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宗助と御米の仲のよさがうらやましい~~。
高等遊民の坂井さんも良し。
序盤で宗助が丸まってたのが、かわいらしかった。
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夏目漱石の門 (岩波文庫)を読んでみた。こんな日本の近代文学の名著を読むなんて実に久しぶりだなあ。学生時代にはこの手の本を色々乱読したものであるが、特に社会人になってからは、経済関係の本や仕事がらみで必要な本などで結構時間がとられるし、我輩の敬愛する椎名誠さんの本は新刊が出るたびに読まなければならない。小説といえば最近話題になっている現代作家のものを読むくらい。社会人の読書も結構忙しのですね。と言う訳で漱石など手に取る機会何てほとんどないんだよね、実際。
「門」は「三四郎」「それから」に続く夏目漱石の初期の3部作の3作目。ストーリーは言わずもがなでありますが、主人公である宗助の人生に立ちはだかる越えがたき「門」が物語が進むに従って様々なモチーフで浮き彫りにされていく。やはり名作ですね。情景描写は実に素晴らしく、明治時代の当時の東京の情景がVividに脳裏に展開されていく。物語の後半に宗助が山門に入るあたりの描写は実に荘厳で格調高いものであった。
ふと社会人がこのような近代文学の名著を読む事の意味というものを考えてみた。一昔前は、こういった一般教養を深く身に着けているという事は一種のステータスであっただろうし、仕事絡みでの様々な社交の場での会話に必要不可欠であったのかも知れない。大前研一さんの最近の著書にも書いてあったけど、今はそういったクラシカルな教養よりも、スティーブジョブスがスタンフォード大学の卒業式で何を語ったか、などなどグローバルな世界で起きている最新の話題をネットでいち早く情報収集して会話のストックにしておく事が必要な時代になっているのかも知れない。
では、近代日本文学なんてサラリーマンが忙しい時間を割いて今更読む意味なんてないんだろうか?中々難しい問題でありますが、我輩なりの考えはこうであります。素晴らしい物語には必ず伝えられるべき強烈な「メッセージ」があると思うのであります。今回読んだ「門」から感じた事。「人生にはいくら頑張って越えたくても如何ともし難い巨大な門が立ちはだかっているものだ。これは大なり小なりみな同じなんだ。それを越えようと皆必死に頑張っている。」当たり前の事だけど、忙しい日常でこういう事を「ハッと」気付かせてくれる機会何てそうあるもんじゃない。更に、忙しい日常を離れて「情緒ある美しい世界に一時的にせよ浸ることが出来る休息の時間や幸せ」を得るという意味も無視は出来ないだろうと思う。
そうだ!これからも時間が許す限り素晴らしい近代文学の世界に再び浸ってみようと思う。学生時代に読んだ本の山が実家のどこかに眠っているはずだ!!
【Dance1988の日記】
http://d.hatena.ne.jp/Dance1988/20120102
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『三四郎』『それから』を読んでからかなり時間を置いて読んだ。『門』というタイトルからしてなんだか地味だし、「横町の奥の崖下にある暗い家で世間に背をむけてひっそりと生きる宗助と御米」なんて紹介文を読むにつけてもあまり食指が動かなかったのだ。今にして思えば、読むのを先延ばしにしていたのが実に悔やまれる。
よかった。ひょっとしたら前二作よりもよかったかもしれない。
思うに、漱石の作品には独特の雰囲気が漂っている。匂い立つような明治の東京の空気が。それは鮮やかな風景の描写からも、活き活きとした登場人物たちの会話からも色濃く感じられる。漱石の小説を読むたびに、私はその空気の中に浸る。筋を追うというよりもむしろ「夏目漱石的な感覚」に身を任せることを愉しむ。
そういう観点から見ると、この『門』は大変気に入った作品だ。落ち着いていて、うつくしくって。愛というよりは慈しみと呼ぶのがふさわしいような宗助と御米の関係が淡々と描かれる。読者は彼らの背負った業の深さを知っているだけに、現在の関係性のありかたには迫ってくるものがある。
最後の場面での宗助の言葉「うん、然し又ぢき冬になるよ」が効いているなぁ。思わず息を飲んだ。
この作品の持つ深みを全然言い尽くせないのが歯がゆい。歳を重ねるに連れてまた違った読み方ができるのではないだろうか。いつか再読しようと心に決めた。
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門の意味。くぐってもかわれない。坂井は救ってくれるように見えても救ってくれない。虚構の自分と、季節のうつりかわり。戻ってくるのは冬。
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三部作の最初に『門』を読んだ。
移り変わる季節の中、世間と切り離されてひっそりと暮らす宗助夫婦。罪を洗うこともできず、過ぎるだ生きる二人に穏やかな寂しさを感じる。
決して盛り上がりはしないが、青空に一つだけぽっかり浮かんだ雲を見ているような、波風のない感傷的な気分になる。
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2013/04/11-2013/04/22
星4.8
僕は果たして大学生になったので、色々と名作と謳われる文章を読んでみることにした。その第一号が、この『門』。夏目漱石作。
僕は理系であって、読解というものは比較的苦手とする所なので、こういう込み入った文章を読むにはゆっくり消化しながらでなければいけないから、少し疲れた。しかし、僕の日常にあるような、読後の疲労感というものには不思議と見舞われなかった。
陰か陽かと問われれば陰に値するだろう物語だのに何故だろう、物語を通して問題は全く解決していないように思われるのに何故だろう、陰鬱な気持ちにはならなかった。
もしかするとそこらへんが、この文章を名作といわしめる要因なのかもしれない。主人公の宗助が、悲観しすぎず、楽観しすぎず、を保ちながら、解決を模索する。その中で物語の時系列は折り込まれていき、重層的な感じを読者に与える。
読み始めた頃は、なんだか文章の方向がはっきりせずにもやもやしていて、本当にこれは名作なのかと疑いすらしたけれど、読み終えて分かるのは、この作品はその「もやもや」を意図的に狙ったかのような構成だということだ。読んでいく中でもやもやが解消されたり発生したりする流れが、とても楽しかった。
つまりは、名作だったなぁ、ということだ。
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一貫して作品を貫くトーンは暗いが、明治時代の作品とは思えぬ現代的なテーマを内包した作品である。
主人公の宗介には感情移入出来る人は、現代でも結構いるのでは?
私には現実逃避しがちな思考回路や、問題を先延ばしにする所、挙句は運命のせいで納得する所など、全くもって宗介的な考え方はよく分かるし、自らの中に宗介を見る。
幸せなのは御米との仲が、小六というさざ波はあったものの仲睦まじい所でホット出来る所である。
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「秋日和と名のつくほどの上天気」から、物語はつらい冬を越えて、春にいたる。
「うん、でもまたじきに冬になるよ。」
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高知大学OPAC⇒ http://opac.iic.kochi-u.ac.jp/webopac/ctlsrh.do?isbn_issn=4003101081
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映画を見ているかのような丁寧な描写。ドラマチックな場面も、淡々とした筆致が崩れないところが好き。「こころ」同様、今は幸せを味わってよいはずの夫婦が、過去の出来事のために心に常に錘を乗せられたように過ごしているのは、不倫が、今よりももっと許されない時代だったから?生まれた家や、友達や、学校と決別してまで二人で生きることを選ぶ勇気があったのに、罪の意識から逃れられないのが、かなしい。
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遅々として進まなかったけれどようやく読了。
難しいとか面白くないとかではなく、ちゃんと読み終えたかったから。
やはりクライマックス、宗助が禅門をくぐるところになると一気に読みたくなる。
次のページを捲ろうとしたらなく、これが最後の一文かと思うとぞくりとした。
それにしても御米との関係がなんともいえずいいなぁ。
漱石小説の中では子どもに恵まれない夫婦が多いけれども、それってなんなのだろうか。
ちょうど『それから』『こころ』と読んだので共通点、相違点があってなかなか興味深い。
さあ、次はどれを読もうかな!
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宗助、お米の2人が世を憚り、こっそりと生活する孤独な様が、弟小六、叔父叔母との関係でも痛切に感じる。お米の三度の出産失敗と易者の不吉な言葉が重く押しかかる。小六の年から計算すれば、宗助たちは未だ30歳過ぎと若いはずなのだ。なんと暗い小説なのだろうか。しかし、2人が寄り添う愛情の描写が救い。2人は幸せではないかと感じるほど。過去を振返り、京都での宗助と安井・お米の出会いの場面が青春の美しさを感じる場面。そこから2人の「転落」の表現が何とも暗示的!「それから」の代助・三千代の続きとして読んでよいのかどうか、迷うところはあるが、続けて読むとどうしてもイメージを引き摺る。
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三四郎、それから、門と続けて、朝日新聞で読む。学生時代、略奪結婚、そして、その後の暗雲たる生活。門では、宗助が座禅のため、寺を訪れるが、結局のところ、悟りに至るまで我慢できず、ろくでなしな主人公が、再び描かれている。
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朝日の連載終了。三部作は10代半ばで読んだ気がするけど、三四郎、それからぐらいまではまだ何とかだが、門は10代では面白みが分からない内容だったことが分かった気がする。今読んでもそんなに面白くは無いけど、主人公の気持ちが少しは分かる。明治末期の悩めるエリートの若者、高等遊民、没落したインテリ達の様子が描かれている三部作ということかな。閉塞感の漂う日本で下っ端役人をしながら隠れて生きる主人公と、妻?を奪った相手であり日本を捨て新天地・満州に行った親友。時代は違うが、成長期を過ぎ国内だけではじり貧の現代日本に通じるところはあるかもしれないが、いつの時代にも通じる普遍的な人間の内面を描いているところが漱石が愛されている理由なのかもしれない。寅さんに言わせりゃ「おまえ、さしずめインテリだな」と言われてしまいそうな主人公達の悩みは、最近なら流行の自己啓発本とかアドラー心理学でも読ませておきたくなる。
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崖下にある暗い家に住む宗助と御米。世間から背を向けて暮らす二人を視点に物語が進む。登場人物と情景がぴったりと合わさっている小説。ただ正直に言うと物語は大きな変化がなく淡々と進む。いつのまにか読み終わってた。ちゃんと読めてないかもしれない…