紙の本
良いですね
2024/04/30 14:02
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
池波正太郎さんの現代小説です。しかし、昭和30年代の設定なので、令和の今から見ると一昔前ですね。娼婦に対する池波さんの視線の優しさを感じました。
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高級娼婦と元締と顧客の間の人間模様を描いた短編集。ところどころに「鬼平犯科帳」、「藤枝梅安」と同様の作風が感じられ、池波ファンならおもわずニヤリとしてしまいます。昭和30年代の時代背景も存分に感じさせてくれる名作です。
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「池波正太郎には珍しい現代小説」というが、舞台となっているのは昭和30年代の東京と大阪であり、今となっては“現代小説”と呼べるのか微妙なところだ。
しかし、時代が変わってもこの人の描く男と女の機微はやはり素晴らしい。
連作短編というか、個々の話の登場人物が少しずつ重なり合っているのも粋な感じだ。
ところで当時の貨幣価値というのはどのくらいだったのだろう。
一晩2万も3万もとる高級娼婦――1回3万とか5万とかで援交する現代の女子高生なんて足下にも及ばないに違いない。
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高級娼婦とそれを斡旋する男を描き、赤線廃止後の時代の日本の姿を10話の連作で表した池波さんには珍しい現代小説。登場人物には池波さん本人の当時の環境が反映させて描いており、池波ファンには思わずほくそ笑んでしまう。
その後の池波作品「鬼平」、「剣客商売」、「梅安」などにこの作品で書かれている娼婦や男たちの人間像が巧みに影響しているのが解る。
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取り扱っている題材は違うものの、根底に流れるテーマは梅安に近いような気がする。池波正太郎の男気を感じる。
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池波正太郎記念館へ行った際に興味本位で買った本。真田太平記は読んだことがあったが、娼婦を題材にした作品があったとは。舞台は昭和30年代で、お金の価値観も今とは違うが、今読んでも読み応えがあった。
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昭和三十年代の娼婦たちと、売春を斡旋する男たち、客たちを描いた連作短編集。舞台は東京と大阪。講談倶楽部と週刊大衆に1961年から63年にかけて連載されたものなので、発表当時は同時代を描いた小説だったということになります。作中で娼婦たちはたびたび、想いを寄せる男に自身が娼婦であることを伝えるかどうか悩みます。それを知った男たちが態度を豹変させることをよく知っているからです。残念ながら、多くの男は彼女たちの予想通り彼女のもとを去っていくのですが、実は、という、最後に収められた『ピンからキリまで』が、昭和三十年代におけるSex Work is Workという感じで、なんともよかったです。登場人物たちが、銭湯で身体を流した後テレビで相撲の中継を観るために喫茶店に立ち寄る、とか、当時の生活感が溢れているのも読んでいて楽しい。