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OLの美知代、中学生のむつ美、そして彼女たちのあこがれの存在であるつかさ…。
生活、仕事、嫉妬、過去、好きなのこと、周りからの目、発言力、社会、家族、挫折、安定、プライド、善悪、立場、能力…。
異なる3人の視点で、それぞれの過去と現在を語っていく。
朝井リョウがついに小学生女子にまで矛先を向けるとは!と苦しくなってしまった…。
人間の汚い部分…、本人が社会生活のために必死で隠して、その上に明確な立ち位置を確立しているであろう汚い部分…、本人にしか分かり得ない汚い部分を、これでもかと見せつけれられてしまいました。
そんな自分を受け入れながらも、それぞれの女性が成長し、一歩踏み出していくようなラストなので救われました。
それにしても朝井リョウはおしゃれな文章構造をするなぁ。あっちからもこっちからも目まぐるしく情報が入ってきてガンガンする。でもそれが少し心地よくて一気に読んでしましました。
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新しいものを期待しすぎる人にはお勧めしない。
けれど特に女性は読んで損はないかなと思った。
桐島…のスクールカーストの描写が更に進化して、作者と共にステージが社会人に移ったのがこの本。
あの小さな教室での人間関係や、女性の細かい心理描写をどうやってここまで磨いたのか、いつも不思議に思ってしまう。
どこかのインタビューで、「会社にも学級委員みたいな人がいた」「採用のHPに出てくる社員がすごい人に見える」と答えていた通り、作者が入社してからの周囲の人間関係と過去の教室での観察結果がうまく結びついていると思った。
それから、
スペードの3をいつまでも握る美知代と、
引退の記事を書き進めてきたつかさは、
私と同じだと痛感した。
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朝井リョウは本当に男なのか?
まだ20代前半の男子が書く文章じゃないよこれ!ここまで女を見透かされているのか…と思うと本当に怖いです。
初めの美知代の話がとても面白かっただけに、つかさの話は惜しいと思った。つかさの話が1番物足りなかった。
今後の朝井リョウにも期待せざるを得ない。本当末恐ろしいわ…笑
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女性の、繊細な感情。ちょっと読みづらかった。
朝井リョウさんは学生を描いた作品のほうが好きかなぁ。
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痛い。闇い。黒い。読みながら何度思ったことか。
優越感・劣等感・嫉妬・羨望・憧憬・嫌悪・軽侮……隠しておきたい感情・見せたくないし見たくない感情ばかり綴られる。
『スペードの3』
某歌劇団出身のミュージカル女優つかさ様のファンクラブを仕切る美知代の物語。
子どもの頃から委員長タイプの彼女。感じていた優越感は「あのコ」の出現によって劣等感にすり替わり、焦燥と嫉妬に襲われる。昔も今も。
――いくら待っていても、革命は起きない。私から動かないと。
『ハートの2』
自分の容姿に劣等感を持つむつ美の物語。
容姿のせいで自分に自信がなく、小学校でも中学校でも軽んじられていた彼女の踏み出した小さな一歩は呼び名を変えるところから。
――誰かのためなんて言い訳せずとも、自分のためでいいのだ。私は、私のために、よりよくなりたい。
『ダイヤのエース』
美知代、むつ美のあこがれの存在である、つかさ様の物語。
舞踊学校の同期で女優の円(まどか)が引退するというニュースに、昔から彼女に抱いていた鬱屈した想いが頭の中でぐるぐる巡る。
――どうしていつもあの子だけ。私にはなんにもないのに。
朝井さん作品を読むのはまだ2作目。作風もわかっていないけど、前回も今回も「達者な文章と端正な構成」と思う。
それは、どんなに巧くてもツクリモノ=小説であることも実感させるけれど、勿体なさを感じるよりも、ほっとするのが正直なところ。
リアルを超えたリアル。
彼と同世代を描いた等身大の物語はその辺りどうなんだろう?ぜひ読んでみなければ。
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関連する3人の女性、強くリーダー的な存在、いじめられながらも立ち上がった女性、誰もがうらやむスターであったりと立場は全然違うが、同じ女性として抱く心の葛藤みたいなものがテーマだろうか。
自分の立ち位置はどこか、どんな風に立つべきなのか、見栄を張ったり嫉妬したり、そんなものがヒシヒシと伝わってくる。
作者が男性だからこそ、容赦なく女性の嫌らしさを伝えられたのかもしれない。
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正直微妙だなぁ。
新鮮味がなかったし中途半端。
表題作は良かったけれど残りの二編が無理やりっぽい感じもするし、やや出来も良くない。
もちろん繊細な感情表現の巧さや、女性でしか分からないような表現、例えばトイレの場面などはさすがだなと唸るほど。
でもちょっと主人公の美知代ちゃんを追い詰めすぎじゃない?ここまでするかなぁ。
スクールカースト(この言葉嫌いだけど)について書く作家さんはたくさんいるけれど、もっとリアリティがあるような・・・。
ちょっと今回は狙ってる感が強すぎるか。
読んでて冷めちゃって感情移入まで行かず。
ちょっと大人の女性を書くのは早かったのかも。
いや多分もっと評価すべきだとは思います。
でもなんせ期待度が高いので評価が辛くなってしまうのは致し方ない。
若くして傑作を出しちゃうと後が大変ですね。
と言いつつ、桐島を読んでない私。
桐島もスクールカーストの話しらしいので読んでみないと。
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とにかく構成が素晴らしい。
途中、あっ、と驚かされる仕掛けもあったり
絶妙なバランスでそれぞれの人間関係が描かれており
のめりこんで読んだ。
女性特有の計算高さ、エゴ、妬み、細かい描写において
とても男性が書いたものとは思えないくらいリアル。
そして、ドロドロとした心の裏側をこれでもかと
見せられながらも、読後感が清々しいという
貴重な作品だと思う。
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読みやすい。
けど、読み返したくなる部分や頭に残る部分が少ない。
話題の本なのでチェックしたけど
桐島、部活とか、もう一度生まれる
の方が好きです。
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初の社会人主人公の小説ということですが、連作中編3本ともやはり女性の一人称小説で、あいかわらず、この人は本当に男性なのかとびっくりします。
わたしは3本目の主人公のつかさが好きです。この人が悩んでいること、というか苛立ってることに凄く共感。
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読んでいるうちにどんどん引き込まれて行く感じはいつもと同じだが、今までの朝井さんの作品とは方向性が違って、面白かった。
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朝井リョウ著『スペードの3』読了。
女性目線での展開だが、男性が読んでも楽しめるというか・・・ひとそれぞれの性格や表現の描写が繊細である。有名人の出待ちにもいろいろあると思うが、こんな光景もあるよね。
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確かに残酷な物語だけど「ダーク」ってほどでもない。最後にちゃんと救いがある。相変わらずさわやかな読了感。次も楽しみ。
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「スペードの3」朝井リョウ◆美知代、むつ美、つかさ。冴えない日々を変えることはできるのか…革命は起きるものではなく、起こすもの。朝井さんは小学生の頃から人間観察をされていたのでしょうか。小学生女子がとても上手に描かれており、この人と同じクラスでなくて良かったと思ってしまうほど。
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宝塚やジャニーズにハマる年配の人の気持ち悪さがよく描かれていました。全体的にドロドロしてて暗い。小中学生の頃の話も出てくるのですが、朝井リョウさんはクラスの中で五十嵐くんの位置だったんじゃないかなぁと想像されるのですが、冷静に女子たちを観察していたのかなと。男子にしっかり見られてたのかもと思うと薄ら寒くなりました。