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ライフネット生命保険㈱会長&CEOの出口氏の著書。
330ページに及ぶ内容を「準備のために読んだ本は一冊もありません」全て、著者が見たり、聞いたり、過去に読んだ内容を咀嚼したものをまとめたという。スゴイ!
内容も、世界史と日本をからめたり、現代の言い方に変えたりなどとてもわかりやすかった。
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世界史を知ることで、現在の日本、これからの日本を知ることが出来る。
世界各国とのかけひき、やりとりがあって複雑な世界が形成されてきた。そこには次代を生き抜いていくヒントが散りばめられている。
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歴史とは誰かの主観が織り込まれて作られるもの。私たちが教えられてきた世界史は西洋主観がかなり入ったものであることがわかった。
東洋は後進地域であると思っていたが、もともと西洋に比べて高度な文明を持っていて裕福だったんですね。また、東ローマは亜流と思っていたが、そうではなくこっちが主流だったとは。
世界史の教科書で漠然と覚えてはいましたが、英国の中国へのアヘン施策は酷いやり方ですね。麻薬売って国を潰すとか、まさにマフィア。
過去の国家間の軋轢が現在どういった形になっているのかを知りたくなった。調べてみよう。
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こうゆう本は一度読み終わっただけでは理解ができない。何回も読んで、理解しないと。まずは部分的に理解するために興味があるところから読む。
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自分が生まれる前のことについて無知でいることは、ずっと子どものままでいること、だそうです。もう一度、歴史勉強しよっと。
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西洋優位につくられた世界史の見方を見直し、社会背景や経済・思想を絡めて納得感のあるストーリーで綴った本。
・王朝の最後の王が皆「悪政を行い、美女にうつつを抜かしていた」のは、易姓革命の考え方に立って書かれた歴史書のため。
・鉄砲が生まれるまで約2000年間、最強の軍事力は騎馬軍団であり続けた。ゆえに歴史を動かしていたのは遊牧民。
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歴史の好きな私ですが、世界史についてはローマ帝国関連を除いては、なんとなく敬遠していました。人名が覚えにくいのに加えて、多くの国が入れ替わり立ち代り活躍してとても複雑に思えたからです。
高校時代の世界史の授業を思い起こすと、話として聞いている分には良いのですが、テスト前の暗記の辛さが記憶に残っているせいもあるのかもしれません。
そんな私が、本屋で平積みになっているこの本に出遭いました。特にタイトルである「仕事に効く」「教養としての」という部分に惹かれました。「歴史に学べ」とよく言われることですが、歴史を自分の武器にするまでには、それなりの時間がかかると思います。
この本は受験生向けではなく、ビジネスマンが特に外国の人と仕事の段階から更に一歩踏み込んだ付き合いをする上で必要になってくる、最低限の知識をコンパクトに整理したという点で素晴らしいです。出口氏は主にビジネス書を書かれているようですが、さらに続編を書いて欲しいと思いました。
特に、中国とインドが、アヘン戦争辺り(1870年)までは、ずっと実質GDPの首位を争っていたという事実を、明確な数字で示されたこと(p311)は印象的でした。
以下は気になったポイントです。
・唐が怖くなくなった日本の貴族は、湿度の高い日本で、ぴちぴちの乗馬服を着て机と椅子の生活はしんどい、畳に座ってリラックスしていった。これを国風文化と呼ぶ(p23)
・奈良時代に女帝が多く出たのは、周辺世界(武則天、新羅の二人の女王)にロールモデルがあったから(p26)
・倭寇の実体は、中国や韓半島、日本の海に生きる人達の連合共和国であった可能性もある(p28)
・16世紀初めに、ドイツでルターの宗教改革が起こり、ローマ教会は西欧で大量の信者を失ったので、その穴埋めは新大陸やアジアで行うしか道がなくなった(p29)
・米国は当時、英国と対中国貿易で争っていたが、大西洋航路を使っている限り、アメリカは永遠に大英帝国に勝てない、大西洋を横断する船賃の分、余計にかかるので(p31)
・仏教とは、ブッダの教えだけではなく、お寺をつくる、仏像をつくる等の、一つの最新の技術体系である(p35)
・歴史が後世に残るためには、文字を作るだけではなく、何を筆写材料にしたかが大きく影響する。粘土板、金属とか石に書いたものは残るが、草の茎からつくったパピルス、動物の皮をなめした羊皮紙は、あまり残らない(p39)
・商という国は、中国が実在を確認しえる最古の王朝、BC17-11世紀まで30代、600年間存続した。後半の270年間は河南省安陽市北西の殷墟という地に都を定めていたので、殷と呼ばれることもある(p41)
・貴族制は所領安堵なので忠誠心は高いが賢い子が生まれるとは限らない、官僚制は一代限りだが忠誠心がない(p55)
・科挙という全国統一テストができた理由は、紙と印刷、試験をやるためには参考書がいる。10世紀の中国ではすでに、紙と印刷技術が発達して参考書が行き渡っていた(p56)
・植物を支配するのが農耕���動物を支配するのが牧畜、金属を支配するのが冶金、その次に世界をつくっているルールを支配したいと考え始め、これが神の誕生に繋がった(p63)
・1日は太陽、1年も太陽だが、その間は太陽の運行だけでは区分するのが難しいので、月の満ち欠けをプラスしたのが太陽太陰暦である(p69)
・輪廻転生が生じると考えたら、そこから生まれる思想は、この世は全部仮の姿であるというもの(p74)
・イエスの運動(キリスト教)は、ユダヤ教の革新運動としてスタートしただろう(p81)
・ユダヤ人は当時、シナゴーグ(礼拝堂)以外ではギリシア語(コイネー)で話をした、イエスの言葉はアラム語だったが、パウロはコイネーで話したので、キリスト教はユダヤ人を相手にしたユダヤ教の刷新運動という立場から、どの民族にも開かれた世界宗教になっていった(p82)
・太陽神であるミトラスは、冬至に生まれて夏至に最強になり冬至に死ぬので、冬至を「再び生まれる日」としてローマでは信者が盛大にお祝いをした。豊穣のシンボルである牡牛を殺して、その血をミトラスにささげて礼拝、そして肉をたべてワイン(ミトラスの牡牛の血の象徴)を飲んだ。キリスト教は、イエスの降臨を祝って、パンと葡萄酒のミサをして、4世紀頃にクリスマスが12月25日になった(p89)
・中華思想の本来の意味は、周囲の人々が勝手に、中華って凄い、中国って凄いと思い込んだことが始まり(p98)
・宦官は遊牧民族の伝統、遊牧民が家畜をコントロールするとき、雄の数が多すぎたり、あるいは体の弱い雄の子供を生ませても儲からないので去勢という方法と取ったため(p108)
・土用とは、立夏・立秋・立冬・立春の前の18日間の総称、現在の日本では立夏の前の18日間だけが土用と呼ばれて、江戸時代に鰻を食べる習慣ができた(p125)
・1054年に、コンスタンティノープルとローマ教会がお互いに相手を破門(大分裂)した、コンスタンティノープル側は、正しい教会として「東方正教会」、ローマ側は、普遍的存在として「カトリック教会」と自称した(p128)
・キリスト教の神様は非常に嫉妬深いので、アテネの古代オリンピックは中止、ゼウスを崇める祭典であったから、更にはアテネにあった欧州最大の大学を閉鎖した(p137)
・サンピエトロ寺院再建の費用を捻出するために、贖宥状を発売したが、これを批判したルターによる宗教改革が起こり、北欧やドイツはプロテスタントの国になる、つまり教皇権の及ばぬ土地になった(p157)
・イングランドもローマ教会から離脱して英国国教会をつくったが、本音はキャピタルフライトを避けたい(お金をローマに持っていかれたくない)であろう、そしてローマ教会は反宗教改革の旗手であったイエズス会などを中心に、アメリカ・アジアで布教しようとした(p158)
・フランク王国のカロリング朝において一番豊かだったのは、ベルギー・ネーデルランド、大陸と北海のスカンジナビア・イングランドとの交易の中心地だったから(p174)
・ルドルフがドイツ王になったのが1273年、それから73年過ぎた1346年にルクセンブルク家のカール4世がプラハを首都にしてドイツ王に選ばれた、この家が現在のルクセンブルク大公国の先祖に当たる(p184)
・牛を意味するビーフはフランス語起源、オックスとかカウはアングロ・サクソン語起源、支配階級のノルマン人にとっては食べるもの、彼らの支配下にあったアングロ・サクソンにとっては世話をするもの(p193)
・フィリップ4世はテンプル騎士団を捕らえて財産を没収した、一斉逮捕の日が1307.10.13金曜日だったので、縁起が悪いという伝承が生まれた(p196)
・百年戦争の終結によって、イングランドの王家はようやくフランス領土の呪縛から離れて自分の道を歩き始める、それまでは殆ど一体の国である(p196)
・生態系は横(東西)には広がりやすいが、縦(南北)には広がりにくい性質がある、それが交通が便利になることでその領域が広がる(p208)
・氷河期があった関係で、中国は豊かでヨーロッパは貧しかった。長江の南まで氷河進出したが、雲南やインドネシアなどは助かった、欧州は地中海北側はすべて氷の下になって動植物は死に絶えた(p212)
・東から西への道は3つあった、草原の道(モンゴル、ロシア、ハンガリー大平原)で馬で駆けていく、次がシルクロード(砂漠を横切る)、最後が海の道、これが最も交易量が多かった(p213)
・ロンドンがアムステルダムに代わって欧州と新大陸を結ぶ中心になったのは、ロンドンばかりいるウィリアム王に、商人たちが移住を始めたから(p222)
・大都は現在の北京でクビライがつくった、キンザイとは、南宋の都、杭州の皇帝の行在所のことで、この行在がキンザイ(北京)と訛った(p226)
・万里の長城をつくるために、鄭和艦隊を全廃(最後の航海:1433年頃)した。こうして2.7万人の大海上勢力がインド洋から姿を消して権力の空白が生じた。海賊は鄭和艦隊の20年間でほぼ根絶された。だから新大陸が発見されるようになった(p239)
・本格的に鉄砲が登場する16世紀まで、2000年に亘って遊牧民の騎馬軍団は地上最強であった(p247)
・1514年のチャルデラーンの戦いで、オスマンの歩兵(+鉄砲)がそれまで無敵だった騎馬軍団を破った、日本でも1575年に長篠の戦いで騎馬軍団が負けた(p265)
・17世紀後半から香辛料貿易を独占したのはネーデルランド、主産地はインド、東インド諸島、強力な海軍のバックアップもあり、インドネシア共和国全体を支配していた、最大の産地はモルッカ諸島(p300)
・イングランドは香辛料にかわる有力な交易商品を模索しながらインド経営に重点を移した、当時は、モルッカ諸島には香辛料、中国には絹とお茶、陶磁器、インドには綿織物があった、英国はインドの綿織物に着目した(p302)
・インドはもともと綿織物を輸出していたのに、英国の命令で、綿花を輸出して綿織物を買うようになった。そしてインドの富は英国へ流出していくことになった(p304)
2014年4月13日作成
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タイトルはともかくとして、世界史を学ぶ楽しさを教えてくれる好著。
川北稔氏が歴史を学ぶことの意義は「いまわれわれが住んでいる世界は、なぜこうなのか」を理解することだと書いていた。
そしてそれでこそ、歴史は学んでいて楽しくなるものだと思う。
本書は、歴史を出来事や人物の羅列としてではなく、その当時の社会的背景や過去や他国の出来事とのつながりから「何故」を問うたり、当時の人たちは何を考えどう感じていたのかというところまで思いを馳せたりして、出口氏なりの理解でで流れを構築しているところが魅力。
このような自分なりに腹落ちした歴史理解までたどり着きたいものです。
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ワルシャワ 人魚がつくった国
大君の通貨 佐藤雅美
ローマ帝国 ユピテル(ゼウス)など’ギリシャ伝来の神を祀る
ザラシュトラ ゾロアスター教
始皇帝が完成させた文書行政が歴史の発達を促進
文献が最も残っているのは中国とイスラム世界
8世紀にイスラム軍が唐軍を破った 紙がイスラムに伝わる
BC1000 ペルシャのザラシュトラ(ツァラトゥストラ、ゾロアスター)と呼ばれる天才が現れて新しい概念を生む
遊牧民 中国のことキタイと呼ぶ それがcathayの(中国の意の文語)
高松塚 四神 東 青龍 南 朱雀 西白虎 北 玄武(黒い亀)
老荘思想、五行説
五行説
五行 木 火 土 金 水
五色 青 赤 黄 白 黒
五方 東 南 中央 西 北
五時 春 夏 土用 秋 冬
モンゴルの西の端にロジア人がすんでいるから白ロシアと読んだ
キリスト教 五大本山 コンスタンティノーブル教会、アンティオキア教会、エルサレム教会、アレクサンドリア教会(アリウス司祭)、ローマ教会
三位一体説 神と聖霊とイエスはひとつである ようするにイエスはひとの子でないという説
ローマ帝国 コンスタンティノーブルへ遷都 ローマの衰退
ユスティニアニス アカデミアを閉鎖 先生はペルシャに逃げる
十字軍は一回目だけ成功 セルジューク朝が分裂状態だったから GDP 文化を比較すれば圧倒的に東方が有利
バイキング 入江
vikに住んでいる人
イングランドの貴族たちはノルマンコンクエストでやってきたフランス人
こんな王様では先が心配だとのことで王権を縛るマグナカルタ作る
イングランドの王様はフランス語を話せて当然だったが、100年戦争後両国は疎遠になる
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歴史好きで読書家としても知られる出口さんの著書。学校で習った世界史を、いい意味で覆してくれる。といっても、全く異なる解釈をして驚かせるのではなく、例えば英国とフランス、フランスと米国の歴史は、国ごとではなく、それぞれセットで理解した方が正しい姿に近く、欧米人の感覚や認識を理解しやすいと言うもの。特にアメリカの特異性についての解説は納得。同様に、紀元前後から近代に至るまでの西洋と東洋の勢力の変化なども、横串かつひとまとまりの大陸・大洋で考えるとより肚落ちする。「仕事に効く」だけでなく、人生の参考にもなる。
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世界と歴史はどこまでも繋がっているんだと教えてもらいました。
筆者独自のシナリオの想定が素晴らしいです。歴史を勉強したときに、いかに自分がそのまま鵜呑みにしていたかがよく分かりました。
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知人からのメールで、面白い本であるとの紹介があった。この本を読むと代替に処分可能な本が見えてくると言われた。
一読して、面白い。
自分が知らないところを埋めてくれる。
参考文献が付いていないので、本文の中の引用から本を見て行った。
『歴史 上』ヘロドトス著、松下千秋訳、岩波文庫
『クアトロ・ラガッツィ』(若桑みどり著、集英社文庫)
『大君の通貨』(佐藤雅美著、文春文庫)
エマニュエル・ウォーラーステインは書名の引用がないので、以下を想定した。
『新版 史的システムとしての資本主義』I.ウォーラーステイン, 川北 稔訳、岩波書店、1997
『想像の共同体:ナショナリズムの起源と流行』ベネディクト・アンダーソン(アメリカの政治学者)白石隆・白石さや訳、リブロポート出版
自分が聴きたい話を聴くというのは残念ながら認めて反省しないといけない。
大学を出てからのものはほとんど知らないでいた。
代替どころか、まずは本の買い足しだ。
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ライフネット生命の共同CEO出口治明氏によるビジネス教養本。
今66歳の著者が、これまでの大手企業や海外生活の経験を通して感じた教養の重要さ、特に世界史に関する広い知識を学ぶことの大事さを、若い人向けに伝えるための入門本。
僕は、司馬遼太郎と大河ドラマの影響で中学生の頃から歴史好きなのだけど、単なるマニアックな趣味の一つであり、仕事に役立つと感じたことはあまり無い。でも、歴史に興味を持ち続けてきたことで、少しくらいは多面的で客観的なものの見方ができるようにはなった気はする。それが仕事の役に立っているかというと、よく分からないのだけれど。
とは言え、僕が得意なのは日本史だけで、中国・ヨーロッパ等の世界史は馴染みがあまりなく、高校教科書の丸暗記レベル。なので、世界史の面白さも分かるようになりたいと思い、本書を読んだ。
■学んで得た知識
・日本史と世界史の関係
日本史を世界史から切り離して考えるべきでない。人間の歴史は、一つの世界システムであり5000年史(文字が発明されてから現在まで)ひとつしかない。
⇒鉄砲伝来やペリー来航に関する日本国内資料と外国資料との記述の違いを通し、相手側(外国)の思惑がどうだったのかが分からないと真実は分からない、という著者の主張。自分にとって身近なこと(日本史)だけ見ていたのでは、井の中の蛙状態になってしまうのだということが良く分かった。
・気候と人類の文化の関係
BC500年頃に地球が暖かくなって鉄器が広く普及し、高度成長期が世界規模で訪れた。衣食が足りるようになり余裕が生まれ、ソクラテス・孔子・ブッダなどの偉人が登場。
⇒自然科学と歴史学という違う分野の学問が協力し、新たな発見や説が登場するようになってきたという例。理系と文系を分離しない方が、より新しい発想が産まれるのかもしれない。
・宗教を理解すること
人間の歴史は宗教と深くかかわりあっており、外国でトラブルに巻き込まれないためには、宗教を理解することが必要。
⇒海外で起こる出来事や、そこに住む人たちの人間性・文化を理解するのに、宗教について勉強することは避けて通れない。世界には、自分たちの神様を信じていて、それ以外の考え方が選択出来ない人達が存在するから(貧困・戦争・教育未整備・過去の歴史的経緯などのため)。お互いに、どうしても考え方が異なる人達が存在するのだ、ということを理解し、彼らの考え方も尊重しないといけないのだと思う。
・中国の強さ
中国は代々、遊牧民族と争い侵略され続けてきた歴史を持つ。そして、中国の本来的な強さは、侵略者を全部飲み込んで同化してしまうところ。
⇒中国は漢民族中心の侵略国家かと思っていたけど、歴史を追って見ると、中国三千年の内の700年以上は他民族に支配されていた時代(隋・唐・元・清など)。にも関わらず、支配する側の民族は漢民族の政治体制などを真似して、いつのまにか彼らと同化していくところに、中国の強さがあるという主張は興味深かった。
・気候変動と民族の移動
ユーラシア大陸の歴史では、気候の変化によって中央アジアの一つの遊牧��が動き、その玉突き現象によってさまざまな蛮族がヨーロッパに移って来た。その外敵からいかにして身を守るかが、ヨーロッパ最大の課題だった。
⇒これも、気候変動という自然現象により、民族の移動・戦争という歴史的大事件が引き起こされたという説で興味深かった。にも関わらず、学校の世界史で大きく取り上げないのは、中央アジアで生まれて滅んで行った国の種類の数が多すぎて、これを学校の授業でやるのは難しいからなのかもしれない。大きな流れだけでも分かっておけばよいと思うのだけど。
・ユーラシア大陸とアメリカ大陸の違い
生態系は横(東西)には広がりやすく、縦(南北)には広がりにくい性質を持っている(南北移動は気候変化が大きく動物も植物も移動が大変だから)。そのため、ユーラシア大陸では人・文化が広がり刺激し合い文明が発達したが、アメリカ大陸ではそうならなかった。
⇒文明の発展には、異なる場所で生活している民族同士の交流が必要不可欠との説。そして、民族が移動すればその土地の生態系は崩れざるをえないのも自然界の原理。人間の生活によって生態系を壊すのは間違っているという主張が今は主流だけど、人間も自然の一部だと考えたら必ずしもそうではないのかもしれない。
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著者には1度お会いした事もあり、旅行がお好きで海外にもよく行かれると伺っていた。そのような方の目線で執筆された世界史がどのようなものかと興味を持ち手に取りました。なるほど、現地に足を運ばなければ、気づかない小さな事柄から歴史に結びつけていく文脈は他にない面白味がある。
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世界史というと、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど、地域に分けて学ぶ印象があったが、本書のように人の流れを絡めていくと分かり易い。