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佐藤優と手嶋龍一。外交面とインテリジェンスの『裏街道』を歩んできた両氏による国際情勢の『舞台裏』を語りつくすとってもディープな対談です。『あの話の裏側はこうだったのか!』と何度も驚かされました。
『外務省のラスプーチン』佐藤優氏と国際ジャーナリスト手嶋龍一氏のディープな国際社会の『裏側』をめぐる対談本の第2弾です。
佐藤氏のおっしゃるように、国際社会は『新・帝国主義』の時代を迎える中、日本は『3.11』の東日本題震災で弱体化し、それを狙って韓国が竹島(独島)を、ロシアが北方領土を。そして中国が尖閣諸島の領有権をあの手この手で主張し始めた事に関する『危機』をめぐるスリリングなやり取りに始まって、『民族問題』の萌芽が芽生えつつイある沖縄の問題や、プーチン政権とナって『甦る怪物』となったロシアがめぐらす『北方領土戦略』第二章では中国の『インテリジェンスのゲーム』を無視してあの手この手の『汚い』工作に明け暮れるさまを注視しております。
さらにここでは歓楽街の『ロシアン・パブ』のおねいちゃんがなぜ、ウクライナ出身が多いかについても解説がなされ、思わずニヤリとしてしまいました。
第三章では最悪の外交として各方面からたたきにたたかれた鳩山由起夫元首相のイラン訪問を外交上の評価としては『論外』と切って捨てる一方で、イラン側鳩山首相に仕掛けた『インテリジェンス工作』の手口の鮮やかさを語っております。これは佐藤氏がラジオでも解説しており、当事者であった大野元裕氏をゲストにすさまじいまでの追及を行っている回がYoutube上にありますので興味をもたれた方は一度お聞きになってはいかがでしょうか?
第四章ではイランと北朝鮮の各事情について、これまた『裏事情』がたっぷりと語られており、『サード・パーティー・ルール』というインテリジェンス・コミュニティにある『掟』についての箇所が面白く、またためにもなったと思っております。
第五章では東日本大震災でアメリカ軍が展開した『トモダチ作戦』のその『真意』。内閣に様々な「ガバメンツ」ができて『インテリジェンス・サイクル』が回らなかったという話や、情報都市としてのTOKYOが現在斜陽を迎えているという話し、さらには日英同盟がゆっくりと解体に向かっているということや、ギリシャ危機の『真相』は『ローマ法』という概念があの国にないがゆえに深刻であるということ。TPPの是非。アフガニスタン・イラク戦争で国力を使い果たしたアメリカが東アジアにどのような戦略をとっていくのか?さらには日本が意図せずして行った『選択』がプーチン大統領を驚かせた話まで…。新書サイズでこれだけの『高カロリー』な話が繰り広げられるのはとてもすごいことだなと、ただただ、脱帽の一言でございました。
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「法学部の四年生が万引きするのと、同じ年の普通のお兄ちゃんが万引きするのでは、罪が全然違いますからね。」
海外事情に通じる2人による密度が濃い対談。
非常に内容が濃く、聞いたこともない話も多く、これは本当なのかと思いながら読んだ。
それは、たとえばウクライナの対ロシアにおける重要性や、鳩山元首相のイラン訪問の隠された部分等である。
しかし、彼らの話には強い説得力があり、納得してしまう。
きっと情報は確かなのだろう。
こういう本を読むといかに自分が知らないかについて知ることができる。
ほかにも、
日韓交換公文の紛争についての認識(p.19)
沖縄入りを果たせなかった黄門さま(p.32)
シリアに関するイスラエルとロシアの心配(p.165)
EUにおけるギリシャ(p.204)
等、非常に興味深く読んだ。
内容が時事的なもので将来的には本書の情報価値は下がるかもしれないが、一読をお薦めする。
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やっと図書館から借りた。
対談集でした。
内容はともかく、対談集嫌いなんですよね・・・
なので星2つ。
いまだ中国、韓国の首脳と会ってない安倍首相。
「動乱」じゃ困ります・・・
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いろいろな観点から外交をはじめとするインテリジェンスの世界を語ってくれていて興味深かった。このようなことを知るとニュースもいろいろと考えさせられる。
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大好きな佐藤優と手嶋さんの対談本です。12年の秋頃のもので、発売に気付いていなくてかなり遅れて読了となりました…(涙)。この2人の書籍を読むといつも思うのが、国際動向をどう読むかというのは政治はもちろん、文化/歴史も踏まえた総合的な知識をフル回転させる必要があるということ。でも、これって普段の仕事にもすごく役立つ視点なので、自分の無能さを徹底的に突きつけられるので非常に楽しいw 大変だと思うけど、どちらかの秘書みたいな仕事したら楽しいだろうなぁ(2013.08.15頃読了)
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この二人の組み合わせは幻冬舎新書でもあった気がするけど、ニュースに描かれていない世界情勢の裏事情を教えてくれるという良書。
2冊めになると前ほどのインパクトはなくなってしまうし、前回以上に喋れないことが多くあるような印象だけど、日本の対して勉強していない新聞記者やニュースキャスターの解説よりもよっぽどためになるのは間違いない。
現場を知っている人だからこその重みもあるわな。
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東京都が尖閣買おうとした話など、新しい視点をを与えてくれる。
TPPと中国大使館書記官のコメの話、
田母神さんと核兵器の話には驚いた。
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最近では定期的となった、外務省のラスプーチンこと佐藤優氏とアメリカ勤務の長かった手嶋氏の対談本。2012年12月発行時点の国際情勢とその意味するところを対談形式でわかりやすくまとめている。
内容は、日本周辺の領土・領海拡張としての沖縄の問題、中国・イラン・北朝鮮との日本外交等をまとめている。時事ネタが多いので、当時はこのような考えだったのかとしることや、全てが終わってから事後に検証するなど読み方はいろいろあるように感じた。
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情報の裏を取る。世の動きの真相を探る。鳩山由紀夫を動かしたように、目的に基づき状況を操作する。インテリジェンス機能が世に無ければ、政治は独善的で、戦争は破滅型となり、外交上の衝突は頻発するだろう。水面下の根回し、対象の俯瞰的かつ正確な理解が出来なければ、全く的外れな判断が横行するからだ。近しい行為は、通常の社会生活や、ビジネスにおいても、当然存在する。勿論、国家間で生じる規模の利害得失には繋がらないのだが。この利害得失が、機密性を要し、尚、インテリジェンスは高度化する。
この機能が日本に今要求されるのは、特に、領土問題、安全保障について。この問題を、佐藤優と手嶋龍一が語るのだから面白い。正鵠を射た洞察。確かな見たて。
人間独自のこの機能が、人間関係において損なわれた際、それは、アスペルガー症候群のようになるだろうか。では、何故国家付き合いが上手くいかないのか。そこには、情緒的な建前がなく、剥き出しの利益追求しかないからだろうか。貸し借りも全て、記録に残る。会社では、どうか。情緒的な付き合いが少しはある。これは、仮初めの民主主義で、国の形を暫時選定するシステムと関係していやしないだろうか。
カロリーやエネルギー交換の共通概念をお金とし、我々は自由を交換する。しかし、交換媒体はお金のみならず。情緒も媒体なり得る。国家間で情緒を媒体とし、アスペルガーにならぬシステム。そこには、有効な世界警察と、情緒的関係の成立が不可欠だ。
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☆2(付箋3枚/P221→割合1.36)※文字加算+1(付箋平均340字)
・佐藤:仮にウクライナがNATO・北大西洋条約機構に加盟することが決定したとしましょう。ロシアは必ず軍事侵攻します。もしくは内部からクーデターを起こさせます。理由は簡単、ロシアの宇宙産業、兵器産業はいまだにウクライナと一体化したままなのです。
兵器の秘密が全部NATOに握られたら、ロシアは軍事関連のマーケットを失うことになる。NATOもそこは分かっているから、常にウクライナへの歩留まりはつけている。
・手嶋:イラン当局が発表した会見の写真ですが、アフマディネジャド大統領がいて、鳩山さんがいて、通訳がひとり真ん中にいる。あの写真がすべてを物語っています。ちょっと見には当たり前の構図に見えるかもしれませんが。
佐藤:ふつうは誰が写っているかに注目しますよね。
手嶋:でも佐藤さんのようなプロフェッショナルはそうじゃない。
佐藤:そう、誰が写っていないか。それが非常に重要なんですよ。
手嶋:大切な外交交渉では、たとえば、佐藤栄作とリチャード・ニクソン会談では、日米の双方からの通訳がいます。
外交交渉で相手側が用意した通訳に頼ってしまえば、正確さもさることながら、相手のペースになってしまう。ですから、英語が母国語と同じほどに出来る日本の外交官も対米交渉では英語は使わない。自前の通訳を用意するんです。相手の言葉を使えば不利な交渉になりますから。
…佐藤:悪い二元外交とは何か、それは相手側の眼で見ればいいのです。これを学ぶには、鳩山イラン訪問を振り返れば論より証拠、すべてが分かる。
手嶋:悪い二元外交の問題点は、交渉の相手国が日本を容易く操れる、その一点に尽きます。
・手嶋:日本は戦後長く、牙は持たない戦略できた。ウサギはオオカミのように牙はないわけですけれども、長い耳という武器がある。しかしその耳も、GPSがない現状では長いとは言えないわけですね。
佐藤:ウサギほど耳が長くなくてもいいと思うのですよ。ただし準天頂衛星ぐらいは欲しい。牙に関しては、オオカミの牙を持つ必要はないんですけれでも、猫ぐらいの耳と牙は持った方がいいと思うんですよね。それから、いろいろなパイプをもって、鼻を利かせる必要もある。ただこれも、犬ほどよくなくていいと思うんです。
つまるところ、猫ぐらいのインテリジェンス・モードは持った方がいいということです。猫ぐらいの牙と耳と鼻を持つ。日本の場合は、それぐらいのサイズでいいと思うんですよ。
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日本の周辺の安全保障関連トピック、中国のインテリジェンス、イランと鳩山由紀夫、イランと北朝鮮の核、アジアの政治経済について、インテリジェンス関係に造詣のある2人が対談。この2人の対談本は中身濃ゆいな。
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「インテリジェンス」
自分まで客観視できるくらい考え抜いて答えを出さないとこのレベルに至ることは無いのだと思います。
民主党政権時に書かれてるのですが鳩菅がいかに無能な政権やったかがわかります。
さすがに野田さんはかなりマシやったようですがσ^_^;
あの頃の悪夢に戻るのは嫌ですが現政権で再現されるのももっと嫌です。
まあネットの監視が効く時代ですからあそこまで酷いことにはならないのでしょうがσ^_^;
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この二人の対談集は2冊目ですが、今回も面白い内容盛り沢山です。
いま衆議院選挙真っ盛りですが、TPP参加の是非に関しては、このような安全保障からの切り口があるのかと、あらためて思い知らされました。
近視眼になりがちですが、戦略的思考で長いスパンでみることの重要性を感じる一冊です。
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民主党政権時代の国際情勢を、2人の独特なジャーナリストが分析した対話本です。
5年前の著作ですが、現在に通じる話題が多く、原発事故、領土問題、中国、北朝鮮、イランなどのトピックに対して、報道されない細部や背景を分析されています。
中国が初の空母を購入する際は、はじめにマカオのビジネスマンが洋上カジノを作るためと偽ったとか、鳩山元総理がイランを電撃訪問したのは、イランの諜報部門の成果だとか、興味深い情報が多く楽しめました。
2人の著者は、この本で日本の政治力、外交力の低下を憂いていましたが、この本に書かれている民主党政権時代の施策と比較すると、安倍総理は随分挽回していると思いました。
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インテリジェンスに詳しい二人が2012年民主党政権当時の世界情勢について語る。対談を文字に起こしているので、話題があちこちに飛ぶのはやや読みづらい。
悪い二元外交の例として、鳩山元首相のイラン訪問を挙げている。イランのインテリジェンスが、鳩山氏の「NPTが不公平、ダブルスタンダードだ」という言葉を引き出している。