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カラヤンがクラシックを殺した みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー18件

みんなの評価2.8

評価内訳

18 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

音楽って深刻

2008/11/16 09:43

6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カネゴン太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

宮下氏の著作は前作『ゲルニカ』から読み始め、『20世紀絵画』、『20世紀音楽』(いずれも光文社)と読みつないできました。そして、本書『カラヤンがクラシックを殺した』。絵画(美術)と音楽を縦横無尽に駆けめぐる著者は、色々なところで叩かれているようですが(「宮下誠の絶対領域」というブログ内で拝見)、主張は一貫していて、私の心にはとても響いています。私たちはどこか、この世界の出来事を他人事にして片付けてしまってはいないでしょうか。もっと身近なもの、当たり前を疑ってみなければならないのではないでしょうか。本書と直接関係ないかもしれませんが、宮下氏の著書を読むと、既成概念に風穴が開けられるような想いがして、思考が拓かれます。まずはとっかかりとして、是非本書を手にとってみてください。

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紙の本

カラヤンがクラシックを殺した

2016/09/17 12:40

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Carmilla - この投稿者のレビュー一覧を見る

筆者の専門は20世紀を中心にした美術史と芸術学で、その方面では高い評価を得ている。
その筆者が「カラヤン」をテーマにしたクラシック音楽の本を書いたのは、専門分野である「20世紀の芸術」との関連性があったからだろう。だができあがったのは、難解であり、見苦しく、独りよがりな文体で彩られた、この上なく醜悪な「カラヤン批判本」だった。筆者は「カラヤンによって、クラシック音楽が持つ精神は堕落する方向に向かった」と主張するが、そのような音楽を受け入れたのは現代の聴衆である。カラヤンは彼らに受け入れられるように、自分が持っている美学を大衆にあわせてに過ぎない。非難されるべきは、彼にそのような美学を要求した聴衆であり、カラヤンではない。
筆者がカラヤンを嫌うのは勝手だが、このような主張がクラシック音楽のファンを買うのは当然であり、ネット上の評価が芳しいものでないのも宜なるかなと考える。
余談だが、筆者は本書を上梓してから約半年後に急逝した。今生きていたら、どんな音楽評論を書いていたのだろうか。彼の書いた哲学本、美術本をもっと読んでみたかった。

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紙の本

音楽を材料にした下流哲学

2008/11/25 19:38

15人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:越知 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンが死去して来年でちょうど20年になる。ベルリン・フィルの指揮者を長らく勤め、おびただしいディスクを世に送り出したカラヤンは、クラシック音楽の代名詞的な存在であった。日本の音楽雑誌も没後20年ということで改めてカラヤンを取り上げているようである。
 そうした風潮に挑戦するかのごとく、カラヤン批判の本が出た。ただし急いで付言すれば、カラヤン批判は彼の生前からあり、カラヤンの名声はいわばそれと同量の批判を伴いながら存在していたのである。したがって私は、どんな新しい視点が本書に盛り込まれているのかに注目したのだが、残念ながら読後感は芳しくなかった。
 感心したところもある。カラヤン嫌いを標榜する著者がカラヤンのディスクを徹底的に聴いていること。本書の目的は普通の意味でのディスク批評ではないと著者は断ってはいるが、音楽を論ずる――と言えるかどうかが実は問題なのだが――本で基礎的な部分を押さえておく、つまり批判する相手の音楽的業績を知っておくのは大事なことで、そういう意味では著者の誠実さが伝わってくる本であることは強調しておきたい。
 また著者のカラヤン批判は、必ずしも目新しくはないものの、同感できるところも少なくない。「カラヤンとモーツァルトは水と油」という評言など我が意を得たりと手を打った箇所であった。
 しかし、である。本書で一番問題なのは、著者のカラヤン批判そのものではない。上述のように、カラヤンの音楽的感性や商業主義を批判する言説は生前から少なからずあったのであり、著者の見解はそこからさほどはずれてはいない。むしろ私が大きな疑問を抱いたのは、著者の持っている哲学自体に対してなのである。
 なぜなら、本書は著者がカラヤン批判に名を借りておのれの哲学を披瀝した本なのであって、というかそういう本に過ぎないのであって、その哲学自体のいかがわしさが本書の価値を大きく損なっていると見えるからだ。
 ではその哲学とはどういうものだろうか。それは「はじめに」と第1章を読めば明瞭である。
 「20世紀末から21世紀にかけての絶望は、人類がこれまでに経験したことのない類の、より深度の深い絶望」「帝国主義は一向になくならない。(…)多くの国々で、国家という名の下に制度化された暴力が一人一人の人間の尊厳を奪い、結果として個性は記号化される」「いわゆる大衆の救いがたい凡庸さには目を覆いたくなる。人が人を殺し、強者が弱者を抑圧する」「いわゆる中流幻想も、『民衆』を『大衆』へと知らず知らずに移行させ、ささやかな幸福感で満足させる極めてよくできた抑圧装置であり、気付こうとする、或いは目覚めようとする意志に対して、目前に迫った危機感や、絶望的なまでの人間不信、人類の救いがたい愚かさに気付かせぬように巧妙にそのネットを張りめぐらしている」
 ……こういった類の大げさで「絶望」を繰り返す文章が次から次へと出てくるのだ。
 では、そういう著者にとってクラシック音楽とは何なのだろうか。「モーツァルトの音楽は本質的には暗い。そして狂気に満ちている」「「暗さと狂気という点では(…)ベートーヴェンの音楽にも共有されている」「〔ブルックナーの〕殆ど狂気と言って良いほどに緻密に仕上げられた対位法」「その狂気と絶望は共有し得ていないものの、ニールセンの交響曲第4番『不滅』もカラヤンのごり押しの力業が奏功して」「カラヤンの音楽は、時代の病理や狂気に抵触しない限りにおいて(…)抜群の適性を示している」「〔指揮者ケーゲルは〕知的と言うより、狂気に満ちた、どこかマッド・サイエンティストのような狂った理知主義的音楽」
 ……本書ではかくも「狂気」という言葉が大安売りされている。
 そう、狂気や病理がなければ、著者にとっては芸術ではないし芸術家でもないのである。本書ではそうした著者の理想(?)を体現する指揮者としてクレンペラーとケーゲルが挙げられている。
 たしかに芸術家やその作品に常人には想像もつかぬ狂気が宿っていることはあろう。ただし、そういう「狂気」を言葉として濫発するのが芸術的な態度だとは私は思わない。音楽は所詮音楽であって政治ではない。音楽家は所詮音楽家であって革命家ではない。仮に音楽や特定指揮者の音楽づくりに現存する社会とは違う何かを想起させる力があったとしても、それはあくまで一瞬の夢のようなものなのであって、政治によって世の中の欠陥を一歩一歩変えていく作業とは根底的に異なるものと知るべきであろう。
 著者のおかしさは、例えば次のような文章を見れば明瞭である。「彼〔ケーゲル〕は資本主義の欺瞞を鋭くかぎつけ、社会主義によってそれを克服できると本気で考えていた。しかし彼の言う『真正な社会主義』など絵に描いた餅に過ぎなかった。世の中は、右も左も欺瞞だらけだ。それでもケーゲルは戦い続けた。/その音楽の苛烈さはどうだろう」
 ケーゲルの社会主義幻想を批判しつつ、音楽によってケーゲルは戦い続けたのだ、と著者は言っている。冗談ではない。ケーゲルにどれほど政治が分かったというのか? カラヤンと対蹠的なケーゲルの音楽づくりを指摘するのはいい。しかしそこに政治的な戦いを見るのは著者の幻想に過ぎない。どんな社会だろうと世をはかなむ人はいる。逆にどんな社会でも楽天的に生きていける人もいる。ケーゲルはたまたま前者だったというに過ぎまい。
 「狂気」「絶望」を濫発しながら、どこかうれしそうな著者の顔が見えるような気が私にはする。それこそ資本主義下で言葉や観念によってのみ過激になっていくタイプの学者がいるものだが、そういう学者の書く本がどういうものかを知るためのサンプルとしては、本書は貴重であろう。

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2008/12/13 17:25

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2009/06/02 21:55

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2011/04/24 00:16

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2011/04/09 18:48

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