日本人」と考える根拠が、江戸時代の海上運送だけで説明するには心もとない。
ただ、熱帯モンスーン気候で発生した米作が、日本に来ると、平野が少なくしかも水はけの悪い沖積平野、河川は急勾配、大陸と海の高気圧の影響で年間を通して変化し続ける気候、とあってはのんびり種をまいて育てるわけにはいかず、集団で灌漑を行い集中的に耕作しなければならなかったという説明には、納得がいった。
日本人の集団を優先する気質は、米作が影響しているという説はぼんやりと理解していたが、日本の気候・地形が関係しているとわかり、理解が深まった。