紙の本
長寿がお目出度いことと言えないくなってきている現実を直視しようという姿勢に強く共感する。
2016/11/23 00:44
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
平成21年9月15日現在で、65歳以上人口が2,898万人(22.7%)、80歳以上人口が789万人(6.2%)、100歳以上の長寿者の80%以上が「寝たきり老人」であり、国民の平均寿命が男約80歳、女約85歳という現実をみるなら、長寿がお目出度いことと言えないくなってきている現実を直視しようという姿勢に強く共感する。更に、個々人の立場から考えると、勤労年令を60歳とみるか65歳とみるかによって若干の違いはあるが、残りの“老後”期間が少なくとも男で20~25年もあり、この期間は過去の蓄積のみで生活するしかないし、体力的には自立するのは難しい状況に陥ってくる。いや、健康の面から見るなら、50歳を超えたあたりから既に高齢者=老人の仲間に近くなり、60歳では立派な老人という人の方が圧倒的に多いであろう。つまりは、概ね60歳以上は社会のお荷物としての“人生”を送ることとなり、その人口が既に20%を超えて将来的には30%、40%と急上昇していくというのが直面する高齢化問題である。そこから出てくる答えは、“延命”としての長寿ではなく、“健康”での長寿であり、“適当な時期に”寿命をまっとうする生き方であろう。とは言え、年を重ねるほど命根性が汚くなるのが“老人”であり、他人に迷惑をかけずに逝けるという幸福な人がそれ程多くないのが現実である。それでも、“健康”であることを少しでも持続させ、すみやかに逝くための心掛けは無意味ではないと思う。本書では、現在支配的な“情緒的延命長寿思想”に対してさり気無く挑戦する形での問題提起が仕込まれており、その点でも私の考えと類似するものがあり、大いに参考となった。また、小難しい議論や哲学的表現ではなく、平易な表現で随筆風の文章も馴染みやすく好感が持てた。
なお、本書の中でも何度か触れられている前書『下山の思想』はどうもピンとこない本であった。何か読み落としているのだろうか。再読してみよう。
紙の本
この本は、自分自身が高齢になったときにもう一度読んだ方がいいように思う。
2016/12/13 23:51
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
超高齢化社会は確実に近づいている。それはわかるがそんなに実感はないし切実さも感じない。でもそれが近い将来確実にやってくる。この本は、五木寛之氏が最近よく触れているテーマだ。同じよなことを前に読んだような気がする。この本は、自分自身が高齢になったときにもう一度読んだ方がいいように思う。
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最近こういう本が多いけど、これは新しい切り口だったなと思う。この時代を生きていくための老人のこころがまえというか。こんな柔軟な考え方の80歳に私もなりたい。
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超老人社会がやってくる、大変だから覚悟せよ、というむしろ後ろ向きの内容のフレーズが何度も出てきて、うんざり。もっと、ポジティブに捉えた提言を期待していただけに残念!
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これから大多数をしめる
ご老人たちの新しい老人の形のはなしでした。
わたしにはちょっとはやいかな~
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ブログに掲載しました。
http://boketen.seesaa.net/article/390019991.html
五木寛之の「老いの繰り言」芸
五木寛之が「日刊ゲンダイ」に毎日書いているというエッセィを、老人問題に絞ってまとめた本。
「新老人」という五木の造語は、新人類というような意味合いで、「やたら元気な老人」をさしている。深い意味はない。
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人生50年だった昔がいまや人生80年、
いやいや90年になる。
人生75年くらいが、ちょうどいいんではないかという
五木さんの主張です。
半日がかりで部屋を整理しても、何の変わり映えも
ないことに愕然とする、という行為に
共感を覚えました。唯一ここだけが面白かったです。
あとは、夕刊紙のぬるい文章そのままです。
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自分にできないことを人にすすめるのはナンセンス。
要するに、明るい未来しか語りたくない。
繰り返し書く。
自分の過去を捨てることは難しいが、守り続けことも難しい。老人は荒野を目指す。
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うちの雑誌に似たような記事が載っていたので、もっと詳しく知りたいと思って読んだけど、なんかふわっふわでつかみどころがなかった。新書というより、エッセイ、というかんじ。
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世代間ではなく、老人世代同士で負担を分かち合うとの提言が新鮮で覚悟を感じる。言葉の端々にユーモアがあり、楽しく読める。
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五木寛之 著「新老人の思想」、2013.12発行、著者81歳の時の作品です。読み応えがありました。時代を超えて、永遠に変わらないもの、人間の欲、男女の情、人生の期限、そして生病老死。右を向いても左を見ても年寄りばかりという時代。どう生きるかよりどう死ぬかが問題となる時代に入った。60歳~90歳は、死をどう迎えるかと体のケアを。古稀とは第三の人生の前半の出発点であるにすぎない。豊かさとは何か、何を捨て何を残すか、自分のライフスタイルを貫ければ嬉しいですね。
老人の自立と独立を説いた書。五木寛之「新老人の思想」、2013.12発行、再読。 ①養生は大人のたしなみ ②後期高齢者への3つの難関は、病気(健康)、介護、経済。 ③立って歩くことの重要性。生活とは、立つ、歩く、坐る、寝るの四つに尽きる。
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飾らない言葉で、本音で書いているので、とても語りかけられているようで、読みやすい。
「自分のことを棚に上げて」がモットー
P 83〜 タイプA,B,C,D,E 自分はどれになるだろうな?って思った。自分はどれになりたいかな。 先進技術志向型と放浪志向型ならいたいかなって感じた。
豊かなについてもっと考えてみようっと。
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とかく元気な高齢者を
誇大に映すメディア。
私たちは錯覚している。
「現実」という言葉が
百人の内、九十九人の
状態を指すならば、
元気で長生きは理想で
あって現実ではない。
現実は多くの人たちが
寝たきりなど要介護の
状態になるのである。
家族をはじめ社会保障
の担い手たる世代が、
それを支えるのである。
老衰とはそういうもの。
曰く至って自然の摂理。
あわせて、今後、年金
受給年齢がさらに後ろ
倒しにされ雇用が延長
された場合、
退職後に元気に過ごす
時間は益々短かくなる。
もはや私たちが目指す
べきは単なる長寿では
ない。
それより健康寿命こそ
延ばすこと。
そのために今という時
のなかで、
健康増進と体力維持に
励むことである。
長寿祈願より健康祈願
なのである。