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鳩山氏がイランに勝手に行ったことの弊害について論じてる部分は非常に勉強になった。
『極端な愛国主義や軍事強硬策の台頭を許してしまうのは、政府指導部が国益を守るために毅然とした外交を推し進めない時なのですから。』という手嶋氏の言葉に深く共感する。
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佐藤優氏と手嶋龍一氏による対談本の第2弾。尖閣や竹島の話題はそこそこに切り上げて、中国共産党の内部闘争や、イスラエルとイランとシリアの関係など、世界における注目度の高い話題に多くのページを割いているあたり、さすがはプロのインテリジェンス・オフィサーといった感じである。国際インテリジェンスの価値観では、今年起こった一連の尖閣問題は「中国の勝ち」となるみたいだけど、あれだけ大騒ぎをしてしまったら中国海軍だって動きにくくなるし、国際世論は完全に敵に回してしまったし、日本にとってそれほど悪い結果だったとは思えない(経済的には痛み分けだけど)。それはそうと、読売新聞に「元首相がきちんと務まらなかった初めての人」と酷評されてしまった鳩山元首相であるが、どうやらイラン電撃訪問の件を指していたみたいだね。佐藤氏も手嶋氏も、この件に関してはイランのインテリジェンス能力を絶賛している。
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後藤田さんや野中さんはプロの官房長官だったそうだ。
今やアメリカにとって環太平洋地域の際重要国は日本からオーストラリアに切り替わっている。遥か中国を睨んで角のように突出しているダーウィン空軍基地にアメリカが初めて海兵隊を駐留させようとしている。
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イランとかシリアのあたり面白い。それからTPPの読み方も。インテリジェンスとは?という語り口からいくのはちょっとおれおれ詐欺的で好きではないのですが、新書的にはありでしょう。大変勉強になりました
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面白かった!尖閣問題に絡めての沖縄の独立シナリオは衝撃的だった。筆者の持つ情報が全て真実かどうかは分からないが、日本でインテリジェンスが活用されているかどうかは外交姿勢を見ていると怪しく感じる。
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ニュースの読み解きの視点が高く、自分も偉くなったように感じてしまうが、あくまで一読者として楽しみたい。
テーマが最近過ぎるためか、つばぜり合いが多く、踏み込んで斬っていない感じではある。
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年明け読書の第一弾。外交、安全保障をさまざまな切り口から考える。第5章「アジア半球の新たな勢力地図」の部分 東日本大震災発生時にアメリカに滞在し、米国の報道を見ていた身としては、「トモダチ作戦の真相」については納得いく部分が多い。
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二人の対談形式で進む展開。
実務に長ける者同士の会話なので、ものすごく高度な内容になっている。とても面白い内容でした。
この対談をする際に、手元資料なんかを見ながら会話をしているんでしょうか。それとも何も持たずに!?二人の記憶力の凄さ、物事の思慮深さに感嘆です。
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現在の国際情勢を踏まえた内容。2人とも海外勤務の経験があり、話にリアル感があり読み応えがあった。この手の新書は、店頭平積みのうちに読まないと新鮮味がなくなる。
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栗田からのオススメ図書。身近な人の職場について書かれていたので、非常におもしろく読めた。著者の性格を考えるとある程度の偏りはあるのだろうけど、今現在日本が国際社会でどのような立場におかれているのかを考えるいいキッカケにはなる。
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まず日米同盟堅持が日本の国益に叶うという認識で話は進んでいる。領土ではなく権益の拡大と言う新帝国主義がアメリカ、EU、中国、ロシアなどを中心に進み、日本も対抗せざるを得ない。異質なものを取り込み外部とうまくやっていくには沖縄との付き合い方が非常に重要。日米同盟の最後の砦は嘉手納基地で、ここが無くなるとアメリカから見た日本の重要度が低下し、相対的に中国の影響力が増す。両氏ともナショナリストではなく、ドライな外交の力関係から話をしている。
歴史的な認識では例えば孫崎享の「日本の国境問題」を評価しながらもアメリカ陰謀論の孫崎氏とは別のスタンス。
尖閣諸島
中国の目的はまず領土問題の存在を認めさせること。ある程度成功してるようにみえる。日本政府の買い上げは国際的には紛争の存在があるように見える。中国も尖閣は日本領と認めてきた事実はあるけど日本も一度は宮古島より西を割譲する国家決定をしている。(1880分島増約)
普天間
アメリカ上院軍事委員会はもう辺野古はないと見ている。グアム、オーストラリアなどに分散。日本政府がいつまでも沖縄の意向を無視し続け、米軍の非行が続けば沖縄独立論も出てくる。
沖縄独立
ここではあくまで作業仮説。非武装中立国として独立すると、中国との海洋資源共同開発が進む可能性もある。経済的なメリットは有りそうだが今の中国を見てるとお勧めできない。個人的にも中国資本が沖縄の島を買い漁る姿が想像できていやだ。
竹島
日韓国交正常化前の密約が存在する。「両国政府は、別段の合意がある場合を除くほか、両国間の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとし、これにより解決することができなかった場合は、両国政府が合意する手続きに従い、調停によって解決を図るものとする。と言う政府間の交換公文があり、その裏に「双方が竹島を自国の領土と主張したり、これに反論したりすることに異議を唱えない。韓国が占拠してる現状は維持するが、警備隊員の増強や新しい施設の増築はしない、両国はこの合意を守ることを日韓双方の首脳に伝えて裁可を得る。」2007年に政府は紛争に竹島が含まれると"認識"していると回答しているが、韓国政府の認識は含まれないで有る。韓国は密約どころか公文も反故にしようとし始めている。
北方四島
サンフランシスコ平和条約では一度は国後、択捉の放棄を認めているが、その前提で後段で歴史的には日本の領土であったと主張している。例えばイギリスは日本の主張を認めていない。プーチンの引き分け提案は2島返還プラスアルファ、どちらも勝てないから引き分けなのか。ロシアは沿海州に対する中国の圧力を懸念しているので、ツー・プラスアルファで経済協力を進めるのはいい線じゃないかな。
他にも鳩山イラン訪問、北朝鮮ミサイル警報はなぜ遅れたか、TPPなど盛りだくさん。鳩山外交と311で決断(即刻廃炉と海水注入、国外への協力依頼)できなかった菅の責任は重そうです。
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沖縄、北海道独立。TPP≒国家安全保障。新オレンジプラン。確かに動乱。
本書に参考文献としてあげられていた「日本の領土問題」を読後に第一章を再読。理解が深まる。
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イラン外交、ギリシアの経済危機に関するインテリジェンス(策謀・情報)的な観点が面白かった。対談形式なのでサクサク読めます。
ある種の偏りはあると思うんですが、佐藤優自身が他の著作で語っていた「人間の偏見の力は、理性よりはるかに強い」を語り手にも、そして読んでいる自分にもそういう部分があることを踏まえた上で読むといいと思います。
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重慶市のホテルで英国人ビジネスマン、ヘイウッドの変死体が発見される。
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当局は病死として処理する。
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不審を感じた副市長で公安局長の王立軍が市長の薄煕来に捜査を進言。
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進言した王が解任される。
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王が米国総領事館へ駆け込み、アメリカ、イギリスの当局を巻き込み、薄煕来の妻、谷開来が殺害容疑で逮捕される。
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捜査により薄夫妻が5000億の蓄財をヘイウッドの力を借り海外へ不正送金していたことが判明。
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薄氏は現書記長・習近平の太子党の系譜の為、前書記長・胡錦濤の息のかかった安黴省で裁判が行われ、薄氏の妻へ死刑判決が出る。
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事件の真相は太子党内で力を付けていた薄氏を警戒した胡錦濤の「共青団」が薄氏の不正を調べ出し、その動きを察知した薄氏側が犯行に及んだものとされる。
しかし薄氏の妻は「ヘイウッドに息子のことで脅されていた」と主張・・・
その後、
イギリスの新聞「デイリーメール」がヘイウッドがMI6の工作員であったことを暴露する。
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ヘイウッド自身、次期政権の中枢を担う薄氏と深く関係しすぎた為、「身の危険を感じる」と知人に話す。
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更にヘイウッドは重慶でのコンサルタント業の他、北京では車のディーラーをやっていた事が判明。
その車は‘アストン・マーチン’で「共青団」の幹部に販売していた。
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要するにヘイウッドは習側と胡側に食い込んだダブル・エージェントだったわけである。
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薄氏に警戒を抱いたヘイウッドが「共青団」へ軸を変えようとしていた可能性もある。
薄氏の息子はヘイウッドのルートでオックスフォードさらにハーバードへと進学している。
その後見人はサッチャーの外交アドバイザーだったパウエル氏で、イギリスは薄一家を貴重な‘情報源’に仕立て上げようとしていた模様。
その旨で脅されていたとすれば谷開来の主張が裏付けられる。
米総領事館へ逃げ込んだ王立軍は薄氏の諜報活動の証拠として国家主席らの電話盗聴のテープなどを持ち込み、米への亡命を依頼する。
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米政府は総領事館で資料は預かったが「米国側へは渡さなかった」と公式発表し、王立軍の政治亡命を拒否。
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現在、王立軍は中国公安当局の拘束下にあり、資料が米へ渡っていれば国家反逆罪で死刑が確定的、処刑が施行されると、亡命を拒否したオバマ政権が批判にさらされるので「それほどの情報は得ていない」とシラを切っている状態。
はてさて20年ぐらいたったら事件の真相がわるるのでしょうか!?
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様々な政治的・社会的な事件の裏に潜むインテリジェンスの動きについて,存分に書かれた本。インテリジェンスに初めて触れる者でも読みやすく,また読み物としての面白さもある。