電子書籍
明治たてもの館の様子がいい
2016/11/08 10:55
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
素直な感想は「明治たてもの館に暮らせるなんていいなあ〜」でした。本当にそんなことできるのかな。だったらすごい。夢のようだ。トムおじさん、半分ひきこもりの26歳青年、彼を心配する10歳、アメリカ帰りのハーフ、帆奈。彼らは叔父と姪の関係。トムおじさんが性格上、いろいろしっかりできないから、ちゃきちゃきハンナが心配したり、悩んでみたりするんだけど、けど実は叔父さんは自分のペースで動いていて、まわりもしっかり見えてるし、先も読めてる。人間、見た目じゃないし、周囲の思い込み通りの人物じゃない。それがよく分かる一冊。
紙の本
明治村が舞台ってとこが、もう琴線に触れまくりです。
2020/11/09 14:46
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほのぼの系のタイトルですが、「ひきこもり」とか「いじめ」とかが、欠かせない要素としてそこに在る。…といった感じの物語。
素直にほのぼのできないけれど、それがあるから、この先はどうなるの?次は?と、ページをめくるモチベーションが高くなる。
いちばん琴線に触れたのは、単なるテーマパークと思っていた博物館明治村。
古い建物を守りつつ、そこで商売をやる(洋食屋とか蕎麦屋とか、ホントに泊まれるホテルとか)というカタチで、村を盛りたてる人々がいて、実際村内に住んでいるという設定。(明治村についてはよく知らないんで、作家によるフィクションではなく、たぶん本当のコトなんでしょうが…どうなのかな?)
そんな明治村を舞台に、ひきこもり気質の青年にして、その稀有な才能により、今は、明治村内で、建物から生活用品、美術品にいたる古いモノの修復&複製をナリワイとする斗六(トム)おじさんと、その姪にして、イギリス人父と日本人母のもとに生まれたハーフの女の子、帆奈(ハンナ)...日本の小学校でいじめにあい、不登校になっている。このココロに傷を持ちつつも、魅力あふれる2人が繰り出す感動の物語。
それが、本書にはぎぎゅっと詰まっているのである。
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おとぎばなしの様な表紙が可愛くて
迷わず手にとりました。
森林のなかにある明治建物村を舞台に
弱い・・・トムおじさんと関わりながら、
姪っこ帆奈が成長していくお話しです。
穏やかな日記のような小説でした。
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社会からちょっとずれてしまった人たちの、あたたかい物語。
現代の問題が浮き彫りになっています。
私たちはトムおじさんやハンナのような素敵な人たちを、一時の感情でほっておいていいのでしょうか。
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弱者や子供を満遍なく認め、あるがままを優しく応援する小路氏らしい作品です。
特に子供の描き方がとっても上手です。
悪意とは無縁の世界なので、気持ちが疲れているときにオススメです。
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ハーフの女子中学生とその叔父さんのお話。
口下手で非社交的だけど
手先が器用で頭も良くて優しい、っていうのは
良キャラの王道だとは思うけど、
起こる出来事もなんとなく予想できる
範囲内で特に大きな感動もせず。
帆奈のおじいさん(トムおじさんの父親)が
江戸っ子のようだ。
東京バンドワゴンの勘一じいさんを思い出す。
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ゆっくりとした時間漂うお話。各章ごとに時間は全く違うけども、作中を漂う雰囲気はやわらかいままです。
素直で真っ直ぐで強さと弱さ、こどもらしさと大人らしさの両方を持ち合わせていたかわいらしいかんなちゃん。
まさか東京に出てしまったなんて最終章びっくりしました。それを上回る驚きはなんと言っても、恭介くんのプロポーズ(笑)
仲良い兄妹から、仲睦まじいカップルになるだなんて、淡くて甘いものを感じました。
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面白かった。
場面が前後するので読みにくい部分もあるけど。
子供の作文風の書き方で、それがマッチしており、みずみずしい感じがした。
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ハーフの帰国子女で小学校になじめなかった帆奈と、高校の時に引きこもりになったトムおじさん。他人との距離の取り方が苦手で悩んでいる人たちの物語。
舞台が昔の建物を移築した「明治たてもの村」ということもあり、ちょっと現実離れした空気が広がります。そんな中で現代的な生きづらさの悩みを抱える人の物語を展開することによって、重く深刻になり過ぎない効果があります。かと言って決して軽い訳ではないのですけどね。場が救いの力を持っているのでしょう。そしてそれは、その場に集まった人たちの力でもあるのですが。
無理に背中を押すのでなく、寄り添って本人が進むのを待ってくれる。そんな雰囲気が良かったです。
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「ぼく、が、あの二人のためにできることが、今はあるんだよ。昔は二人に頼りきりで何もできなかったのに、そういう自分になれたんだよ。大人なって」
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子どもは明るくなるのが仕事なら、私はまったく勤めを果たせてなかったんだな。
だから大人の仕事である優しくなるということは全うしたいなと思えました。
小路さんの願いが悩める人々に届くといいな。
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明治たてもの村で、家具などの補修をしながら暮らす、ひきこもりの過去を持つトムおじさん。両親と離れトムおじさんの元で暮らすハンナ。
二人の関係も、周りの人たちも、心地よい空気感でした。
トムおじさんは、人の目を見て話せないという点では弱いかもしれないけれど、言わなきゃと思ったことは言える強さと優しさを持っていて、弱さと強さは相反するものではないのだと考えさせられました。
文庫版だけに収録されているという後日談。あんなに自分をしっかり持って強く見えたハンナだけれど、小学生だから真っ直ぐ言えたことも、大人になったらどうしていいか分からなくてパンクしちゃうこともあるのかな、と思いました。
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久しく(という程では無いけど)小路さんを読んで無いなと、本屋さんの検索システムで探して見つけた作品です。
小路さんらしい温かみのある作品。でも出来はもう一つかな。
全体に話が出来過ぎなのです。良い人ばかりが出てきて、ハートウォーミングな話が続く。それ自身が悪い訳では無いし、私はそういう話が好きなのですが、やはり「ばかり」だと辛い。というか、「浅さ」を感じてしまう。
まあ、風邪を引いてダウン中に読むのには適した本でしたが。
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明治たてもの村に住むハーフの小学生、帆奈とトムおじさんをはじめとする、優しい周りの大人たち。
小路ワールド全開で、設定もキャラも出来過ぎくらいだけど、それでもよい話だなーって素直に思える展開だった。
思ったより長い時が流れて、大人になった帆奈に会えてよかった。
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再読本。平成から令和になろうとしているいま読むと、どうにもノスタルジックな気分になる。ややもすると重くなりがちな要素を含んいるが、少しばかり人間関係のすれ違いはあれど、嫌われ役がひとりも登場しないので、イライラせずに読めるのはありがたい。