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最初で最後のラブレター
2022/06/25 18:03
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投稿者:M★ - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんだか空しい
刑事は犬のように犯人を追い詰める。
でも流が仕掛けた煽りは、麻薬中毒者を最悪な暴走に追い立ててしまう。
追い詰められて、ついに糸が切れるように壊れて、みんな血を流す。
以下、ネタバレです。------
「早く捕まえてやれば、救えたんだろうか?」
それより、最初の罪を犯す前に、佐希を施設に保護していたら、
犯罪に手を染めずに、済んだんじゃないかと思う。
喫茶店のおばさんが、ネグレクトに気付いていたなら、佐希を保護していたら、違う展開になっていたはず。 小説を面白くするためとは言え、ネジくれている。
佐希が置いたメモは、佐希の本心の告白。
あれを遺された司が、ジューンベリーを見る都度に思いだすだろうと思うと切ない。
生き残るっていうのは、
想いを抱えながら死を待つ、残酷な罰のようだと思った。
紙の本
シリーズ完結編
2016/03/31 19:08
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投稿者:tix - この投稿者のレビュー一覧を見る
2巻の引きが、めっちゃハラハラするところで、ぶちっと切られたので、
そのまま3巻も一気読み。
「神様も知らない」シリーズ、完結編です。
2巻は主に13年前の過去編でしたが、
3巻は、司視点で4年前の過去がちょっと挟まれる以外は
ほとんど現在の時間軸で話は進み、クライマックスに向けて
今までの謎がどんどん明かされ、物語が収斂していきます。
この巻を読んだら、
思っていたよりずっと、佐季と司は罪を重ねてました…。
もう泥沼です。
これ、絶対幸せになれないよ…。
1巻は慧介と司の交互視点、
2巻の過去編は、流視点と佐季視点、ときて
とうとう3巻は、司、慧介、佐季、流の四人の視点が章ごとに切り替わる形に。
2巻を読み終わった後でも、主役は恋愛関係になる慧介と司、
佐季は当て馬で準主役、流は脇役でしょ?と思ってた私。
・・・作品の捉え方を間違ってた気がする。
3巻を最後まで読み終えて、
主役はいない、少なくとも慧介と司のラブは主題じゃない。
むしろ佐季と佐季を追い続ける流、この二人の関係が主題じゃないか?
ひょっとして、佐季と流こそが主役じゃないのか??(ラブは無いけど)
とまで思うように・・・。
読み終わった今も、
佐季と流の関係を反芻するだけで、涙が滲みます。
BLとしてではないけれど、すごく心を鷲掴みにされた作品でした。
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全てを読み終えて、切なさと哀しみで胸がいっぱいに。
これしかなかった。そう頷けるけど、佐季のこれまでの人生を考えると、空しくやりきれない気持ちにさせられます…
読み始めはこんなに作中の人物に魅入られて、ひどくもどかしい気持ちになってしまうほど物語に入れ込むとは思いも寄りませんでした。読み進むうちにその危うさにはらはらして、何とかしてあげたいと思ってしまって力が入りっぱなし。
だって佐季も司も出会った時はまだほんの子供で、ただ苦しみから抜け出したかっただけだったんですよね。
絵に描いたような幸せが欲しかっただけの子供と、やさしい愛が欲しかっただけの子供。それを手に入れようとして重ねてきた罪の代償はあまりにも大きかった気がします。
ミステリーとしてもひけをとらない面白さでしたが、それを支えていたのはやはり心理描写のすごさだと思います。心情を深く鋭く描き出す上手さはさすがです。
特に美しいけれど残酷な佐季が、最後の最後まで大切にして隠していた想いが一枚の手紙に託されていて、これが一気に涙へと誘います。
司を手に入れようとして、何もかも手に入れたけれど、肝心の司とはどんどん距離ができてしまい苦悩する佐季の姿に涙。
美貌ゆえに、振り払っても振り払っても群がってくる欲望が絶えないのは、佐季の逃げることのできない宿命だったのでしょうか。
ずっと読んできて、はじめは佐季のことを魔性の男と思っていましたが、ふと本当の魔性は司だったのではないかと思い至りました。楽園の蛇が誰だったのか、と考えさせられます。
司は一見耐え忍ぶタイプに見えるけど、13年もの間秘密を守り続けてきた意志の強さがあります。薔薇色の頬の王子様に魅せられたのは佐季、そしてもう一人慧介もいます…
これから先、慧介が司の魂を救う存在になってくれる事を願わずにはいられません。
そして、流!!こちらはぜひぜひスピンオフをプリーズ。
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『神様も知らない』シリーズの第3弾です。
「BL」には間違いないけれど、「BL」だと思って手にすると、肩透かしを食らう感じかもしれません。
感想としては、正直に言うと、司がなぜそこまで佐季にこだわるのかわからなかったし、それならばそれで、どこで慧介が佐季以上の存在となったのかも、文面としては書いてあるけれど、感情面では理解できなかった(あまりにも佐季にこだわっているので)。
ただ、シリーズ全体的に暗いイメージはあるけれど、事件ものとして読めばそれなりに面白かった。
それでも、★3つ以上にはならないけれど…
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三部作の最終巻。暗闇の中をひたすら破滅に向かって歩く二人に胸が締め付けられる。白夜行に似ているという展開は否めないけれどあの世界観をBLで読めたのは貴重。司と慧介の関係よりも佐季との幼い頃血と血を分かち合った唯一無二の関係に感情移入し過ぎてしまったので、あのラストは私にとってはバッドエンド。でもあれ以外ラストは考えられないし罪は償わなくてはならないけれど、佐季には何処かで生きていて欲しかった。最初は司には慧介という太陽がいてこれから歩く道を照らしてくれるけれど佐季には司しかいないと思っていた。でもいくら名前を変えても人生を変えても忘れずにちゃんと捕まえてくれる人が居たのだ。そんな流もまた佐季を追うことに執着し人生を狂わされた一人。惚れてると錯覚するというのは、あながち嘘ではないだろう。ずっとおまえの手を握ってやりたかったという言葉…これから先も彼の面影を追い求めて生きていくのだろうか。そんなスピンオフがあったら是非読んでみたいと思う。
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一気にシリーズ3作+番外2作読破した。
重い!
のはわかってたけど、今回最高に暗くて重かった…
その後の番外読んでも、このもやもやを払うまでには至らず…
ラブレターて甘いタイトルだけど、そういうことかよぉお(ノw;)
…高遠さんの明るいデビュー作読み返すか(どんどん重くなったけど)…なんかゲロアマ作品くだ…さい……(ガクッ
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全3巻。1巻の中盤から面白くなって一気読み。
陰と陽の対のようなタイプの違う攻め二人。受けが刑事の攻めに惹かれたのがよくわかる。三角関係とか酸いとか甘いとかの次元の話ではなくて。
さすがに人は死にすぎだけど、心理描写がすばらしかった。最後の流刑事も微妙だけど、心にしこりを残したままという終わりかたは最高だったと思う。文中にはラブレターなんて陳腐な響きの単語はなかったけど、あらためてタイトルで見るとそうか、あれは確かに…と感動した。