ベティ・ザ・キッド(上) みんなのレビュー
- 著者:秋田 禎信, イラスト:山田 外朗(ニトロプラス)
- 税込価格:704円(6pt)
- 出版社:KADOKAWA
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紙の本
少女の復讐劇と世界の秘密
2010/09/04 21:15
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
父殺しの汚名を着せられたエリザベス・スタリーヘブンは、処刑寸前に逃げ出し、男装してベティ・ザ・キッドと呼ばれる賞金稼ぎとなり、戦車に乗って父の仇であるロングストライドを追う。
彼女の復讐の旅に同行するのは、かつては砂漠中で伝説となりながら名を捨てウィリアム・ブレイクと、先住民と入植者のハーフであるフラニー・ベリーズ。素人同然の銃の腕しか持たないベティは、彼らのサポートを受けながらロングストライドに決闘を迫り、そして寸前で逃げられる。
ロングストライドが殺しをする目的、ベティたちが乗る戦車など、様々な要素がつながる時、砂漠に隠された秘密が明らかになる。
一度は文明が発展しながらも、どこかのタイミングで西部劇レベルの科学力に退化している世界。砂漠に点在するレインスポットに入植者たちは集まり、砂漠を渡る亀や鮫を交通手段として利用し、各市にいる保安官が治安を守っているものの、基本的には力があるものが支配している。
そんな世界における正義とは、個人個人を守るルールではなく、集団全体に最大利益をもたらす圧倒的な力だ。その正義の前では、個人の幸福は必ずしも尊重されない。そんな正義の犠牲になったベティは、彼女なりの正義を貫くため、銃を手に取り仇を追いかける。
一方で、そんな世界観とは一線を画するのが、先住民のシヤマニだ。彼らは入植者のペオポルスに住む場所を追いやられて砂漠で暮らしながら、マニトウという何かを信じ、その導くままに生きる。彼らの正義はマニトウが決めるのだ。
上巻ではメインキャラクターたちの紹介がなされる。下巻では背景にある世界の秘密が明らかにされるのだろう。
紙の本
もっと話数が欲しかった感じが…って欲張りでしょうか?
2011/03/04 17:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:A-1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「上巻」は「下巻」に比べると、月刊誌連載らしい軌跡が伺えますねぇ。
(って、また何故か「下巻」から読んでる人ですσ(^^;))
思わせぶりだけになりがちな独自のSF世界の情景を、饒舌に感じさせず、説得力ある筆致で描いていく様は、流石に上手いと感じさせられました。
砂塵の臭いや味の感覚さえ伝わるような文章力は相変わらずストライクだし、ロジックも効いてて本当に充実した文章を堪能できました。
ただ、やっぱりこのお話は「上・下巻」くらいではなく、
もっと長く腰を据えて1話ごとをじっくり描いていただいた方が楽しめたのになあ…という感じで、(勝手に)ちょっと残念な感じもしました。
父殺しの汚名を濯ぐため敵を追う「キッド」こと「ベティ」も、
世間には死亡したと思われ(せ)ている元ガンマン「ウイリアム」も、
半シヤマニで何かの秘密を知っている「フラニー」も、
元牧師の息子で俺様教義を持つ現役ガンマン「ロングストライド」も、
(ハガレンに出てなかった?的な)間抜けと呼ばれるが凄腕の不死身っぽい「ビリー」も、
政府の機関も秘密裏に追いかける「天国帰り」達が行ったことがあると主張する謎の「ヘブン」の存在も、
恐るべき「白いハンケチーフ」部隊も、
「砂ペンギン」(!?)も、
砂漠を渡る亀や鮫に牽かれる船や、ブルーゲイル…じゃやなくて…装甲車(メルガバ)や、
どれも魅力的なソースなのに、
せっかくのご馳走を時間が無くて掻き込んだ感じがしたのは…、
読み手に問題があるのかもしれませんが…。
あくせく読むには惜しい作品でした。
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